第324話 帰還スキルの検証
「あぁぁぁ……これっ! これなのぉぉぉっ!」
皆に襲われ、どさくさに紛れてレヴィアに挿れられてしまった。
そのままキスもされ……俺の身体が光り輝く。
とりあえず成人である事には間違いなかったので良かったとしよう。
そんな事を考えていると、
「あぁぁぁっ! な、何て事をっ! 乳女殿、それはズルいっ!」
突然サクラが叫びだす。
どうしたのかと思ったが、レヴィアが俺を離してくれず……うん。身体が小さいので抱きかかえて行こう。
「アレックス! これ、一歩進む度に奥が……ふぁぁぁっ!」
「どうしたんだ、サクラ」
「アレックス様。酷いんです! 乳女殿が果てたので、次は交代して私の番という所だったのに、帰還スキルを使ってアレックス様の分身と共に姿を消したんです!」
俺の分身と一緒に姿を消しただって!?
目を閉じ、分身の視点を見てみると……目の前でカスミの胸が大きく揺れていた。
間違えた。この分身ではなくて……揺れの小さなアーシアの胸でも、水の中で身体を跳ねさせるラヴィニアや、身体をくねらせるヴァレーリエでもなく……居た!
周囲に誰も居ない場所で、全裸のモニカがぐったりしている。
『ふわぁ……流石はご主人様です。あとは、私の中に出していただいたら、サクラ殿と交代致しますね』
そう言って、分身に抱きついたモニカが腰だけを動かすが……どうやら無意識の内に帰還スキルを使ってしまったらしい。
しかし、俺の分身が一緒に居るという事は、皆で一斉に移動出来るという事だ。
どうやらモニカが授かったのは、かなり使えるスキルらしい。
ただモニカがいる場所が、先程アーシアたちに偵察へ行ってもらった、海の近くというのが気になるが。
村に帰れる訳ではないのか?
「どうやらモニカは、無意識で帰還スキルを使ってしまったらしい。スキルを得たばかりだし、許してやってくれ」
「くっ……アレックス様の分身を独り占めだなんて」
「アレックスー! 私もアレックスを独り占めしたいよー! 私のアレックスが……いい〜〜〜〜っ!」
サクラを宥め、レヴィアが気を失ったので交代し……暫くして皆が満足したので、分身を消して身支度を整えたのだが、誰かの下着や衣類に、剣と鎧が残っている。
「あ、モニカのか。というか、すっかり忘れていて、分身を消してしまったな」
「という事は、乳女殿は何処かで全裸のまま一人か。それは辛……いや、平然としていそうだな。とはいえ、放置は出来ぬか。仕方ない。迎えに行って来ます」
「すまないな。一応、俺の分身も同行させよう」
サクラに俺の分身を連れて川を下ってもらい、時折、目を閉じてサクラの様子を確認していると、無事にモニカの所へ着いたようだ。
『まったく、迷惑な……服を持って来たので、早く着てくれ』
『サクラ殿! ありがたい。流石にご主人様の居ない所で全裸になっても無意味だからな』
『しかし、どうしてこのような何も無い場所へ来たのだ? 転移装置のようなスキルであれば、村へ移動すれば良いのでは?』
『なるほど。確かにその通りだな。ご主人様のアレを沢山飲ませてもらい、魔力が回復しているから、早速帰還スキルを使ってみよう』
そう言って、モニカが俺の分身とサクラの手を取ると、
『≪帰還≫』
スキルを発動させ……モニカの姿だけが消えた。
一方で、分身ではない俺にモニカが抱きついてくる。
「ご主人様ーっ! ただ今戻りましたーっ!」
「いや、無事に戻って来たのは良いのだが、サクラはどうしたんだ?」
「え? あれ? ちゃんと手を繋いで居たのに、どうして!?」
訳が分からないと言った感じでモニカが首を傾げているが、
『乳女の阿呆ぉぉぉーっ!』
目を閉じると、サクラが思いっきり叫んでいた。
いやまぁ、迎えに行ったのに置き去りにしてモニカだけ帰ってきたもんな。
「私が身に付けているものは、ちゃんと移動しているのに、何故だろう?」
「……そういえば、モニカが移動した時は、アレックスの分身と交わっていた時だったのじゃ。もしかしたら、身に付けている物と、交わっている者を移動させる事が出来るのではないか?」
「ほほう。確かにミオ殿の言う事はもっともです。さぁご主人様! 今すぐ愛し合いましょうっ! サクラ殿を迎えに行くためにも!」
ミオの言葉を聞いたモニカが抱きついてきたが……却下だな。
というのも、
「乳女ーっ! 恩を仇で返すとはこの事! ふざけるなぁぁぁっ!」
「サクラ殿!? 戻って来るのが早過ぎないか!?」
俺の分身と共に、サクラが物凄い速さで戻って来たからな。
「サクラ、お疲れ様。一先ず、わざとでなくてもモニカはサクラに謝るように。とりあえず壁の上に戻って、シェイリーに話を聞こう」
怒るサクラをカスミと一緒に宥め、先ずは家に帰る事にした。
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