挿話149 脱出を図るダークエルフのフョークラ
アレックス殿の娘さんたちとニナさんが隣の部屋へ移動すると、突然部屋に居る大勢の女性たちが一斉に服を脱ぎだした。
な、何!? インキュバスのスキルで、操られているの!?
ここに居る者たちは、魔力の少ない人間族が殆どなので、これだけの人数でも一気に操作できるのね。
だから、私には影響がないんだ。
……竜人族のレヴィアさんまで脱いでいるのは、行動を共にしている事から、おそらく時間を掛けて操られるようにされたのだろう。
「……≪分身≫」
大勢の女性たちに囲まれるアレックス殿が何か呟いたかと思うと……アレックス殿が数十人に増えた!?
しかも、その内の何人かは既に全裸のようだ。
「きゃぁぁぁっ! アレックス様ぁぁぁっ!」
部屋に居る女性たちが悲鳴……ではなく、歓声を上げる。
やはり操られ……早く逃げないと!
いくらインキュバスといえども、自分の娘に手を出すとは思えなので、隣の……娘たちが居る部屋は安全なはず!
そう思いながら、その場を離れようとしたんだけど、全裸のアレックス殿が近くに居て、男性のアレが視界に映ってしまった。
「え……何、これ」
幼馴染のを偶然見てしまった事が一度ある。
あの時は、こんな感じかーって思っただけだったけど……存在感が違う。
太くて長くて……何これ!? 森で見かけた大蛇じゃない!
「アレックス様……いただきますぅ」
女性の一人がその大蛇に頬ずりしたかと思うと、ペロペロと……えぇぇぇ、大蛇が丸太に代わった!?
その丸太を……ど、どうしてそれが、そんな事に!?
あ、あんなの無理! 壊れる……絶対に身体が壊れちゃう!
逃げなければ……と頭ではわかっているのに、どういう訳か身体が動かない。
それどころか、何故か身体が熱くなってきて……ま、マズい! きっとこれもインキュバスのスキルだっ!
「ん? フョークラ! 早く脱がないと、分身さんが全員取られちゃうよー?」
「ルクレツィアさん? そ、それは大丈夫なんですか?」
「アレックスの事? 大丈夫だよー! アレックスってメチャクチャ腕力があるから、こうやって私たちを抱きかかえながら歩くくらい、余裕だって」
「はぁ……す、凄いんですね」
「うん! それに、グレイスから聞いたんだけど、この状態で街から街へ走って移動したらしいよー。いいなぁ、羨ましい」
え? 女性を抱きかかえて丸太を挿れ、街まで走る……って、ルクレツィアさんは何を言っているの?
私たちを乗せた馬車を軽々引いていたから、力があるのは分かるけど……普通は絶対にそんな事をしようと思わないよね?
ましてやグレイスさんは空間魔法で馬車を出せるんだから、そんな事をする意味が分からない。
だけど、アレックス殿に抱きかかえられたルクレツィアさんから、とんでも話を聞かされていると、どういう訳か身体の奥がますます熱くなる。
マズい。身体の熱さで、意識がもうろうとしてきた。このままではインキュバスの力に屈してしまう……。
「あ……私とトゥーリアは、周囲に催淫を与えちゃうんだよね。フョークラが辛そうにしてるから……あ、フョークラ! 良かったね! そこにまだ誰にも捕まっていない、アレックスが居るよー」
「……え?」
「いいから、早くいっておいで。人生損しちゃうよー!」
もうルクレツィアさんが何を言っているのか半分以上理解出来なかったけど、アレックス殿のところへ行けというのは分かった。
「フョークラ? 大丈夫か?」
……って、あれ? 私、自分からアレックス殿のところへ来てしまった!?
マズい! 早く逃げないと……でも、身体が変! アレックス殿から凄く良い香りがして……美味しそう!
「ご主人様。フョークラさんは、ルクレツィアさんの近くに居たから、身体が大変な事になっていると思います」
「え? あ……あの効果か」
「早く、満足させてあげないと、辛いかと……あ、結衣にも後でくださいね?」
何? この黒髪の女の子は誰?
……って、どうして女の子が私の服を脱がすの!?
男性の前で裸になるなんて……でも、どうして!? 私は初めてなのに、身体が勝手にアレックス殿のアレを……あ、美味しい!
「……っ!?」
味だけじゃなくて、魔力が……魔力が凄いっ!
うぅ……もっと、もっと欲しいぃぃぃっ!
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