挿話60 房中術を教わるシノビのツバキ
「サラ……待って! そ、そろそろ休憩にしない?」
「何を言う。私の房中術は、まだまだこんなものでは無い。それに四十八の技の内、まだ三つしか披露していないぞ?」
「そ、そうだけど、肝心のツバキが……」
「あ。しまった。つい、私の方が夢中になってしまったな」
目の前で繰り広げられるサクラ姉の娘サラと、あの妖術使いアレックスの息子アレイレブの交わる様を目の前で観察していたのだが、本当に凄い。
どうすれば、あのような動きが出来るのだろうか。
いや、もちろん見よう見まねで、私だってやれば出来るだろう。
だが、男のアレを身体に入れるだけでもどうかと思うのに、あのような体勢に……恥ずかし過ぎるっ!
「……ツバキ。ツバキ、大丈夫か?」
「ふぇっ!? ど、どうしたの? サラ」
「いや、それはこっちの台詞だ。アレイレブのを握っただけで、生娘のように悲鳴を上げ……シノビなのだから、房中術は学んでいるのだろう?」
「ざ、座学は」
「ふむ、知識はある……と。では、肝心の実技は? ……って、どうして目を逸らすんだ?」
だって、書物に載っているのは絵だもん!
こんな、ビクビク動いたりしないし、触っても熱く無いし、こんな雄の匂いもしないもん!
だから、筆記試験は完璧。アレを大きくする方法とか、アレを出す方法とか、子供を作る方法だって知ってる。
だけど、だけど……アレの実物を見たのは初めてだし、触ったのも初めて。実際に房中術を使っている所を見たのも初めてなんだもん!
「……わかった。先ず、ツバキはこれに慣れる事から始めようか」
「そ、そうね」
「応援を呼んだから、もう少し待っていて」
「お、応援?」
何の事か分からず不思議に思っていると、
「サラ。呼んだ?」
「何か面白い事をするって聞いたんだけど」
「あれ? 僕は人助けって聞いたよ?」
ど、どうなっているの!? アレイレブに似た男の子が十人くらい現れた!?
「ツバキ。来てもらったこの子たちは、ペアの女の子は居るけど、子供は居ない男の子たちだから、遠慮しなくて良いわよ」
「ど、どういう事?」
「私たちは夜に皆で楽しんで居るけど、流石に子供が居るペアは、相手を変えたりしないって事。逆に言うと、ここに居る子たちはペアとなる女の子が居るものの、普段からとっかえひっかえしてるから、気にしなくて良いって事よ。……まぁ時々子供が居るペアも混ざりに来るし、私たちにも子供が居るんだけどね」
「待って。今の話は本当なの!?」
「ペアの女の子を気にしなくて良いって話? 本当よ。女の子の方だって、相手を変えてしている訳だし」
「そっちじゃなくて、最後に言った事!」
「ん? 子供が居るって事? 居るわよ。サレイって名付けたんだけど、すっごく可愛くてね……」
えーっと、サラはサクラ姉の娘よね?
見た目は十歳くらいで、アレイレブも十歳くらいに見える。
それなのに、もう子供が居る……っていう事は、サクラ姉はお婆ちゃんなの!?
サクラ姉は私の五歳年上だから、未だ二十二歳のはずだけど……という事は、二十二歳でお婆ちゃんって呼ばれるの!? 何それ怖い!
「さて、時間も勿体ないし、せっかく皆集まってくれたから……早速脱いで」
「は? ちょっ、サラ!? 何を……きゃぁぁぁっ! あ、アレが……アレが沢山っ!」
「じゃあ、今から猛特訓よ。ツバキ……貴女一人で、全員果てさせなさい」
「む、無理に決まっているでしょっ! やだっ! 囲まないでっ! 近い近い近いっ! 右にもアレ、左にもアレ……いやぁぁぁっ!」
「大丈夫。ツバキはこれに慣れて居ないだけよ。ほら、右手と左手で一本ずつ……あ、脇もいけるわね」
脇!? 脇ってどういう事!?
あぁぁぁっ! 何!? 何してるのっ!? 変態っ! 脇でアレを挟むなんて、変態よぉぉぉっ!
「とりあえず、最初だから手と脇だけにしましょうか。それから、他の皆は……あ、来た来た」
「お待たせー。サラちゃん、どうしたの? 何か手伝って欲しいって」
「うん。このツバキがアレに慣れたいって言うから、皆でぶっかけてあげようと思って」
何を言っているの?
突然、サラくらいの女の子が何人も現れたかと思うと、私を囲む男の子のアレを握り……え、ちょっと待って。まさか、ぶっかけるって……
「ストップ! サラ! スパルタ過ぎるわよっ! もう少し緩めに……緩めに房中術を教えてっ!」
「大丈夫、大丈夫。というか、こんなのむしろご褒美じゃない」
「ご褒美な訳が……あぁぁぁ、脇っ! 脇に挟まれているのがビクンビクンしてきたんだけどっ!」
誰か助けてぇぇぇっ!
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