挿話142 悪いアーチャーのベラ

「この度は助けていただいて、本当にありがとうございました」

「いや、君が無事で良かったよ」


 暴漢から助けてくださった、ハーパーさんへお礼をする為、ちょっと高そうな食事処へやって来た。

 オーブリー様から使い切れない程のお金を貰っているので、お高いフルコースを注文する。


「あ、南大陸産の葡萄酒がある! お酒は大丈夫ですか?」

「それは大丈夫だけど……それより、このお店って、かなり高そうだよ?」

「問題ありません。それより、あなたは私の恩人なのですから、気になさらないでください」


 テーブル毎に給仕の方が付くようなお店で美味しい食事とお酒をいただき、楽しくお喋りする。

 はぁー、なんて素敵な時間なんだろう。


「ベラさん。美味しい食事をありがとう。こんなに美味しい料理を食べたのは初めてだよ」

「美味しかったですよねー! ねぇ、ハーパーさん。もう少しだけ付き合ってくれませんか? 恩人ですので、おもてなしたいんです」

「いや、お礼としては十分過ぎるし、これ以上は、流石に悪いよ」

「では、せっかくの出会いです。友人として、もう少しだけ飲みませんか?」

「まぁそういう事なら……」


 ハーパーさんが了承してくれたので、腕に抱きつきながら、私が泊まっている宿のバーへ。


「こ、ここって、さっきのお店より高そうなんだけど……」

「大丈夫、大丈夫。さぁ行きましょう」


 バーテンダーさんに飲みやすいお酒を注文し、お喋りしながらおかわりしていると、


「ん……あ、あれ? 僕、そろそろ帰らなきゃ……」

「あ、じゃあ送っていくわね」

「ベラさん、ありがと……」


 いつの間にかハーパーさんがフラフラになっていた。

 しまった。お喋りが楽しかったのと、お酒が飲み易かったのもあって、飲ませすぎてしまったみたい。

 私のペースに合わせてしまったのがまずかったかな。


「ハーパーさん。私の肩につかまって」

「う……ご、ごめんね」

「ううん、いいのよ」


 とは言いながらも、私の筋力だとハーパーさんを家まで送るのは無理ね。

 あ、そうだ。この宿の上が私とオーブリー様の部屋じゃない。

 こんな状態で家まで連れていけないし、外に出すのは危ないもんね。

 という訳で、宿の人にも手伝ってもらって、ハーパーさんを私たちの部屋へ。


「オーブリー様……は、まだお戻りになられていないのね」


 ハーパーさんをベッドに寝かせ、パジャマに着替えさせる為に、服を脱がす。


「あ、大きい……」


 どうしよう。ハーパーさんの身体を見ていたら、ムラムラしてきてしまった。


「ちょ、ちょっとだけ。ハーパーさんは恩人だから、そのお礼をするだけだから」

「ん? ベラさ……ん? 何を……あれ? 僕、どうして裸に……」

「ふふっ、これもお礼だから」

「えっ!? ……んぁっ! ま、待って! 僕、そんな事をされるのは初めてで……っ!」

「お互い楽しみましょうね」


 私も全裸になり、ハーパーさんと愛し合う。

 お互いに数回果てたところで、


「ふぅ、ただいま。思った通り、物凄く長い間、拘束され……」


 もう完全に夜も更けたというのに、オーブリー様が帰って来た。


「ベラ……」

「お、オーブリー様っ!? ち、違うんですっ! これは、助けていただいた恩返しで……」

「ふぅん。悪い子猫ちゃんだね。そんな悪い子猫ちゃんには……君、二人掛かりでベラを攻めるよ」

「えぇっ!? お、オーブリー様っ!?」

「はっはっは。たまには複数人でするのも悪くないだろう? 悪い子猫ちゃんは、罰として今晩はずっと寝かさないからね」


 そう言って、オーブリー様が何事も無かったかのように服を脱ぐ。

 ハーパーさんも酔いが醒めていないからか、オーブリー様を前に動じる事なく、私を攻め続け……しゅ、しゅごいっ!

 さ、三人でっていうのも、嫌いじゃない……というか、好きかも!

 で、でも、勿論一番はオーブリー様なのぉぉぉ~~~~っ!

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