第785話 不老幼女マリーナ
「……アレックス。もっと」
「いや、レヴィア。もう、そろそろ良いんじゃないか?」
「ダメ。レヴィアたんと暫く離れてた。離さない」
レヴィアが物凄く甘えてきて……って、ちょっと待った!
な、何だ!? この感覚は!? こんな刺激は初めてで……い、一体誰なんだ!?
「……アレックス? どうしたの?」
「え? いや、なんというか、搾り取られるというか、今までに無い……」
「……むー、アレックスが他の女の子の事を考えてる。今はレヴィアたんの事だけ見て」
そう言われても、どうしたものかと考えていると、
「きゃぁぁぁっ!」
何処からともなく悲鳴が聞こえてきた。
駆けつけようとするが、レヴィアが離れてくれず……仕方ない。このまま行くか!
「――っ!? ま、待って……アレック~~~~っ!」
レヴィアを抱きかかえたまま悲鳴がした場所に辿り着くと、
「あ、あれっ! な、何か変なのが……」
アマゾネスの女性が怯えながら指し示した場所を見てみると、仁王立ちになった俺の分身に、長い青色の糸? が絡みついている。
その青い糸がウネウネと動いていて……こ、これは何だっ!?
「アレックス様。これがどうかしたの? ただの触手だよ?」
「触手? ……って、テレーゼ!? どうしてここに?」
「どうしてって、アレックス様が来ているって聞いたから、魔法陣で来たよー! フィーネやナターリエに、ガブリエラも来てるー!」
いつの間にかテレーゼが傍に居て、この青い糸の正体を教えてくれたのだが……触手とはどういう事だ?
「アレックス様。ほら、あの触手の中に、紅い目の女の子がいるでしょ? きっと海月族の子だよー」
「海月族?」
「うん。私も見るのは初めてだけど、髪の毛が触手になっている種族が居るって、私のお婆ちゃんから聞いた事があるもん。あの髪の毛を、自由自在に動かして操れるんだよー」
「……って、マリーナか」
レヴィアよりも更に幼いマリーナは、触手……というか、髪の毛の中で俺の分身と何をしているんだ?
いや、感触的に何となくわかるんだが……もしも俺が思っている通りの行為だと、流石にダメだろ。
「アレックス様の表情が……あ、大丈夫だよー。私が見た目を幼く出来るみたいに、海月族も見た目が変わるんだよー。だからきっと、あの子は成人だと思うよー……たぶん」
「つまり、あえて子供の姿をしているという事なのか?」
「というか、今は子供の姿に戻っている……かな。ある程度大きくなったら、勝手に子供の姿に戻るんだってー。だから、不老の種族って呼ばれているんだよー」
若返る不老の種族……シアーシャが似ていると言ったのは、そういう事か?
吸血族であるシアーシャも、俺のアレ……というか、魔力を過剰に摂取すると若返るからな。
テレーゼと話して居ると、髪の毛の中に居るマリーナがこちらを見て、目を丸くする。
「あれー? アレックスが二人居るー!」
「あぁ、俺は分身と複製というスキルを持っているからな」
「そうなんだー! あのね、アレックスの魔力、とっても美味しいのー!」
「そ、そうか……」
「うん! あれ? でも、そっちのアレックスには棒がない? ……ん? その子に刺さってるのー?」
えっと、見た目は子供でも成人……と言いながら、いろんな知識は無さそうなので、教えてはいけないな。
……いや、手遅れとかじゃなく、最後の砦は守らなければ。
「あ、アレックス様。今すぐ分身解除はダメだよー? 他の子に譲ってあげただけで、私はまだまだしたいもん」
「いや、しかし……」
「ダメー! じゃあ、すぐに分身捕まえてくるから、もーちょっと待ってよー!」
そう言ってテレーゼが何処かへ走って行ってしまった。
え……レヴィアは気を失っているし、悲鳴をあげたアマゾネスの女性はどこかへ行ってしまったし、この状況でどうすれば良いんだ?
「よく見たら、変な穴がある……? ここにアレックスの棒を……」
「ちょ、ちょっと待った! マリーナ。お……お腹は空いていないか? ご、ご飯。ご飯にしよう!」
「うーん。アレックスの棒から出たのを沢山食べたから、お腹は空いてないよー?」
「じゃあ、俺の仲間を紹介するよ。お腹もいっぱいみたいだし……そうだ、おんぶしてあげよう」
「わーい、おんぶー!」
よし。何とかマリーナを守った……と思う。
レヴィアを抱きかかえたままマリーナを背負い、とりあえず俺の分身から離したものの……誰のところへ行こうか。
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