第913話 莉子と美月
「~~~~っ! アレックス様。凄……」
いつの間にか全裸になっていたコルネリアに抱きつかれ……暫く経って、ようやく満足してくれたようだ。
コルネリアもレヴィアたちと同じく、乾草のベッドに寝かせようとして……その干し草が無くなっている事に気付く。
「ん……」
「――っ!」
レヴィアもジネットも草むらで眠っているのだが、その身体に見知らぬ女性が顔を埋めている!?
「誰だっ!? 二人に何をしているっ!」
コルネリアを庇うように抱きかかえ、空間収納から愛剣を出そうとしたところで、俺の影から結衣が現れた。
「アレックス様! お待ちください! この二人は莉子と美月です!」
「えっ!? 莉子と美月!?」
「はい。アレックス様がコルネリア様と一緒におられる間に、レヴィアさんとジネットさんから溢れ出た子種付きの乾草を食べて、こうなったんです」
いや、確かに結衣も俺のアレを食べて人の姿になった訳だが……どうなっているんだ?
「あの、莉子と美月? がレヴィアさんたちの股間に顔を埋めているのは……」
「まだ中に残っているアレックス様の子種をいただいているのかと」
「ぼ、僕のはダメだからねっ! アレックス様の子供を授かりたいんだから!」
満足して眠そうにしていたコルネリアが結衣の言葉で目を覚まし、再び俺にしがみついてくる。
その一方で、女性の姿になった莉子と美月が起き上がり、近付いてきた。
「リコ……」
「ミツキ……デス」
「アレックス様。結衣も最初は、上手く喋れなかったけど、アレックス様のを沢山いただいて、はっきり喋れるようになりました。ですので、この二人にもアレックス様のをいただければと」
幼い結衣とは違い、莉子は十代半ばといった感じで、美月は俺よりも年上に見える。
どうしたものかと考えていると、コルネリアの身体がビクンと跳ねた。
「――っ!? あ、アレックス様ぁ。僕の身体は小さいから、これ以上は……」
しまった! 分身を解除していないから、また……とりあえず抱きついているコルネリアを持ち上げ、横向きにして抱きかかえると、
「コノニオイ!」
「ホシイ!」
「あっ! 莉子も美月も、噛んじゃダメだからねっ!? そこは凄く大事に……結衣がお手本を見せるから」
莉子と美月と結衣の三人がしゃがみ込み、代わる代わるに……コルネリアを何処かへ寝かせたいのだが、三人がしがみ付いており、動けない。
コルネリアを抱きかかえたまま動けずにいると、
「……母上。見つけましたっ! 父上は厩舎エリアにおります」
背後からサクラの人形の声が聞こえてきた。
「父上。メイリン母上が、早く来て欲しいと言っておりますが……なるほど。母上に報告致しますので、少しお待ちください」
「えっ!? いや、これには訳が……」
「大丈夫です。後で満足させてくれれば、問題ないとの事ですが……出来るだけ早く来るようにと。あと、エリー殿やリディア殿、ヴァレーリエ殿が待ち切れない様子だそうです」
いや、エリーたちには勿論会いに行くのだが、莉子と美月の力が思いの外強く、普通に動けないんだが。
「あなたーっ! もうっ! 来たなら早く教えてよねっ!」
「そうだよー! お母さんはずっと待ってたんだよー? もちろんツェツィもー!」
「ところで、交代するかアレックスが分身を出してはくれないの? 私たち、かなり待っているんだけど」
サクラの人形に続いて、ナターリエとツェツィーリエもやってきて……プレッシャーが凄いんだが。
だが竜人族のプレッシャーをものともせず、莉子たちは離れようとしない。
というか、傍で見ているだけのサクラの人形が怯えているんだが。
「……わかった。分身を出すから、ナターリエは落ち着いて」
「はい! あなたがそう言ってくれるのなら、勿論よ」
「お父さーん! ツェツィも可愛がってねー!」
そうこうしている間に、西大陸から来た獣人族の三人、ディアナ、ファビオラ、ガブリエラが走ってきて……これはマズい。
「父上。メイリン母上が笑っている内に、何とかお願い致します……」
気付けば、サクラの人形が泣きそうになっていた。
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