第452話 メンバー選出
「……という訳で、この小屋を引いてもらって、海を渡る事は可能だろうか」
ラヴィニアとレヴィアたちを満足させ、さっき思いついた事を聞いてみた。
「私は無理かなー。この家に人も入るのよね? 力が足りないわ」
「そうか。レヴィアはどうだ?」
「運ぶのは問題ない。けど、木の家だと壊れると思う。もっと補強した方が良い。あと、海を渡るのは疲れるから、アレックスが癒して欲しい」
なるほど。レヴィアはドラゴンだもんな。
家の床というか、底を強化した方が良いのかもしれないな。
「じゃあ、ノーラちゃんが作ってくれた家の下に、ニナが鉄の板を敷く感じかなー?」
「マスター。鉄板よりも、ちゃんと船っぽい形にした方が良いかと。私からニナさんにご説明いたしますね」
「おぉ、助かる。すまないが、頼むよ」
流石はソフィだな。
リザードマンとの打ち合わせを終え、いつの間にか混ざっていたニナに、ソフィからアドバイスをしてくれるようだ。
「じゃあニナとソフィが準備をしてくれている間に、持っていく食料の準備をお願いしようか」
ニナと同じく、いつの間にか混ざっていたツバキが人形たちを経由してメイリンに依頼してくれた。
あとは、メンバーだな。
家の大きさからして、乗れそうなのは十人が限界だろう。
この大陸から離れるし、危険もあるので、よく考えないとな。
「レヴィアとラヴィニアは確定として、家が攻撃されないようにミオと……万が一の為に、ステラの人形に来てもらうか」
「ふふふ。アレックスよ、ちゃんと我を連れて行こうというのは分かっておるではないか」
「ミオの結界スキルは凄いからな。レヴィアは俺がスキルで守るとしても、家が攻撃されるのは俺のスキルでは防げない。すまないが、よろしく頼む」
海の上で魚系の魔物などに遭遇して、レヴィアに引いてもらっている家が壊れたら、最悪だからな。
何としてもそれだけは避けないと。
「ご主人様っ! 私もっ! 私も連れて行ってくださいませっ!」
「モニカ? しかし、海の上だぞ?」
「お忘れですか? 私には転移スキルがあります。万が一の場合には、ここへ戻って来る事が出来るのです」
ふむ。食料が足りなくなった……という時や、こっちで不測の事態が起こった時に戻れるのは確かに有用かもしれないな。
「分かった。モニカも頼む。あとは、船に何かあった場合の為、ニナの人形とノーラの人形か。そらから状況を確認する為、ユーディットの人形ユーリにも来てもらおうか」
「アレックス。それならウチでも良いんよ。ウチだって空を飛べるんよ」
「いや、ヴァレーリエが空を飛ぶのは火竜に変身してからだろ? 家というか船が沈む気がするんだが」
「うっ……レヴィアばっかり、ズルいんよーっ!」
それから、カスミやサクラたちに、ソフィ……というか、ニナやノーラも人形ではなく本人を連れて行って欲しいと言ってきたが、今回はこのメンバーで行く事に。
カスミやサクラには俺が不在の間を任せたいし、ソフィが離れると色んな魔導装置が止まってしまいそうだし、ニナやノーラは危ないからな。
「最後に、リディア……一緒に来てくれないだろうか」
「えっ!? アレックスさん。私ですか? 私としては嬉しいですけど……良いんですか?」
「あぁ。あの魔族領を二人で開拓して、ここまできただろ? だから新たな地も、リディアと一緒に行けば何とかなるんじゃないかって思って」
「ふふっ、アレックスさん。誘ってくれて、嬉しいです。是非お願いしますっ!」
新たな大陸への門出にリディアを誘うと、嬉しそうに抱きついてきた。
「リディアの次はニナだったんだけどなー」
「その次はボクなのにー」
「……マスターと離れてしまうと、魔力補給が心配です」
リディアに抱き締められている中、背中からニナとノーラにソフィ……というか、沢山の視線を感じる。
す、すまない。モニカの転移スキルで戻って来るので、許して欲しい。
それから、ラヴィニアとレヴィアに協力してもらってニナとノーラに小屋の改造を頼み、リディアに必要な物の整理を依頼する。
あと、カスミやサクラ、ソフィたちと、今後の打ち合わせだ。
「まず、カスミは各拠点の統括を頼みたい」
「任せてっ! 主要な場所には分身を送り込めるしね……小屋がもう少し大きければ、カスミちゃんの分身を連れて行ってもらったんだけどねー」
「すまないな。それから、ヴァレーリエには魔族領の守りをお願いしたい」
ネーヴがウラヤンカダの村へ行って居るからな。
万が一の場合でも、ヴァレーリエが居れば大丈夫だろう。
「はぁ。わかったけど……ちゃんと帰って来るんよ?」
「あぁ。モニカに頼んで、定期的に戻るようにするよ。そして、サクラは……港町クワラドの屋敷を任せたい。ヘレナという者が魔法陣を守ってくれているが、広い屋敷だからな」
「承知しました」
あと、メイリン経由で人形たちと連絡を取るという事と、ソフィの魔力補給はちゃんとするから、今後も開発を頼む……と、もろもろの話を終えたところで、
「お兄さーん! 出来たよーっ!」
ニナの準備が整ったので、シーサーに手伝ってもらい、東の海岸へ移動する事にした。
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