第273話 ブリジットから得たスキル
「アレックス……凄かったぞ。アレックスに助けてもらってから早数日。やっと、私もアレックスの妻に相応しくなれた。風呂は一緒に入れぬが、その、これからは毎晩同衾させて欲しい……だ、ダメか?」
ネーヴが仰向けに寝転ぶ俺の胸に顔を埋め、耳まで赤く染めて恥ずかしそうに聞いてくる。聞いてくるんだが……その、腰の動きは止めないのだろうか。
普段のネーヴとは違い、可愛らしい感じなのだが……いやまぁ、いいか。
ネーヴの好きにして良いと答える一方で、
「ブリジット様! そろそろ交代してくださいっ! 先程の身体の震え……達せられましたよね!?」
「あ、あれは……待ってくれ。もう少しで、大きいのが来そうなんだ! ……っ!」
「もう良いですよね? 早く……待ちきれませんっ!」
分身の取り合いをしている、ブリジットを含めた熊耳族の女の子たちの声が響き渡る。
ちなまに、ミオやヴァレーリエは、そのまま帰れ! と怒っていたが、「あの熊娘たち全員から、アレックスがスキルを得られる」というシェイリーの言葉で、渋々引き下がった。
とはいえ、熊耳族全員で分身一体だけとか、俺本人とはキスしかさせないとか、色々条件を話していたが。
「ふぅ……えっと、アレックスの分身とした後は、本人とキス出来るんだったな」
「む……今は私の時間だというのに」
「というか、ネーヴさんも、そろそろ変わってください!」
満足したブリジットが俺の所へ来て、ネーヴに煙たがられ、リディアが口を尖らせる……って、リディアは既に何度もしてきたよな?
未だにネーヴが俺の上に居るのだが、お構いなしにブリジットが舌を絡めてきて……身体が光ったな。
てっきりブリジットは、ビビアナと同じグラップラーだと思っていたのだが、違ったようだ。
「ふっふっふ、思った通りだ。メトトゥシカムイを見た時に、もしやと思ったが……狙い通りのスキルをアレックスが得たぞ!」
「え? シェイリー? 俺はブリジットから何のスキルを得たんだ?」
「守護神のスキルだ! これでアレックスが窮地に陥った際、我が颯爽と現れ、アレックスを助ける事が出来るのだっ!」
なるほど。最初は激怒していたのに、途中からシェイリーの態度が変わったのは、この為か。
まぁ俺としても、何かあった時にシェイリーが来てくれるというのは心強いな。
「……シェイリー殿。アレックスが窮地に陥る事など、あるのか?」
「ぐっ! 言われて見れば確かに……だ、だが、万が一という事もある。そうなれば、窮地に陥ったアレックスを我が助け、既にラブラブではあるが、命の恩人である我を更に好きになってくれるはずだ!」
命の恩人って、既にシェイリーからは何度も助けてもらっているし、世話になっているから、今更感があるのだが。
勿論、感謝しかないし、俺に出来る事なら何でもしようと思っているので、そんな事を考えなくてまた良いんだぞ?
「ところで、シェイリー殿。先に私と接吻をして、アレックスが光っているのだが、私からはどのようなスキルが渡されたんだ?」
「ふむ。冷気耐性だな。アレックスは元より冷気耐性スキルを持っていたが、その性能が上がっておる。尤も、炎のように完全無効化とまではいかぬようだが、その手前くらいまで……殆ど効かないようだ」
「なるほど。アレックスが寒さに強くなったというのであれば、いつか私の故郷へ招待しても良いかもしれないな。……まぁ私は大っぴらに動けないが」
ネーヴが俺を国へ連れて行くという話をしていると、
「アレックスは寒さに強いの? なら、是非とも私の村へ……」
「却下だ。お主はアレックスにスキルを与える為、許してやったに過ぎん。我の甘ーいイチャイチャラブラブタイムを邪魔した事を反省するのだ!」
「いやまぁ勘違いで攻めてきてしまったのは詫びるので、そこはどうか穏便に」
ブリジットが話に入ってきて、シェイリーに怒られていた。
しかし、こんなに大勢の熊耳族の女の子たちを連れて、よく来れたな……と思ったところで、
「えぇっ!? お姉ちゃんも旦那様も……というか皆、私を閉じ込めている間に何をしてるッスか!? ズルいッスー!」
ブリジットと瓜二つのビビアナが現れた。
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