第386話 消えない分身スキルの解除方法

 シェイリーが満足したようなので、早速分身スキルの新たな効果について相談し、スキルについて聞いてみる。

 ちなみに、分身は解除したのだが、やはり村にいる全裸の分身たちは消えていないので、シェイリーと話しながらも、テレーゼが嬉しそうに俺のを飲みまくっているが。


「ふふ……アレックスよ。なかなか面白い者と交わったようだな」

「その言い方だと、ドロシー……ドリュアスの事か?」

「うむ。まさか神獣だけでなく、精霊とも交わるとは……流石はアレックスだ。流石に我もこれは予想出来なかったぞ」

「で、どういうスキルなんだ?」

「うむ。複製スキルだな。基本的には分身スキルと同じで解除も出来る。何故、分身スキルと一緒に発動しているかは我も知らぬが、解除も出来るはずだ」


 なるほど。何故か分身で発動したが、分身ではなく複製スキルを解除すれば……おぉ、確かに触られている感覚が一箇所だけに。


「テレーゼ、ありがとう。もう大丈夫だ」

「……」

「テレーゼ?」

「……んっ。お兄さんのが濃厚な上に、量がとんでもないから、大変だったよー! けど、すっごく良かった! ねぇ、またさっきみたいに飲ませてねー!」


 少し苦しそうな表情に見えたのだが、本当はどっちなのだろうか。

 いずれにせよ、解除方法が分かったので、もうこんな無茶な事は頼まないが。

 それから、皆に治癒魔法をかけて起こしていくのだが、


「おにーさん。私だけ気を失う程の事をしてもらってないよー!」

「いや、ボルシチは身体を大事にしてくれ。頼むから」


 ボルシチが未だにくっついてくる。


「ボルシチよ。アレックスの子が欲しくとも、我は中々出来ぬのだ。せっかく宿った命を大切にするのだ」

「はーい」


 シェイリーがボルシチを諭し、ありがたいと思った直後、


「さて、それはそれとして、アレックスは我の所へ来るのが少ないのだ。もっと我のところへ来るように」


 そう言いながら抱きついてきた。


「アレックス様ー! フィーネにもー!」

「ご主人様っ! 私にもお願いしますっ!」

「いや、この流れはもう良いから」


 感覚が十二倍なので、腰の痛みも十二倍な訳で……後でイネスに癒してもらわなければ。


「ところでアレックスよ。特殊なスキルは複製スキルだが、他にも色々とスキルを得ておるぞ」

「あぁ、メイドさん……というか、元冒険者たちといろいろあったんだ」

「楽しそうだな。ミオの力で我を呼んでくれても良いのだぞ?」


 いや、ミオのスキルは誰が来るかわからないからな。

 村の中で使って、関係の無い者を危険な目に合わせる訳にはいかないし。

 一先ず、水で攻撃する魔法や、火を起こしたりする簡単な魔法が使えるようになっていた。

 他にも色々あったが、初級の基礎スキルといった感じだな。


「あ、そうや。アレックスはん。前にもろた材料でポーションをよーけ作っといたから、納品を頼むわー」

「分かった。助かる」

「いや、えーよ。こんなに幸せな気持ちにさせてもろてるし。今日も大量に材料が手に入ったから、また作っとくわー」


 一旦家に戻り、レイからステータスアップ・ポーションと、マジック・ポーションを受け取る。

 これは俺が持っていても仕方がないので、ウララドの商人ギルドへ運ぶしかないのだが……マジック・ポーションはどうしようか。

 ウラヤンカダの村の状況を考えると、これ以上売らない方が良い気もする。

 商人ギルドが闇ギルドから圧力をかけられていなければ、出さないでおくか。

 人形経由でマミとジュリに連絡し、着替えて南へ行くと、


「アレックスー! 遅いポン! 早くするポン! 我慢出来ないポン!」

「アレックスさん。早く……今すぐここでしましょう!」


 マミとジュリが凄い速さでやって来た。


「とりあえず二人とも落ち着いてくれ。ウララドの街の商人ギルドへ頼む……いや、本当に冷静になってくれよ」


 何とか二人を宥めて運んでもらい、商人ギルドへ到着したのだが、


「アレックス様ぁぁぁっ! お助けくださいっ! ポーションを……ポーションをぉぉぉっ!」


 商人ギルドのギルドマスターをはじめとして、職員全員から泣きつかれてしまい、ポーションを売る事になってしまった。

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