第237話 一時帰国するビビアナ

 翌朝。まだ薄暗い時間に、ソフィの自動行動によって目が覚めた。

 ちなみに、昨晩の時点でヴァレーリエとモニカが大変な事になっていたので、分身スキルは使用していない。

 俺の上に居るソフィを静かにベッドへ寝かせ、


「おはようございます、マスター」


 残念ながら、起こしてしまった。


「おはよう、ソフィ。ちょっと風呂へ行ってくるよ」

「お供いたします」

「いやいや、軽く身体を洗うだけだから、大丈夫だよ」


 一先ず、兎耳族たちも就寝しているのか、それとも月魔法の暴走が満月の夜だけだからか、昨晩のように大変な事にはならないようだ。

 ……昨日は本当に大変だったからな。

 俺に抱きつくビビアナを起こさないように、そーっとベッドを抜け出し、風呂へ。

 俺のアレが一面に溢れ、大変な事になっていたはずなのだが、割と綺麗になくなっているのは何故だろうか。

 そんな事を思いながら、湯船の水で身体を洗っていると、


「アレックス? 随分と朝が早いのね」


 エリーがやってきた。


「あぁ、ちょっと身体を洗おうと思って」

「……一晩中、モニカさんたちとしてたから?」

「ひ、一晩中ではないが……その、すまん」

「あ、そういう意味じゃないのよ? 確かに、以前はアレックスを独り占めしたいって思っていたけど、ユーディットちゃんの事もあるし、私を含めて、皆アレックス無しには生きていけなくなっているでしょうし……だから、それは大丈夫よ」

「ユーディットは……うん。責任を取るつもりだからな」

「じゃあ、もちろん私も……お願いねっ!」


 そう言って、エリーに抱きつかれ、思いっきりキスされる。


「……ん? 私も……って?」

「もぉっ! 相変わらず鈍いんだから。私も、お腹の中にアレックスとの赤ちゃんが居るって事よ」

「……エリー! そうか。すまないな、気付かずに」

「いいわよ。アレックスが鈍いのは昔からだし。だから、昨日みたいに激しいのは暫く参加出来ないけど……でも、アレックスと全く何もないって言うのは寂しいの。という訳で……」

「え、エリー?」

「ふふっ。やっぱり、昨日のは羨ましかったから。凄かったもんね」


 唐突にエリーが舐め始め……アレを飲む。

 子供の頃の話など、二人で思い出話をしたりして、まったりとした時間を過ごしていると、ヴァレーリエとモニカがやって来た。


「あぁーっ! エリーだけズルいんよ! ウチも混ぜるんよ!」

「わ、私は昨日のが激し過ぎて腰が……だが、ご主人様の愛をいただけるのであれば、私も混ざるっ!」

「じゃあ、私はリディアと朝食の準備をしてくるわね」


 ゆっくりとエリーが立ち上がり……足を滑らせたっ!?


「エリーっ! ……大丈夫か?」

「うん。アレックスのおかげで大丈夫よ。ありがとう」

「無理せず、気を付けるんだぞ」

「ふふっ、そうね。気を付けるわね」


 エリーを見送ると……ヴァレーリエとモニカに物凄いジト目を向けられていた。


「アレックスがエリーに物凄く優しい。私もアレックスの妻なのに」

「お、俺は誰にでも優しい……ぞ?」

「何だかご主人様が、エリー殿とは私たちと少し違う雰囲気を出していました。まるで、ユーディット殿に向けるような……っ! エリー殿は幼女ではないのに、あれ程の気遣いをしてもらえるなんて……エリー殿は、ご主人様に一体どのようなご奉仕を!?」


 朝からヴァレーリエやモニカに迫られていると、途中でサクラやボルシチたちも混ざってくる。

 それから、エリーに朝食の準備が出来たと呼ばれ、皆で食事を済ませると、突然ビビアナの身体が淡く輝きだした。


「あ……そろそろ時間ッス。自分は、召喚魔法で一旦国へ戻るッス。けど、絶対に旦那様の所へ戻ってくるッス! 自分の為にも、この子の為にも」

「……あ! ビビアナさんにも……」

「では旦那様、皆……少しの間、さよならッス」


 そう言って、ビビアナが俺にキスして離れると、その直後、その姿が掻き消える。

 今のが召喚魔法か。凄いな。


「……アレックスさん。ビビアナさんの言葉と、ユーディットさんの言葉。もしかして……」

「り、リディア。ちよ、ちょっと近過ぎじゃないか?」

「……次こそは、私にお願いいたしますね?」


 目が笑っていないリディアに、至近距離で見つめられ、俺はこくこくと無言で頷く事しか出来なかった。

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