第145話 発想の転換で、精力剤を求めるアレックス

「ソフィさんって、凄いねー。ほぼ、一晩中してたんだ」

「いえ、私自身は睡眠を取っています。ただ、少し私は特殊でして、自動行動モードという機能がありまして」

「何それ?」

「はい。魔力を大量に要するのですが、その代わり、眠っている間に指定した行動を身体が勝手にしてくれるのです」

「何それ、怖くない?」

「大丈夫です。難しい事は出来ませんし、今回行っていたのも、マスターから魔力をいただく行為をしていただけですから。ですが、マスターから濃厚な魔力を供給いただけるので、その気になれば一週間し続ける事も可能かと」


 ……おい、待ってくれ。

 朝からフィーネとソフィの行為で目が覚めた所で、凄い会話を聞いてしまった。

 一週間し続ける……って流石に死ぬわっ!

 というか、既に一晩ずっとしてたって事なんだよな?

 ソフィやフィーネの身体は大丈夫なのか?


「なるほどー。いいなー、し続けられるって。フィーネは暫くしてると、眠くなっちゃうし、アレックス様が本気を出したら、凄過ぎて気絶しちゃうもん」

「気絶……ですか? マスターが本気を出すと、気を失う程の事になると?」

「うん。アレックス様が自分から突いてくれると、チャージスキルが発動して、すっごいの! しかも、レイさんの精力剤を飲んでいる時なんて更に凄いから、あっという間に気絶するよー」


 なるほど。要は俺から二人を攻めて、早々にダウンさせればよいのか。

 これは盲点だったな。

 流石に一晩中エンドレスで出し続けるというのはどうかと思うし、少し持続時間を弱めた精力剤を作れないか聞いてみようか。


 一先ず起きると、フィーネからアレが溢れて凄い事になっていたので、先ずは風呂へ。

 と言っても、残り湯……というか水だが。


「すまん。少し二人の会話が聞こえたんだが、ソフィはその……一晩中していたらしいんだが、身体というか、お腹は大丈夫なのか?」


 俺と分身は同時に同じ量を出す上に、フィーネよりもソフィの方が身体が小さい。

 だが、フィーネの方が俺のアレが大変な事になっているのが不思議で聞いてみると、


「どうやら体内に入り、子供にならなかったマスターのが私に取り込まれ、魔力に変換されるようです」

「……そ、そうか」


 人体の不思議というか、魔法の不思議というか、どうしてアレが魔力に変換されるのやら。

 一先ず、三人とも衣服を整えた所で皆を起こしてもらって朝食を済ませると、一先ず南の家に戻るのだが、その途中でレイの所へ行き、朝思った事を話してみる。


「レイ、すまない。ある薬を作ってもらいたいんだが」

「えーっと、アレックスはんがウチに頼むって何やろ? 回復薬は必要無さそうやし……あ、この前ツバキはんを眠らせた睡眠薬とか?」

「いや、そうではなくて、何度か飲まされた精力剤が欲しいんだ」

「な、何やてーっ! アレックスはんが精力剤っ!? い、いつなんや!? 祭はいつ行われるんやっ!?」


 いや、祭って何の事だ?


「アレックス。昨日、してもらってないんだけどー」

「アレックスさん。南の家に着いたら、すぐですね?」

「ほほう。そういう祭か……これは楽しみなのじゃ」


 エリーとリディアが胸を押しつけ、ミオが目を輝かせる。

 少し遅れてニナやメイリンがそっと手を繋いできたり、ノーラとユーディットが、「何のお祭りなのー?」とキョトンとしながらも、ダイブしてきた。


「で、出遅れた……しかし、この祭は、私の勝ちだっ! フィーネ殿。例の薬はどれくらいの時間で作る事が出来るのだ?」

「んー、早ければ夕方くらいには出来るかなー」

「おぉっ! という事は、祭を夜にしていただければ、今宵は私の一人勝ちという事かっ!」


 一体何の話かは分からないが、皆が祭だ祭だと大騒ぎになっている。

 そんな中、サクラが近付いてきて、深々と頭を下げてきた。


「アレックス様。本日の祭……どうか、我が愚妹のツバキも参加する許可をいただけないでしょうか?」

「いや、サクラの妹なのだから、断る理由は無いのだが、そもそも今日は何の祭なんだ? 何処かの国の建国日とか、何かの神の聖誕祭とかなのか?」

「えー……ここでお伝えして宜しいのですか?」


 俺の問いに、サクラが困った様子で視線を動かし、ノーラやユーディットを見る。

 詳細は分からないが、サクラの言いたい事は察したので、後で改めて聞く事にした。

 というか、まだレイにちゃんと話が出来ていないんだが、大丈夫か?

 普通の精力剤は勘弁してくれよ?

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