第694話 天空の素直な言葉?
「ふぁぁぁぁっ! 私もアレックスと結婚するぅ~~~~っ!」
「こうなった以上、責任は取るつもりだ」
大人の姿の天空が、グイグイ攻めてきて……ぐったりして動かなくなった。
それから暫くして、モソモソと顔を上げる。
「……ふぅ。アレックスは素敵ねっ! しょーもない嘘を吐いたりして逃げずに責任を取るだなんて」
「いや、普通の事だと思うのだが」
「お、おいおい。しょーもない嘘を吐くのは天空……だろ」
気付けば、騰蛇が近くに居たけど……大丈夫か?
顔が真っ赤なのはともかくとして、口が半開きな上に涎が……その状態で突っ込まなくても良いと思うのだが。
「天空……俺様と同じく、アレックスの妻になったから、教えといてやる。これまでの経験上、そろそろミオの召喚時間が切れる頃だ」
「えぇっ!? やだっ! もっと……」
「しっかり満足しておけよ。言っておくが、満足する直前の中途半端なタイミングで時間切れになると、暫く地獄だからな」
「なるほど。それで、蛇ちゃんは挿れているだけで、もう動いてないのね」
「うん。アレックスのアレの形をしっかり身体に覚えさせておこうと思って」
「じゃあ、てんちゃんも。そうしようかな」
そう言って、天空が最初に会った時の幼い姿に戻る。
天空はどうして姿を変えるんだ?
別にさっきの姿のままで良いと思うのだが。
「――っ! こ、こっちの姿では、やっぱりキツい……けど、心地良いかも。あ、チューもするー!」
「まだしてなかったのかよ! あ、アレックスの身体が光ったな」
「んん? アレックスから、てんちゃんの土魔法の力を感じるんだけど。アレックス……もしかして、妻のスキルが使えちゃうとか? 凄ーい! これなら、きっと白虎と太陰を助けられるよ!」
……太陰?
白虎はともかく、知らない名前が出て来たぞ?
「天空。太陰とは?」
「てんちゃんや蛇ちゃんに、ミオちゃんの仲間だよー。何処に居るかまでは知らないけどー、きっと助けを求めてるよー!」
「おい、嘘吐きロリババア。どうして、お前がそんな事を知っているんだ?」
俺に対する天空の答えを聞いて、騰蛇が天空に問いかけるが、
「んー、何となくそんな気がする……かな」
「はぁ!? おい、ロリババア。アレックスので素直になったんじゃなかったのかよ!」
「えぇ、とっても素直よー。アレックスが、てんちゃんをもう一度激しく満足させてくれたら、もっと素直になっちゃうかもー。でも、残念ながら時間がねー」
天空は不適な笑みを浮かべながら、俺の上でクネクネとゆっくり動くだけだ。
天空は何か知っていそうな気もするんだが、
「アレックス。この嘘吐きロリババアの言う事は気にしなくて良いからな。どうせいつもの嘘に決まっているんだ」
「あらー? どうして蛇ちゃんはそんな事を思うのかしらー? せっかく同じ人の妻になったのだから、仲良くしましょうよ。てんちゃんと蛇ちゃんは、もう竿姉妹なんだからぁ」
「いや、それはどうなんだ? アレックスは分身しているから、俺様とロリババアは……って、消えた!? ミオの時間切れかっ! アレックス、俺様とお別れのチューを!」
騰蛇と話をしている内に姿が消えてしまい、少しして騰蛇も姿を消す。
何だかモヤっとする終わり方になってしまった。
ひとまず、ミオに意見を聞いてみようと思ったのだが、
「~~~~っ!」
俺の分身二人に挟まれ、ビクンビクンと身体を震わせていた。
もう分身を解除しても良い……よな?
「……んう? あ、アレックスの分身が消えてしまったのじゃ」
「ミオ。聞きたい事があるんだが」
「待つのじゃ! 話は後なのじゃ! もう少し、もう少しで特大のが……アレックス! 責任を取って満足させるのじゃっ!」
「いや、真剣な話なんだ。さっき、天空が……」
「天空が言う事は、九割九分九厘が嘘なのじゃ! それより、続きをするのじゃぁぁぁっ!」
うーん。ミオが話を出来る状態にないのは困った。
分身を消すのを早まったか?
「ミオ。さっきの天空の言葉が気になって……」
「そんなに気になるなら、もう一度呼ぶのじゃ! ≪六壬≫」
いや、どうしてそうなるんだよっ!
というか、そのスキルは使用禁止だって言っただろぉぉぉっ!
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