挿話130 勇者オーブリーと行動を共にする、アーチャーのベラ
「≪スパイラル・チャージ≫」
「がっ……く、クソっ!」
凄い! オーブリー様が見事な槍術で魔族を倒した!
まさか、魔族を倒すだなんて……流石は勇者様ねっ!
「流石はオーブリー様です! 凄いです!」
「はっはっは。俺様は勇者だからな。だけど、さっきも言ったけど、ベラがこいつの翼を矢で貫いてくれたからこそ、こうして俺様が魔族を倒す事が出来……」
「オーブリー様? どうされたのですか? な、何か変な光が……これは一体?」
いつものように格好良く話されていたオーブリー様が、突然止まったかと思うと、空から淡い光が降り注ぎ、オーブリー様を包み込む。
とても神々しい光だけど、これも勇者のスキルなの?
「……な、なるほど」
「オーブリー様? 大丈夫ですか!?」
「あぁ。心配かけてすまないな。どうやら、この魔族を倒した事で、神が俺様に新たな才能を――エクストラスキルというのを授けてくれたようだ」
「エクストラスキル!? 何処かで聞いた事があるような無いような……」
何処だっただろうか。
誰かが、そんな話をしていた気がする。
うーん、まぁいいか。
「ところで、オーブリー様。そのエクストラスキルとは何なのですか?」
「神の説明によると、取得経験値増加というスキルらしい」
「取得経験値増加!? ……って、何でしょう?」
「俺様も経験値というのが何かは分からないんだが、普通の人よりも早く強くなれる……といった感じの事を言っていたな」
「経験値……ですか。一体何の事なのでしょう」
「それが、分からないんだ。きっと俺様の顔に惚れてしまい、説明を忘れてしまったのかもしれないな」
なるほど。
オーブリー様に現れた神様とは、女神様ですか。
もうっ! オーブリー様は可愛い女の子を見たら、すぐ口説こうとするんだからっ!
まぁ口説かれて、オーブリー様無しでは生きられない身体にされてしまった私が言うのもなんだけど。
「あっ! そうだ!」
「ん? どうしたんだい?」
「確か、冒険者ギルドのタバサさんが、エクストラスキル……って、ポロっと言っていた気がします!」
「なるほど、タバサさんか。冒険者ギルドの職員なら、確かに知っているかもしれないね。わかった。ここでの依頼を終え、転移装置でフレイの街へ戻った時にでも聞いてみようか」
「わかりました。では、引き続き依頼を……んっ!」
魔族を発見して依頼を中断していたけれど、改めて頑張ろうと思ったところで、突然オーブリー様にキスされてしまった。
うぅ……凄い。こんなに気持ちの良いキスをされてしまったら……が、我慢出来なくなっちゃう!
「お、オーブリー様ぁ。だ、ダメですよぉ」
「良いじゃないか。可愛いベラを見ていたら、ついしたくなっちゃったのさ」
「わ、私だってしたいですけど……こ、ここは魔物も現れますし、身を隠すような場所も――っ!」
そ、外なのにっ! そ、そんなところを触っちゃダメですっ!
で、でも触られたい……わ、私も触った方が良いのかな?
けど、そうなったら、どっちも歯止めが効かなくなっちゃう!
「お、オーブリー様……え、エクストラスキルの事を、タバサさんに聞くんですよ……ね?」
「あぁ、もちろん。だけど、今はベラのエッチな声を聞きたいかな」
「オーブリー様ぁぁぁっ! らめぇぇぇっ!」
うぅ……オーブリー様の手が私の弱点を攻めてくる。
外だけど……もう良いよね?
街から離れているし、近くに人も居ないし。
で、でも……やっぱり外でだなんて、変態っぽいかも。
だけど、それがドキドキで、少し視線を感じて……って、視線!?
「オーブリー様っ! 魔物ですっ! 探していた、オークジェネラルですっ!」
「全く……せっかく良い事をしようってところだったのに。俺様の槍で、デカい身体をハチの巣にしてやるか」
「わ、私も……あ、あれ!? パンツが無い!?」
うぅ……スースーする。下半身を露出しながら戦闘だなんて、変態みたいじゃないっ!
これからって所で邪魔をして……許さないんだからっ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます