第235話 出し続けるアレックス

 変化スキルを見せてしまったせいで、かなりバタバタしたが、とりあえずお風呂へ行く事に。


「おにーさん。そろそろ、絞って欲しいなー。お乳がパンパンなのー」


 ボルシチの要望により、分身スキルの自動行動で乳搾りをしながら、俺は前半組……ニナたちと風呂へ。

 いつものように、ノーラとニナと喋りながら湯船に使っていると、突然とんでもない感覚に襲われる。

 普段、分身を出して後半組としている比ではなく、一瞬でアレが臨戦態勢になり……全く堪える事なく出てしまった。


「ん? お兄ちゃん。この白いのって、なーに?」

「な、何だろうな? す、捨ててお……こう」

「に、ニナが捨てておくね」


 延々と凄い感覚が続き、動けずにいると、代わりにニナが処理してくれたのだが、リビングに居る分身に、モニカたちが変な事をしているのか?

 前半組……というか、ノーラと一緒に居る時は、絶対禁止と伝えているのに。

 だが、それでもここまでの状態にはならないはず。

 再び出そうになったところで、


「わ、わーい。お兄ちゃんの上に座ろーっと」


 俺がヤバい事になっていると気付いたニナが、無邪気に遊んでいるフリをして……挿れた。

 すまない。大量に出てしまうアレがノーラに見つからないようにしてくれたんだな。

 だが、


「〜〜〜〜〜〜っ!」

「ニナ? 口を押さえて、どうかしたのー? 顔も真っ赤だし、ビクンって身体が跳ねたよー?」

「な、何でも……何でもな……っ! ……いよー」


 押し寄せる感覚の波が凄くて、何度も何度もニナの中に。

 これはマズい。風呂から出て、モニカたちを止めなければ。

 そう思っていたら、


「アレックスさん。大丈夫ですか!?」


 突然リディアが入ってきた。


「だ、大丈夫じゃない。誰かは分からないが、分身に変な事をしないように伝えてくれないか?」

「いえ、そうじゃないんです。誰も何もしていないのに、突然いつもよりも遥かに凄い量のアレが出始めまして」

「な、何もしていないのか?」

「はい。今は、勿体無いからとソフィさんやヴァレーリエさんが交代で飲んだりしていますけど。えっと、これはニナさんと……」

「いや、ニナは俺を助ける為に……って、それよりもだ。リディア。ノーラやビビアナを、そういうのを見せずに寝室へ連れて行けないか?」

「が、頑張ります。……ノーラさん。アレックスさんの体調が悪いようですので、先に参りましょう」


 ニナが残っているからか、渋々といった感じだが、リディアと共にノーラとビビアナが外へ。


「お、お兄さん……」

「ニナ! すまない。今すぐ抜く……」

「待って。キス……ありがと」


 ニナのおねだりに応えると、幸せそうに気絶してしまった。

 とりあえずニナから抜いて床に寝かせたのだが、依然として凄い量が出続けている。

 しまった! ニナの顔や胸に大量のがかかってしまった!


「アレックス。大丈夫ー? 私も飲むよー?」

「いや、飲む必要は無いと思うんだが」

「んー、だけど、勿体無いっていう気持ちは分かるかも。アレックスの子供の種だもん」

「とりあえず、ユーディットはお腹の子供に何かあったら困るから、安静にしていてくれ」

「うんっ! ……ただ、今もニナに沢山かかってるけど」


 慌てて身体の向きを変えた所で、今度はメイリンがやって来た。


「旦那様。原因が分かりました! 今日は満月です。兎耳族の月魔法の効力が、もっとも強い日だそうで、普段は旦那様と感覚が共有されない、月影の分身とも感覚が共有されてしまうようです!」

「つまり、これは分身が十五体居る状態で、しかも兎耳族に襲われまくっていると」

「はい。ですので、明日はこのような事にはならないと」


 なるほど。困った状況ではあるが、原因が分かって良かった。

 それにしてもこの状況は、絶倫スキルと超回復スキルが無かったら、冗談抜きで死んでしまうのではないだろうか。


「という訳ですので、旦那様。妾もユーディット殿のように、旦那様の子をくださいませ」

「ウチも、アレックスの子供が欲しいんよ! そこで気持ち良さそうに寝ているドワーフみたいに、お腹の中に入りきらないくらい、ウチの中に出して欲しいんよ!」

「アレックスさん。次は私が子供を授かる番ですからね?」


 いつの間にかメイリンが全裸になったかと思うと、ヴァレーリエやリディアも……というか、分身たちも連れて来られていて、いつもの後半組の風呂の状態になっていた。

 こ、これからは月の満ち欠けも気にしないといけないのか。

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