第142話 少しだけ知っていたソフィ
「これは……旨いっ! 何も味付けしていないというのに、何だこの旨さはっ!」
ヌーッティさんが、人形たちの採ってきて作物をそのまま食べ、とにかく旨いと繰り返す。
以前から思っていた事だが、リディアの料理の腕が良いのはもちろん、そもそも作物の質もかなり良いようだ。
ただ、トマトやキューリはともかく、ナスやニンジンを生でそのままは……まぁ、リザードマンは大丈夫なのだろう。
「素晴らしい。アレックス殿、布の他に必要な物は無いだろうか。是非、これらの作物と交換していただきたいのだが」
「今回持って来たのは前回の宴の礼と、今日の柵の詫びとして納めて欲しい。あと、こっちは人口が多いから、布があるなら、是非交換してもらいたい」
今回も食事をいただきながら、交易の話を進め、こちらは作物と鉄器を出し、ヌーッティさんは魚と布を出してくれる事になった。
一先ず、食事の礼をして、今回はこのまま帰る事を伝え、リザードマンたちに鉄器と交換した布を荷車へ積み込んでもらう。
それなりに時間が掛かるという話をしていると、
「失礼。待ち時間の間に、聞きたい事があるのだが」
モニカがフィーネを連れてヌーッティさんの元へ。
そう言えば、探している物があると言っていたな。
「ふむ……それなら、あるかもしれん。倉庫へ案内するから、確認してくれないだろうか」
「分かった。ご主人様……フィーネ殿と共に、ヌーッティ殿と探し物をして参ります」
「あ、面白そう。私も行くーっ!」
ユーディットと、その人形ユーリにニナもついて行ってしまい、この場にソフィと俺だけが残される。
すると、リザードマンの一人がやって来て、積込みに時間が掛かるからと、先日泊めてもらった、ベッドのある部屋へ通されてしまった。
そしてベッドに腰掛けた、やや落ち込み気味のソフィが口を開く。
「マスター。私に魔力注入をお願い致します」
「いや、それは分かっているんだが、その……」
「マスター。もう目隠し無しでも大丈夫です。実は勉強の為、毎晩フィーネ様との行為を覗き見させていただいており、私が何を飲ませていただいているか、知っておりますので」
「えっ!? そ、ソフィ?」
「……その上で、正直マスターとフィーネ様との行為に意味が無いと思っていたのですが、今回の事で私はもっと見識を広めなければと気付かされたのです。ですから、どうぞ目隠し無しで、お願い致します」
ん? んんん?
えーっと、ソフィ? どうして、さっきの柵を壊した話から、そういう話になるんだ?
しかもソフィは、いつの間にか俺の隣に移動している。
「あー、ソフィ。今までアレを飲ませていた俺が言うのも何だが、こういう事は愛する者と……」
「私はマスターを愛しておりますよ? それに、先程も申し上げましたが、既に私は何度も例の物を口にしており、密かにマスターのアレも見ております。何も気にする事なく、どうぞお願い致します」
そう言って、ソフィが優しく微笑むと、自ら手を伸ばしてきた。
瞳を潤ませ、俺の事を上目遣いで見つめながら、しかし手は違う所に伸びていて……もぞもぞと動き続けている。
何て言うか、当然だが全く慣れて居なくて、どうすればズボンを脱がせられるのかと、困っている感じだ。
相変わらず顔を俺に向けたままだが、その瞳の奥に焦りが感じられ……何て言うか、ちょっと新鮮に思えてしまう。
最近はエリーもリディアも、問答無用で即俺のベルトを外し……って、今ソフィ以外の女性の事を考えるのは失礼だよな。
結局、ソフィが俺の顔から下へ視線を動かし、苦戦しながらも何とかアレを出す。
「これがマスターの……そして、いつも私の中に入れられていたものですね」
そう言うと、暫く色んな角度から観察し……一気にいったー!
パクっとアレを口に含み、
「まふはーほ、いふほほはひへふ」
いや、何を言っているか分からないから。
とりあえず、頑張ろうという気持ちは分かったから、咥えながら喋るのは止めような。
そう思っていたら、ソフィが一旦口を離し、
「マスターのいつもの味と匂いなのですが、大きさと硬さが全然違います。少し小さくて、いつもより柔らかいような気がするのですが、何故でしょうか?」
上目遣いで困った事を聞いて来た。
ど、どうしよう。
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