第460話 久々に

 レヴィアたちの所へ戻ってからは、順調に海を進んで行く。

 昼にいろいろとあって、日が沈んだ後は、モニカの転移スキルで六合の所へ。

 何でも、心配だからエリーたちが戻って来て欲しいと言っているそうだ。

 ……メイリン経由でユーリから言われてしまったら、戻るしかないからな。


「アレックス様ー! 嬉しいですー!」

「すまない、クララ。港町クワラドの屋敷へ転移スキルで連れて行ってくれないだろうか」

「お安い御用です。さぁ、早くお願いしま……すっ! あぁ、やっぱり凄いですぅ!」


 六合のところで分身スキルを使った後、クララに転移スキルで屋敷へ行き、次は魔法陣へ。

 ちなみに、六合の所へ置いて来た八体の分身たちを、レヴィアたちと六合たちと、屋敷のクララたちとで分けるらしい。


「おぉ、アレックス! 良く戻ったな。さて、早速するか」

「シェイリー、少し待ってくれ。エリーたちに呼ばれているんだ」

「ふむ。しかし、それは無用の心配ではないか? 既にここへ来ているぞ」


 見ればシェイリーの他に、エリー、ユーディット、メイリン、ボルシチが待っていて……いや、どうしてボルシチだけ胸を露出させているんだよ。


「おにいさーん。急いで乳搾りしてぇー。もう限界なのー!」

「あー……わかった」

「ではアレックス様のはフィーネが貰いますぅー!」


 ボルシチの乳搾りをしながら、フィーネに搾られ、その様子をジト目のエリーとメイリンに見続けられる。

 えっと、何の罰ゲームなんだ?

 ボルシチの乳搾りを終えたので、エリーやメイリンたちと話をしたいのだが、


「次は我の番であろう。ズルいぞ」

「私もー! フィーネだけズルいー!」

「マスター。魔力補給をお願い致します」


 俺の脚元でシェイリーとテレーゼ、ソフィがアレを奪い合っている。

 そこへニナとノーラにコルネリアの幼い組がやって来て、更にレイとイネスにステラも……うん。話が出来る状況じゃないな。


「≪複製≫」


 分身スキルは六合たちの所へ残して来て居るので、フィーネが何もしなくてもアレは出てしまう訳で。

 だったら……と、複製スキルで新たに九体の分身を出し、それぞれの相手をしてもらう事にした。


「ご主人様。いっぱい出しながら、お話しするのは大変。結衣なら小さいから気にならないでしょ? お話しをどうぞ」


 分身たちと感覚が繋がっている為、アレが沢山出るのを突然現れた結衣が全部受け止めると言って……とりあえず、当初の目的通り、妊娠している四人とまったり過ごす事にした。

 ……いや、四人とも周囲と結衣が気になり過ぎて、まったりしていなかったり、時折ジト目になっていたりするけど、四人の健康を優先し……暫く話した後、西の宿へ送る事に。


「アレックス。その、歩いている間も結衣ちゃんにし続けるのね。だったら私にも……いえ、やっぱり何でもないわ」

「いーなー。私も旦那様としたいなー! 結構してないよー?」

「私もー! でも、おにーさんのは凄すぎるからねー」


 エリー、ユーディット、ボルシチは何かを我慢しているように思えるが、その一方でメイリンは、


「妾も少しはしたいですが……が、我慢します。妾の子には健康に生まれて来てもらわなくては。黒の一族の為に」


 ……うん。我慢してたか。

 一先ず西の宿へ到着したのだが、話し合いの結果、今日は一番大きな部屋で俺を含めた五人で一緒に眠る事に。

 俺を中心に五人で横一列に並び、最近あった事を話す。

 最初にユーディットがすぅすぅと寝息を立て始め、次にメイリンが。

 ボルシチも眠ったところで、隣で眠るエリーが顔を近付けて来た。


「アレックス……ずーっと結衣ちゃんにしていた事。少しだけ私にも……ね?」

「いや、だが今のエリーは……」

「少しだけだから。というか、結衣ちゃんが気を遣って声を殺そうとしてくれているけど、漏れてるし、アレの香りも凄いし……こんなの生殺しよっ!」

「エリー!? エリーってば! 仕方が無い。だったら指で……」

「えー、どうせなら私も結衣ちゃんみたいに……っ!? ひ、久しぶりだからっ!? な、何だかアレックスの指が……な、何これっ!? しゅ、しゅごい~~~~っ!」


 エリーが眠ったので、一安心だと思ったら、


「旦那様。今の、私にもー!」

「わ、妾もお願い致します」

「おにーさん。お願ーい! さっきの乳搾りも、更に上手になっていたよねー」


 エリーの声が大きかったからか、三人とも起きてきて……それぞれ気を失うかのように眠ってくれた。

 さて、俺も寝るか。


「結衣は眠らないのか?」

「……飲むと力が湧いてくるんです。まだまだ大丈夫です」


 結衣が布団を汚さないようにしてくれるそうだが……くれぐれも無理しないようにな。

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