第633話 シアーシャとの夜

 レヴィアたちの近くにいつもの船があり、一先ずレヴィアたちから乗る様に言われ、グレイスたちと一緒に乗り込むと……突然視界が変わり、アマゾネスの村へ。


「アレックスさん! どうして昨晩は来てくださらなかったんですか?」

「アレックスよ。我々はかなり待っておったのだぞ? 妻にはちゃんと会いに来てもらいたいな」

「そうです。アレックス様、私も来て欲しかったです」


 リディア、サマンサ、ジェシカと、妊娠している三人から言われると平謝りしか出来ず、改めて定期的に来る旨を伝えると、


「アレックス。それはそれとして……今夜は寝かさないわよ」

「いや、西の大陸へ……」

「アレックス。レヴィアたん、寂しかった。これからまた頑張る事になるし、今夜は沢山して欲しい」


 更に天后とレヴィアからも言われてしまい……分身せざるを得ない状況に追い込まれてしまった。

 大きな桶を用意してもらっているラヴィニアに、プルム、ミオ、トゥーリア、ルクレツィア、チェルシーにグレイスとザシャとシアーシャも混ざり、アマゾネスの女性たちを満足させていく事に。

 ただ、海獺族のトゥーリアとルクレツィアは、周囲の者を発情させる体質で……うん。気付いたら夜だった。


「確か、ここへ来たのは昼過ぎだったはずなんだが」

「あら、アレックス様。その様子ですと、どうやら正気に戻ったようですの」

「俺はそんなにヤバかったのか? ……というか、その話し方はシアーシャなのか?」


 一体いつから暴走していたのか、俺の上でレヴィアが気絶していて、その少し先で小柄な金髪の女性が、一人でグラスに注がれた何かを飲んでいる。


「はい。あと、アレックス様は凄かったですの。私は吸血族ですので、男性の血液かアレをいただかないと死んでしまうのですが……いただき過ぎて、若返ってしまいましたの」

「第一魔族領からここへ来る時に、幼くなっていたアレとはまた別なのか?」

「えぇ。お昼のは魔法で姿を変えておりましたが、今は完全に若返りですの。アレックス様のアレが入ったままで若返ってしまったので、小さな身体にあの大きさ……死んでしまうかと思う程、痛気持ち良かったですの」

「……じゃあ、シアーシャとはそういう事はしてはいけないな」

「な、な、何を仰っているんですのっ!? 小柄とはいえ、レヴィアさんよりは大きいですの! というか、火竜族のヴァレーリエさんだけでなく、海竜族のレヴィアさんまで……アレックス様は竜人族をコンプリートされるおつもりですの?」


 いや、何だよ竜人族のコンプリートって。

 ヴァレーリエは奴隷解放スキルで助け、レヴィアは……いつの間にか居たな。


「とりあえず、俺としては助けを求めている者が居たら助ける方針かな」

「そう……ですの。……詳しい事は話せませんが、ブラックドラゴン――黒竜種には気を付けて欲しいですの」

「黒竜種?」


 どこかで聞いた気がする……が、何だっただろうか。

 確か、シアーシャから聞いたような気がするのだが。


「はい。竜人族の中で、最も凶悪と呼ばれるドラゴンですの。これから行かれる、西の大陸に棲んでおりますの」

「西の大陸に……なるほど。気を付けるようにするよ」

「そうなさってください。西の大陸は、多種多様な種族が棲む場所です。東西南北の四大陸の内、魔族抜きでは西大陸が最も危険かもしれませんの」

「シアーシャは、もしかして西の大陸に棲んでいたのか?」

「その通りです。いろいろあって奴隷にされておりましたの」

「あ、いや、そこまでは放さなくて良いぞ。人に話したくない事だってあるだろうしな」


 シアーシャと真面目な話をしていると、分身たちと誰かが……これは、トゥーリアとルクレツィアか。

 いろいろと頑張られてしまい、アレが暴発し、


「――んっ! ……アレックス。もっと……」


 意識を失っていたレヴィアが目を覚ます。

 更に、シアーシャの所へザシャがやって来た。


「ふぅー。アレックスは凄いな! もう足腰がガクガクでさ。ちょっと休憩を……おっ、シアーシャ。それは……ヨーグルトか? 私にも少しくれよ」

「あ、ヨーグルトではないですの」

「……ん? これ、アレックスのアレじゃねーか! グラスで飲むより、直接飲んだ方が美味しいぞ?」


 シアーシャと真面目な話が出来る雰囲気は終わってしまったが……シアーシャは、ずっとアレを飲みながら真面目な話をしていたのか。

 いやまぁ俺もずっとレヴィアを抱きかかえたまま話していたんだけどさ。

 とりあえず、明日こそは西の大陸へ出発しよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る