第65話 すぐに参戦するニナと、何をすれば良いか分からないノーラ

「ニナっ!? ち、違うんだっ! こ、これはその……」

「…………仲間ハズレはヤダっ! ニナもっ!」

「お、おい、ニナ」

「お兄さん。ニナだって、大人なのっ! だから……大丈夫だもんっ!」


 ニナが、リディアとモニカがしている事をすぐに理解したらしく、参戦してくる。

 結果として、今朝と同じ様に三人掛かりで俺の相手をしてくれて……くっ、シェイリーは見た目が幼くても、中身が大人だったが、ニナは見た目通りの年齢なのに。


「お兄さん。さっきも言ったけど、ニナは大人なんだからね? その、お兄さんと子供を作る事だって出来るんだからっ!」

「ご主人様。私も、私も出来ますっ! ほら、ご覧下さいませ。既に私はもうこんなに……」


 ニナがとんでもない事を言うから、モニカが暴走して、俺の前で聖水を……


「って、何をしているんだよっ!」

「えっと、ご主人様と子供が作れると想像したら、つい」


 一先ず、三人のお陰で治ったので、そろそろ家へ戻る事に。


「≪癒しの風≫……これで、多少は匂いが消せたかと」

「私は、ご主人様の匂いに包み込まれている方が幸せなのだが……それにしても、ご主人様。朝と違って、何故か強くなっている気がするのですが」

「それはニナも思った。お兄さんのを飲んだら、力が……って、モニカは朝もお兄さんと、こーゆー事をしてたのっ!? ズルいよーっ!」


 リディアの魔法で色々な物を飛ばした後、それぞれの衣服を整えていると、モニカとニナが変な事を言い始めた。

 アレを飲んで強くはならないだろ。

 気のせいだという事にして家に戻ると、


「お兄ちゃん! 見て見てー! ボク、頑張ったんだー!」


 家の中に棚や机などを揃えてくれたノーラが抱きついて来た。


「凄いな、ノーラ。本当にありがとう」

「えへへー。もっと誉めてー……って、お兄ちゃんから、朝と同じ匂いがするよ? リディアちゃん、モニカお姉ちゃん、ニナちゃんからも」


 抱きついてきたノーラの頭を撫でていると、突然ノーラが不思議そうな表情を浮かべる。

 しかし、ノーラにまであんな事をさせる訳にはいかないので、何とか誤魔化そうとした所で、


「あ、あのねノーラちゃん。ニナたち、お兄さんとエッチな事しちゃった。ごめんね」


 ニナが正直に話す。

 ……うん。ニナは嘘を吐かないよな。自分が仲間ハズレにされるのが嫌いだから、当然他の誰かを仲間ハズレにもしないか。


「えぇーっ! じゃあボクもしたいっ! 今からしよーっ!」

「ま……待ってくれ。もうすぐエリーとフィーネも戻ってくるだろ?」

「大丈夫だよー。きっとフィーネちゃんも、お兄ちゃんの事が好きだもん」

「それとこれとは、話が別だよっ」

「同じだよー。ボクだって、お兄ちゃんの事が好きだから、お兄ちゃんとの子供が欲しいって思うもん!」


 ……ん? ノーラは何か勘違いを……って、ニナの説明が大雑把だったからか。

 ノーラは、絶対にニナたちよりも先に進んだ事をしようとしているっ!

 あと、モニカは何かをアピールするかの様に、俺の視界に映る位置でパンツを脱ぐなっ!

 しかし、この勘違いをどうやって説明しようかと悩んでいると、


「ただいまー」

「ただいまですー」


 エリーとフィーネが帰って来た。


「二人ともおかえり……って、随分と沈んでいるな」

「うん。あまり成果が良くなくて」

「うぅ……フィーネは、やっぱり才能が無いんですー」


 なるほど。

 一先ずエリーとフィーネを励ましたいのだが、


「あ、あの……お兄ちゃん。ところで、エッチって、子供を作る事だっていうは知ってるんだけど……何をすれば良いのかな?」


 ノーラはノーラで諦めてくれる気配がなく、小声で恥ずかしそうに聞いて来た。

 一方で、


「あれ? この匂い……またフィーネの好きな匂いがする」


 そう言って、落ち込んだ様子のフィーネがフラフラと俺の所へやって来る。

 リディアの風魔法である程度匂いが消えたと思っていたけれど、ノーラはともかくフィーネにもバレてしまうのか。


「やっぱり、ここですっ! アレックス様。フィーネはこれを直接嗅がせてくれたら、元気になれる気がするんですっ! どうか、お願いしますっ!」

「ちょっと、フィーネ!? 貴女にそこは未だ早いわよっ! アレックスのは、私のなんだからーっ!」

「エリーさん。ドサクサに紛れて変な事を言わないでください。アレックスさんのは、私が最初にもらいますっ!」


 エリーとリディアが何やらよく分からない言い合いを始めてしまい、収集がつかなくなってきた。

 相変わらずノーラは俺に抱きついたまま、「ねぇー、お兄ちゃん。ボクにエッチの仕方を教えてー」と、耳元で囁いてくる。

 どうすれば、この場が収まるのかと悩んでいると、突然柔らかい、変な感触が……な、何が起こっているんだ!?

 これは……吸われてる!? って、フィーネかっ!?


「お、おい。フィーネっ!?」

「ちょっとフィーネ! アレックスの前にしゃがみ込んで、何しているのよっ!」

「だいしゅきホールドのノーラと、大胆過ぎるフィーネ……ご主人様、次は私にも……」


 ノーラを抱きかかえているので、フィーネの姿は見えないが、エリーとモニカの言葉から、フィーネが俺のズボンを下ろしてアレを……って、今日会ったばかりだぞっ!?

 しかし、フィーネを止めようとしたところで、


「こ、これは……思い、出したっ!」


 突然足下のフィーネが叫びだした。

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