第281話 人気の無い場所で奴隷解放

 ソフィが提案してくれた魔法装置の開発の為、モニカとニナと大勢の人形たちで地下洞窟へ向かってもらった。

 ソフィ曰く、結構な量の鉄が必要らしいので。


「旦那様。ここは如何でしょうか?」

「良いんじゃないか? あと、こっちにも頼む」

「では、アレックスさん。いきますよ?」


 一方で俺は、メイリンとリディアと人形たちと共に、別の準備を急ピッチで進めて行く。

 魔法装置の開発はソフィしか出来ないから、それ以外の事は出来る者で進めておこうという考えなのだが、


『エクストラスキル≪奴隷解放≫のクールタイムが終了しました。再使用可能です』


 リディアをおんぶしながら、人形たちに指示しているところで、奴隷解放スキルが使えるようになってしまった。

 今は東エリアだから……念の為もう少し東へ行き、通路しかない場所で使うか。


「作業中にすまない。奴隷解放スキルが利用可能になったから、向こうの人気の無い場所で使ってくるよ」

「えっ!? 妾も参ります!」

「いや、必ずしも安全とは限らないからな。メイリンは人形たちと共に作業を進めておいてくれ」

「あっ! だ、旦那様っ! ズルいです……」


 メイリンがよく分からない事を言っていたが、東の通路へ走って行くと、十分に離れた事を確認し、


「≪奴隷解放≫」


 早速スキルを発動させる。

 光が収まると、小さな……ミオやシェイリーよりも幼い女の子が現れた。

 その上ほぼ全裸で、かなり弱っているように見える。


「お、おい、大丈夫か!? ≪ミドル・ヒール≫」

「ふぇ? ここは……男っ!?」

「男が苦手なのか? 待っていてくれ。すぐに誰か呼んで……」

「違うのっ! お願い、貴方のを飲ませて! でないと私、死んじゃうのっ!」

「飲ませて……って、何をだ? 水か? もしかして血液とか?」


 女の子が涙目で首を振り、無言で指を伸ばしてきた。……俺の股間に。


「え?」

「わ、私は夢魔族なの。夢魔族なのに、魅了スキルが使えなくて、男から子種が貰えなくて……このままだと、死んじゃうの! お願い、貴方の子種を飲ませてっ!」

「えぇっ!?」


 いや、どう見ても五歳か六歳くらいにしか見えないぞ!?

 だが治癒魔法が効いている様子も無いし……こんなに幼い子供にアレを飲ませるしかないのか!?


「あの、もしかして奥さんに気を遣っているの? それなら、奥さんが貴方の子種を出して、それを分けてもらうっていうのでも良いから……お願いっ! 未だ死にたくないよっ!」

「そうか。じゃあ、やはり誰かを呼びに……」

「えっ!? 後ろに居るエルフは奥さんじゃないの?」


 後ろ? ……あ、またリディアをおんぶしたまま走って来てしまっていた。

 メイリンがズルいと言っていたのは、リディアの事か。


「アレックスさん。命に関わる一大事です。仕方ありませんよね。この女性を助ける為ですし」

「お、おいリディア……」

「わぁ……お兄さん、凄いんだね! うぅ、そんなに凄いのは、ぜひ直接……あ、いえいえ、分けていただけるだけでも凄く助かるので、お願いします」


 名前も聞けていない、小さな女の子の前でリディアが俺のを……どうしてこうなった。

 暫く、リディアが口で……そろそろ出そうなのだが、リディアは止める気が無さそうだ。

 このままだと、ただリディアが飲むだけで、この夢魔族の女の子は見ているだけに……物凄く無駄というか、本当に死にかけているのだとしたらマズい。


「くっ……仕方ない。≪分身≫」

「わっ! お兄さんが増えた!? アレが五本もあるっ! 凄いっ! えっと、お口と……流石にこのサイズは、こっちは無理か。後ろなら……って、ビクンビクンしてる!? もしかして出そうなのかな? えっと、とりあえずお口に! 溢すと勿体無いし…………んぐっ! こ、この量は何!? しかも、凄く濃厚で、美味しいっ! ……あぁぁっ! 溢れるっ! 魔力が溢れていくぅぅぅっ!」

「……んっ。あ、ズルいです! 一人で五人分も……って、あれ? ど、どうなっているの!?」


 リディアによって出された俺のを、女の子が分身たち五人分飲み干すと、五歳くらいの幼い女の子だったはずなのに、突然十歳くらいの少女になっていた。


「お兄さん、ありがとう! 私はテレーゼっていうの! 一度にここまで成長出来るなんて、お兄さんのは本当に凄いよ! ね、今のはまだ出せるよね? 今度は私もしてあげるねっ!」


 唖然とする俺とリディアの前でテレーゼと名乗った少女が、五人の分身を攻め始めた。

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