挿話140 イービルスキルの実験をするローランド
『居たぞ! ダークナイトだ!』
『突撃は待って。もっと慎重に! 先ずは強化魔法を』
『距離はあるが、万が一に備えて魔法を放てるようにしておく。少し時間をくれ』
ふふふ、聞こえるぞ。
なるほど。相変わらず芸の無い、いつもの勇者パーティだな。
ただ、猪突猛進な勇者とは違い、後衛は優秀なようだ。
もしも俺の眼鏡に適う容姿なら直々に飼ってやろう。
「よし、魔力は練った。こっちはいつでもいける!」
「わかったわ。じゃあ、まずは防御魔法を……」
「ん? どうし……なっ!? く、クソがっ! いつの間に……がはっ!」
悪意を読み取るスキルで位置が分かっているので、気配を消して近付き、プリーストらしき女と、脳筋っぽい勇者の首を斬り落とした。
さて、残るはウィザードっぽい青年だが……
「う、うわぁぁぁっ! ≪ファイアー・ストー……っ!?」
目の前で仲間が二人殺され、錯乱しながらも攻撃しようとしたのは良いぞ。
なので、殴って気絶させておいた。
だが残念なのは、勇者パーティの四人目だ。
見たところ、モンクといった感じの女だが、背中を向けて逃げ出した。
「つまらん……いいぞ、殺せ」
「はっ!」
隷属スキルで増やした五人の元勇者が一斉に斬りかかり、あっという間にモンクの女が肉片に変わる。
「さて、この男はどうしたものかな」
顔は悪くないのだが、後衛のウィザードというだけあって身体は貧弱で、正直俺好みではない。
なので、こいつがどれ程の魔法が使えたとしても、部下にせず殺すだけなのだが、せっかく即死ではなく気絶にしたのだ。
どうせなら、こいつを使って何かしたい。
「そうだ。隷属スキルの実験をしてみるか。お前たち……そうだな。俺には劣るが、一番アレがデカい四号。その男をヤれ!」
「畏まりました、ご主人様」
命令に忠実な四号が自らアレを硬くさせると、気絶している男の服をむしり取り、そのまま捻じ込む。
「……? ――っ!? ひぐぁぁぁっ!」
準備が整うまでヒマなので、その間他の四人を可愛がってやる。
暫くすると、四号の動きが鈍くなってきた。
ふむ。もう限界か。
「何回出した?」
「三回です」
「ふむ。まぁ良いだろう。下がれ」
「はっ」
まぁこの短時間で三回も出すのだから、精力はある方だろう。
残りの四人に奉仕させ、そろそろ俺が限界に達するというところでやめさせると、アレをウィザードの男へ。
「――っ! ……」
アレを中に出して隷属スキルを発動させたので、これでこの男も俺の支配下だ。
「起きろ」
「……は、はいっ!」
「命令だ。手段は問わん。俺様の配下の中で、尤も筋肉のある勇者三号よりも身体を鍛えて戻ってこい」
「承知しました。では行ってまいります」
そう言って、男がどこかへ走り出した。
さて、こういう指示を出すと、この男は何をするのだろうか。
「お前と、お前。奴の後をつけろ。交代で監視し、三時間毎に何をしているか報告せよ」
「畏まりました」
出来れば、同じ事を別の者にもやってみたいな。
その者の性格や知識で行動が変わるのか、それとも主である俺の考え方に影響されて、全員同じ行動を取るのか。
ただ、こういう時に限って次の勇者パーティが現れない。
仕方がないので、今日は引き上げようかというところで、最初の報告が来た。
「ご報告致します。例の男は森に入り、獣系の魔物を倒しては食べるという行動を繰り返しております」
「ほう。なるほど。自身の身体の貧弱さをわかっているようだな。先ずは肉を付けなければどうしようもないからな。だが、奴は神聖魔法を……浄化系の魔法を使えるのか?」
「いえ。ウィザードらしく、火魔法で炙って食べてはいるものの、浄化などをしている素振りはありませんでした」
まぁそうだろうな。
昔……道に迷った時、アレックスが魔物を神聖魔法で浄化し、エリーがその肉を使って料理を作っていたな。
「……クソがっ!」
「ご、ご主人様っ!? どうされました!? 何か私に落ち度が……」
「うるさいっ! もういい。監視に戻れ!」
「か、畏まりました」
そう言って、報告に来ていた勇者二号が再びあの男のところへ戻って行く。
クソクソクソクソっ! 嫌な事を思い出してしまった!
アレックスめ……まだのうのうと生きているのか?
俺はお前のせいで地獄を見た!
……そうだ。この隷属スキルを使って、お前に地獄を見せる為の駒を量産してやるぜ!
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