第283話 皆が気になる夢魔族のスキル

「ふぅ……ごちそうさまでしたー! お兄さんの……何回飲んでも美味ね」

「な、なかなかやるんよ。流石は夢魔族なんよ」

「え? 夢魔族!? なるほど。それで、テレーゼ殿はあんなに凄かったのか」


 メイリンが近くに居たというヴァレーリエやモニカに、ミオやサクラたちを呼んできてしまい……いつも通りの状態になってしまった。


「しかし、ヴァレーリエはよくテレーゼが夢魔族だと分かったな」

「体内に持っている魔力を見れば分かるんよ。ただ、シェイリーやソフィみたいな特殊なのは分からないんよ。だから、アレックスもよく分からないんよ」

「え!? そうなのか!?」


 俺の両親は普通の人間なんだが……どうして特殊な魔力だなんて言われるのだろうか。


「アレックスさん。普通のアレを飲んでも、魔力が増えたりしないと思います。……アレックスさんのしか飲んだ事がないので、あくまで推測ですが」

「あと普通は、アレを飲んで貧乳の呪い――もとい、胸が小さくなるおまじないが解除されたりしないと思います。妾も旦那様のしか飲んだ事がありませんが」

「アレックスはシェイリーの――青龍の血を飲んだと聞いておるのじゃ。それに加えて、様々な神のスキルを得ておるのじゃ。普通の人間ではなく、英雄だとか神の遣いだとか、既に一段上のステージに居ると思われるのじゃ」


 リディアとメイリン、ミオが色々と話しているが……なるほど。確かに、普通の人よりは保有しているスキルが多いと思うし、魔力が特殊な事になっているのかもしれないのか。


「んーと、私もお兄さんの子種は凄いと思うよー。と言っても、私だって飲んだのも挿れたのも、初めてだけど」

「ん? テレーゼは夢魔族だというのに、どうして初めてなのじゃ?」

「それは……まぁいろいろあってね。今までは、お母さんが人間から子種を貰って体内に精力を貯め、その精力を分けてもらっていたけど、それが出来るのは成人になるまでだから……」


 なるほど……という事は、テレーゼは成人になったばかりだという事なのだろうか。

 テレーゼが少し暗い声で話しているし、触れて欲しくなさそうなので、これ以上俺から聞く気は無いが。


「それより、テレーゼ殿は夢魔族という話だったが……ご主人様はどのようなスキルを得たのだろうか。そこが凄く気になるのだが」

「確かにそれは気になるんよ。妊娠し易くなるスキルとかを習得していると、とても嬉しいんよ」

「ん? どういう事なのー?」


 不思議そうにしているテレーゼに、身体が光った時の効果の説明や、シェイリーに見てもらえばスキルが分かるという話をすると、


「お兄さん、凄いねー! 私のスキルが何か一つ使えるっていう話だけど、私が使えるスキルは一種類だけで、淫も……」

「げふんげふん。お、俺のスキルの事は別に良いじゃないか。それより、この村……というか、一応は国なんだが、案内するよ」

「え? でもスキルは良いの? そっちのモニカさんとか、ヴァレーリエさんが、物凄く気にしているよー?」

「あ、後で俺が一人の時に行って来るよ。さ、さぁ皆それぞれの作業を頼む。今もソフィが魔法装置の開発を頑張ってくれているからな。俺たちもそれを使う為の準備をしよう」


 俺のスキルの事を気にしていた二人も、渋々といった感じながら、作業に戻ってくれた。

 あ、危ない。テレーゼの淫紋スキルの事は隠しておきたいからな。


「んー、お兄さん? 何か皆に誤魔化そうとしていなかったー?」

「あー、その……テレーゼのスキルが強力過ぎて、皆使って欲しいってなるかもしれないだろ?」

「構わないんじゃないかなー? 私は、全然惜しみなく使うよー?」

「いや、そうなると、さっきみたいな事ばかりする事になって、作業が進まなくなっちゃうからさ」

「そっかぁ、残念。……あ、でも夜は良いよね? 私、もっと沢山お兄さんの子種が欲しいなー」


 あー、予想はしていたがフィーネと同じ……というか、むしろ強化した感じだよな。

 夢魔族であるテレーゼを放置していると、奴隷解放スキル直後みたいに弱ってしまうし、ウララドの街なんかへ行って普通の男に目を付けてしまったら、おそらく男の方が死んでしまいかねない。

 フィーネ同様に、俺ので我慢してもらうのが一番良いのだろう。


「……わかった。夜は好きにして良いから、昼は少し抑えような」

「わーいっ! お兄さん、大好きー! あと、お兄さんのこれも、大好きーっ!」

「触らなくて良いってば。あと、さっきは居なかったけど、夜は夢魔族の血を引いているフィーネっていう女の子が一緒だから、仲良くして欲しい」

「夢魔族の血を引いている? ……ハーフとかクウォーターって感じなのかな? 了解っ! お兄さんと一緒に夜を過ごせるなら、私は問題なしだよー!」


 テレーゼは嬉しそうにしているが、とりあえず仲良くしてくれれば良いのだが。

 フィーネは俺と一緒に寝ているが、分身が四人から六人になって、ソフィが一人で五人の分身全員を相手にしていたからな。

 テレーゼとソフィで分身を上手く分け合ってくれると助かる。

 ……夜は本当にどうなってしまうのだろうか。

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