第551話 海獺族の族長とのバトル
「ねー、お父さん。アレックス様は、助けを求めている仲間を救おうとして、旅をしているんだってー。私も一緒に行って良いよね?」
「え!? いや、それはお父さんが泣いちゃうな」
「でも、アレックス様と離れるなんて無理だよー!」
「うぐ……た、確かに。一人でトゥーリアたち五人を一度に相手出来る者なんて、少なくともこの島には居ないしな」
トゥーリアと父親が今後の事について話しているが……いや、今回は俺が何か言う権利はないか。
責任を取るべく、父娘の決めた事を出来る限り尊重しよう。
そう思って静観していると、いつの間にかトゥーリア以外の四人の海獺族の少女たちの親も来ていて、それぞれが俺を眺めながら、何かを話している。
そのまま暫く待っていると、一人の女性が近付いて来た。
「そこの人間族の貴方。うちの娘だけでなく、お友達も含めて一人で五人も相手をしたそうね」
「その通りです。この度は、誠に申し訳……」
「その精力が、本物かどうか、私たちに見極めさせてもらうわっ!」
「……はい?」
どうやら、トゥーリアとは別の少女の母親らしい。
見た目は二十代半ばといった感じだろうか。
とても綺麗な女性なのだが、やはり娘に手を出されたからか、ちょっと怒っているようだ。
「うちの娘がね。人間族で旅人の貴方に、ついて行きたいと言っているの」
「なるほど。極力危険に晒さないように……」
「貴方は、確かに昨日は凄かったのかもしれない。だけど、私たち海獺族の女は、毎日満足させてもらわないと困るの。だから、昨日と今日。二日続けて海獺族をさせられるかどうか、私が見極めます!」
……海獺族は、こっちの話を聞いてくれない者が多い気がする。
とりあえず、何を求められているかはわかったのだが、母親で人妻……だよな?
いろいろとマズいのではないだろうか。
そう考えていると、数人の男性が近付いて来て、先程の女性から俺を少し離す。
「アレックス君と言ったね。うちの妻を頼む。俺たちはもう限界なんだ」
「割と最近、若い男を新たに夫としたんだが、六人居ても妻を満足させられなくてね」
「そうだ。アドバイスしておくと、我々の妻は二本挿しが好きなんだ。だから、加勢してあげたいんだけど……あー、ダメか。すまない。娘たちを満足させた、その凄い技で、どうか妻を満足させてやってくれ」
って、この人たちは全員あの女性の夫なのか!?
「あの……本当に良いのですか?」
「もちろん。妻が喜ぶ事が、僕たちの喜びだからね」
「えーっと、万が一妊娠してしまったら?」
「それも構わないよ。海獺族は元より一妻多夫制だ。誰が妊娠させたとしても、妻から生まれてきたら、僕たちの子さ」
なるほど。そういう考え方なのか。
本人と夫たちが納得しているのであれば、その意向に従うべきなのだろうが……あまり時間も無いんだよな。
「先程、俺が旅をしているという話があったかと思うのですが、俺たちは西に引っ越したと言う人魚族たちを探していて……」
「ん? 人魚族の引っ越しって、もしかして数十年前の話か? それなら族長が知っていると思うぞ。族長の母親が、その引っ越しを手助けしたらしいからな」
「なるほど。では、その族長を紹介してもらいたいのですが」
「はっはっは。すぐそこに居るじゃないか。僕たちの妻が族長だよ。海獺族は女性の方が圧倒的に強いからね」
そう言って、夫の一人が妻である族長に人魚の話をしてくれた。
だが、族長は表情一つ変えずに俺を見続けてくる。
「ふむ。人魚族は母の友人です。そう簡単に教える事は出来ませんが……そうですね。私に加えて、娘たちの母親全員を満足させる事が出来たら、場所を教えてあえましょう」
「場所を知っているのか!? わかった。そういう事なら、俺も本気をだそう」
「ふふ、楽しみね。では、場所は私の家で良いかしら?」
「待ってくれ。あまり時間も無いんだ。出来れば、全員一度に相手をしたいから、広い場所が良いのだが」
「まぁ! 私たち海獺族の女性を五人一度に!? しかも、昨晩娘たちの相手をしていたというのに!? ……良いでしょう。では、向こうにある村の集会所へ行きましょう。そこなら、五十人は入れるわ」
そう言って、族長が俺の腕を引いていき、
「ラッキー! 私、人間族って初めてなのよねー!」
「いや、族長含めて、みんな初めてでしょ。それより、私たちを同時にって、大丈夫かしら?」
「そうよねー。私たちの相手をして、枯れ果てちゃったら、トゥーリアが悲しんじゃうわ」
族長と同い歳くらいの女性に囲まれ、集会所という場所へ。
「待って。レヴィアたんも参加する!」
「プルムもー! 楽しそー!」
「あ、もちろん、私も混ざりますから」
……って、どうしてレヴィアにプルム、ラヴィニアもついて来るんだよっ!
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