第202話 分身と別行動の夜

「おぉ、アレックスさん。よく来て下さいました」

「突然お邪魔して申し訳ない。ツバキから話を聞いたのだが、何でもエルフを見たという者が居るとか。是非、その場所へ案内してもらえないだろうかと思ってな」

「承知しました。とはいえ、本人も確証は無いようですので、その場合はご容赦くださいませ」

「勿論だ。その場合でも責めるつもりはないから安心して欲しい。逆に、こちらもエルフを見たと言う話は出さないでもらいたくてな」


 陽が落ちてきた所でリザードマンの村に到着し、長であるヌーッティさんに出迎えられる。

 ちなみに大事な話があるからと、俺以外は家の外で待ってもらっているし、ヌーッティさんに意図を説明したので、最悪の場合でも、リディアをぬか喜びさせる事はないだろう。


「分かりました。本人にもよく言い聞かせておきます。それより、せっかく来ていただいたのです。お食事を用意しますので、どうぞこちらへ」

「すまない。恩に着る」


 外で待っているリディアたちを呼び、運んで来た作物などをヌーッティさんへ渡す。

 暫くすると食事が運ばれ……うん。美味しかった。

 こっちで採れた作物と、湖の魚を上手く合わせた料理で、魚の扱いについてはリザードマンたちの方が上手いらしく、リディアが調理のコツを聞いていた。

 それから、前にも泊めてもらった客人用の家に。

 真ん中に尻尾をしまう穴が空いた、変わった形のベッドなのだが、


「じゃあー、私はこの穴の中で寝まーす! もちろん、アレックスさんはこの上で、うつ伏せで寝てくださーい!」


 その穴の中に、陽気なリディアが入り込んで居る。

 あー、すっかり忘れて居たが、リザードマンたちは食事の時に酒を出すんだよな。


「ふっ……たかが酒如きで酔うなんて。まだまだ修行が足りないわね」

「ツバキは酒に強いのか」

「シノビたる者、当然です。幼少の頃より、ありとあらゆる毒に耐えられるように修行しておりますので」


 サクラも酒には強かったし、流石と言うべきだろうな。


「アレックスー。ツバキは私と同じ容器から注がれていたから、アレはお水だと思うよー?」

「あー、そう言えば前に来た時も、ユーディットやソフィは水が出されていたな」

「なっ!? そ、そんな。私の何処に子供の要素が!? 何処からどう見ても……胸ですか!? アレックス様、私の胸が小さいからですか!?」


 恥ずかしいのか、怒っているのか、その両方なのか。

 ツバキが顔を赤くして言い寄ってくるが、すぐ側にツバキの娘とも言えるツキが居るから、それ以上はやめておこうな。


「それより、旦那様ぁー。それ……そろそろ私がもらっちゃうねー」

「ず、ズルいです! ユーディット殿、次は私ですので」

「らめぇー! 私のなのー! アレックスさんは、私の旦那様なのぉー!」


 酔っ払いリディアは、自ら入った穴から出られずにジタバタしているので、暫くそのままにしておくとして、問題はツキだ。

 大急ぎで、隣の部屋で寝るように言ったのだが、


「お昼に散々見ておりますので、お気になさらず。あ、混ぜていただけるのなら、混ざりますよ?」

「それは絶対に無いが、とりあえず寝るように」

「はーい」


 ツキが隣のベッドで横になりながら、マジマジと観察してくる。

 きっとメイリン経由で、今している事が向こうに伝わるんだろうな。

 そんな事を思いつつ、満足したユーディットがツバキに替わった所で、掌にとてつもなく大きな胸の感触が伝わってくる。

 こ、これは、ボルシチの乳搾りが始まったという事か!

 むっ……この背中に押し付けられている感触は、エリーの胸!? 腕には、モニカとフィーネの胸の感触が……何故、胸の大きな者ばかりが集中しているんだ!?


「うぅ……アレックス様が、巨乳の事を考えている顔をしています。今は私の番なので、小さくても私を見て下さいませ」


 いや、巨乳の事を考えている顔って何だよ。

 とりあえず、穴から脱出して来たリディアも混ざり、分身側の感覚も手伝って、延々と出し続ける事に。

 だが暫くすると、


「んー……旦那様に抱きしめられていると、凄く心地良くて……すぅ」


 疲れて体力が無くなったのか、それとも満足してそういう気分でなくなったのか、ユーディットが俺の胸の上で寝てしまい、皆で就寝する事に。

 ただ、いつも俺がフィーネとそうしているからか、ユーディットに挿れたまま寝てしまい……翌朝、ユーディットが大変な事になっていて、朝からリディアにシャワーを出してもらう事になってしまった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る