第688話 第二魔族領の情報
「ま、待って! 嬉しいけど。嬉しいけど……み、見られ過ぎぃぃぃっ!」
「アレックスが分身を解除したのが悪いのじゃぁぁぁっ!」
「あぁぁぁ、激しくしないでぇぇぇっ!」
モニカの中に入っているバンシーが、俺の上に乗りながら両手で顔を覆う一方で、頬を膨らませたミオが、そのバンシーの腰を激しく揺らす。
ファビオラとグレイスにシアーシャが気絶している中、ザシャが羨ましそうにバンシーを見つめている。
とはいえ、バンシーを早く満足させなければ出発出来ないし、ディアナと一緒にいる分身を暴走させたら大変な事になるので、それぞれの相手をする分身以外は全て解除する事にした。
……まぁ身体はモニカなので、俺が本体でディアナの相手をして、分身全てでバンシーの相手をするというのも手なのだが、やり過ぎな気もするので止めておこうか。
「ほれほれ、我にこんな事をさせず、自分で動くのじゃ」
「そ、そんなっ! はしたない……です。じょ、女性が自分で動くなんて……」
「今更何を言っておるのじゃ。身体の全てを使って、内からアレックスを感じるのじゃ!」
「ひぃぃぃっ! おほぉぉぉっ! ら、らめぇぇぇっ!」
ミオがバンシーの背中におぶさり、ピョンピョンと身体を跳ねさせる。
その度に、アレが奥まで……大丈夫か?
だが、相応に効果があったのか、バンシーが身体をのけ反らせ、ピクピクし始めた。
「ふむ、そろそろなのじゃ。何か言い残す事はあるか?」
「あ、ありま……せん。お兄さん、ありが……とう。これで私も逝けます……そ、そうだ。お礼を……何か私に出来る事はありますか?」
「えっ!? モニカの身体を返してくれれば、それで……いや、そうだな。もし知っていたら、第二魔族領の場所を教えて欲しいのだが」
ミオの言葉で、バンシーがお礼をしたいと言ってきたので、ダメ元で魔族領の話を聞いてみる。
いやまぁこんな体勢で聞く事ではないんだけどさ。
「第二……魔族領?」
「あぁ。そこに囚われている仲間を助けに行く途中なんだ」
「だったら、こんなとこじゃダメ。魔族領は、もっともっと下よ……」
「えっ!? 場所を知っているのかっ!?」
「~~~~っ! それっ! 自分で動くより、お兄さんが勢いよく立ち上がったのが、凄……」
「え!? バンシー!? 待ってくれ、バンシーっ!」
あぁぁぁ……バンシーが魔族領の事を知っている様子で、驚いて立ち上がったら、それが決定打となってしまった!
バンシーが物凄く幸せそうな表情を浮かべながら涙を一粒零したかと思うと、
「うひぃぃぃっ! ご、ご主人様っ! 胡坐をかいた状態から、一気に立ち上がるのはらめれすぅぅぅっ! 走りながらアレをするくらいの衝撃でしたっ!」
モニカの表情が一変し、身体を痙攣させながら涎を零す。
もしかして、モニカの身体にバンシーが入ったままの方が良かっ……こほん。
「モニカ。とりあえず分身を解除する。ディアナと共に集まるから、全員服を着てくれ」
「えぇっ!? 最後の一突きの余韻が……も、もっとしていただきたいですっ!」
「それを言うなら、我もなのじゃ! ズルいのじゃ!」
モニカとミオが文句を言って来るが、全ての分身を解除し、先ずはユーリと共にディアナの所へ。
「あれ? にーに。もうおしまいなのー?」
「あぁ。それより、これからの事を話し合うから、皆のところへ戻ろうか」
「はーい! にーに。また、くすぐりごっこしよーねー!」
「そ、そうだな」
ディアナの言葉を適当にはぐらかしながら、モニカたちが居た場所へ……いや、あの場所は大変な事になっているから、出て来るのを待つか。
少しすると、不機嫌そうにしながらもミオたちが出てきたので、最後にバンシーの言った言葉を皆に伝える。
「……という訳で、あのバンシーの話によると、第二魔族領はもっと下。つまり南下しないといけないようだ」
「アレックスさん。バンシーが魔族領の事を知っているのであれば、逝かせる前にもっと話を聞けば良かったと思うんですの」
「いや、その……面目ない」
シアーシャに尤もな意見を言われ……残念ながら、何も言い訳が出来なかった。
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