第252話 家族みんなで仲良く……アレ

「皆、ストップ! このままだと……」

「ひゃあっ! モゴモゴ動くの! で、でもコレが嫌じゃないっていうか、クセになりそう……」

「やだぁ。どうして、止めちゃうの? 私なら大丈夫だから、本気で攻めてぇ」


 この母娘がサクラの家族だとわかり、止めようとしているのだが、二人が止める気がないし、分身たちとしているツバキたちも止めてくれず……その、色々とダメだった。

 結局、母親満足させるのが一番早いという考えに戻ったのだが、サクラがツバキに使っている感覚同期スキルを、途中から母が娘に使っていたらしい。

 本気で頑張った結果、母娘が俺の上でピクピク震え、俺の影分身としていたサクラと、サクラと感覚同期していたツバキも……家族四人を全員気絶させてしまった。


「しまった。全員倒れたら、事情が聞けないな。とりあえず、衣服を整えて……」

「だ、旦那様っ! 妾が……妾がまだ一度もしてもらっておりません!」

「アレックスさん。私もまだ一回だけよ。もう終わりなんてダメなんだから」


 本気で泣きそうなメイリンと、不満そうなリディアを宥めようとして……うん。ダメだった。

 結局、サクラたち四人が目覚めるまでする事に。


「凄いのね。気を失うなんて初めてだし、未だし続けているし、よく見たら分身が出来るのね。じゃあ、次は私も……」

「待った。とりあえず話を聞かせてくれ」

「旦那様。まだ妾は三回しか出してもらっておりません。今は、妾の事だけを見てくださいませ」


 このままだと、永遠に終わらない気がする。

 メイリンには悪いが、少しだけ強く……すまない。

 幸せそうな顔で気を失ったメイリンを抱きかかえながら、分身スキルを解除する。

 ……ヴァレーリエが居たら怒っていそうだが、宿に興味を持って居なくて助かったというべきだろうか。


「サクラ。この二人はサクラの家族……で良いのか?」

「はい。気付けずに申し訳ありません。母のカスミと、一番下の妹のナズナです」

「えっ!? サクラちゃん!? ツバキちゃんも居る! やったぁーっ! お母さん、嬉しいわぁ! メイリン様の所へ来たら、二人に再会出来るなんて!」


 いやカスミは、そのメイリンをスキルで動けなくしていなかったか?

 メイリンがご立腹だったぞ?

 まぁカスミが気を失ったら、動けるようになったみたいだが。


「母上っ!? ナズナまで……サクラ姉、これは私と同じで、連絡出来なかったらからでしょうか?」

「おそらくそういう事だろう。ま、まぁ家族全員揃ったので、良しとしようか」

「やったね! これからは、また家族四人と……息子まで増えて暮らせるのね。お母さん、嬉しいわぁ」


 サクラたちの会話から、父親については触れない方が良いのだろうな。

 というか、サラッと俺が息子にされているのだが。


「ちょっと待ったぁぁぁっ! カスミ殿はサクラ殿の母親なのだな?」

「えぇ、そうよ。えっと、貴女は?」

「失礼。私はモニカという者だが、サクラ殿は二十歳を過ぎて居たはず。それなのに、母親のカスミ殿が、どうしてサクラ殿と殆ど容姿が変わらぬのだっ! まぁ胸の大きさは、サクラ殿が受け継げなかったようだが……ちょっ、痛っ! 本当の事なのに殴らなくても」

「あらあら、サクラちゃん。お友達を叩いたりしちゃダメよ」


 カスミは随分とおっとりしているが、アレの最中と違い過ぎないか?

 しかし、モニカの言う通り、見た目は物凄く若く、二十代半ばに見えるのは不思議だ。


「む? シノビの里の者は皆、三十歳や四十歳になっても、このような容姿だが?」

「遺伝なのかしらねー? それとも環境のせいかしら? 二十代半ばで容姿が変わらなくなったのよー。あ、サクラちゃんたちのお婆ちゃんも元気よねー」

「な……ず、ズルいぞ! 私も若いままが良いっ!」


 いや、モニカは未だそんな事を気にする年齢ではないと思うのだが。


「ふっ……」

「あぁーっ! ミオ殿が鼻で笑った! くっ、本当にズルい! これだからロリB……いや、何でもない。今のは忘れて……ひぃぁぁぁっ!」


 いや、モニカもミオも何をしているんだよっ!


「こほん。変態は放っておいて、ナズナ。アレックス様にご挨拶を。アレックス様は、メイリン様の夫となるお方で、この国の王でもあられる。そして、この人数を……というか、もっと居るのだが、皆を満足させられる素晴らしいモノをお持ちのお方だ。我らが仕える主人であるので、失礼の無いように」


 サクラがナズナに挨拶を促しているが、もっと砕けた感じで良いのだが。


「あ、あのっ! サクラお姉ちゃんと、ツバキお姉ちゃんの妹のナズナです! まだ経験はありませんが、そ……側室として頑張りますので、宜しくお願いしますっ!」


 えーっと、ナズナは側室の意味がわかっているのか?

 いや、わかっているから、小さく震えているのか。

 とりあえず、無理強いするつもりなんて、一切無いし、そもそも俺からしようと言った事なんて皆無だからな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る