第786話 マリーナとプルム
「えーっと、彼女は天后と言って、海に関する力を持つ女神なんだ」
「女神様!? 凄ーい! ……でも、その女神様はアレックスの分身と何をしているのー?」
「な、何をしているんだろうな」
マリーナが変な事をしないように、他の者を紹介する……と言ったのだが、誰の所へ行っても見せられる状態にない。
……そうだ! メイリンの人形なら大丈夫だろう。
いつも口酸っぱく、参加しないように言っているし。
確か、いつも交代で魔法陣の所に誰か居るよな。
早速魔法陣の所へ行くと、
「マリーナ、紹介するよ。この子はモニカっていう女性の妹……みたいな存在かな」
「モニーと申します。以後お見知り置きを……それより父上。全裸で私の所へ来たという事は、ついに参加を認めてくださるという事ですねっ!? 母上の分まで頑張りますっ!」
「いや、違うぞ? モニーをマリーナに紹介しに来ただけだからな? ……って、待った。モニーはモニカが変になった影響は受けていないんだな」
「母上の事は聞いております。しかしながら、私は私。変わりありません」
なるほど。
ただ、メイリンのスキルが現在のモニカに影響されないのか、それともモニカの本質が変わった訳ではなく、あくまで一時的におかしくなっているのかは判断出来ないか。
「父上。レヴィア殿とマリーナ殿の二人の相手は大変でしょう。マリーナ殿、私と一緒に遊びませんか?」
「遊ぶー! 何して遊ぶのー?」
「お任せください。とても楽しい遊びを教えて差し上げます」
おぉ、モニーの言葉でマリーナが地面に降りた。
何をするんだろうか。
二人の幼い少女が何をするのか興味はあるが、モニーの言う通り全裸の俺が近くにいるべきではないので、レヴィアを抱きかかえたまま離れようとすると、
「ではまず、両手をこの様な形にしてください」
「まるー!」
「はい。その通りです。片手では無理ですから、両手ですると覚えておいてください」
二人で何かの手遊びを始めた。
女の子が二人、ほのぼのとしいて良いな。
ではマリーナの事はモニーに任せようか。
「マリーナ殿。私の腕……では長さも太さも足りませんが、私の腕を父上のはアレに見立てて、両手でしっかり握ってください」
「握ったよー!」
「良いですね。次は大変ですが、そのまま両手で父上のアレを扱いて……」
うん。ダメだった。
モニーはマリーナに何を教えようとしているんだよ。
「うーん。お手本を見せたかったのですが、今はレヴィア殿が……」
「見せなくて良いよ。というか、もう良いよな」
これ以上は色々とダメなので分身を解除し、レヴィアを地面に下ろす。
泡魔法でレヴィアを綺麗にしていると、
「アレックス様ー! ダメーっ! 勿体ないよー!」
スライム娘プルムが、包み込んだ泡ごとアレを食べていく。
「あ、それ美味しいよねー! マリも食べたーい!」
「マリーナ殿。それならば、父上のここに」
「ダメだってば」
モニーが余計な事を言っているが、空間収納から服を出し、素早く着替えを終えた。
だから……なのか?
マリーナが髪の毛……触手という物を伸ばし、近くでぐったりしていたナターリエに着いているアレを取って、口の中へ。
「えへへー、おいしー」
「むーっ! ずるーい! プルムも食べたいのにー!」
「あっちにもあるー!」
「わぁぁぁっ! プルムのなのーっ!」
マリーナが更に触手を伸ばし、今度はガブリエラの身体を綺麗にすると、
「むぅぅぅ……だったら、プルムも! えーいっ!」
プルムがマリーナのように髪の毛を伸ばし、ミオに付着していたアレを取り込んだっ!?
「あー! マリも負けないよー!」
「プルムも負けないもん!」
マリーナとプルムが互いに髪の毛をあちこちに伸ばし……いや、綺麗になるから良いんだけど、プルムと暫く一緒に過ごして居たはずのアマゾネスの女性たちですら結構引いているから。
とりあえず、マリーナとプルムを止めさせ、モニカが居るはずの人魚族の棲家へ向かう話をする事にした。
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