挿話61 新たな発見をする薬師のレイ

「おをををを……」


 アカン! サクラはんが涎を垂らしながら、変な声を出し始めた。

 しかし、ホンマえらい事になってもたーな。

 アレックスはんが精力剤を求めてきたからと、リディアはんがマンドラゴラを沢山くれた上に、効能を強くしようって言い出した。

 とりあえず、普通に作った精力剤を煮詰めて、濃縮してみようと思ったんやけど……その煙でも、精力剤の効果が出てまうとは。

 そのせいで、


「~~~~っ! お兄さん……大好きーっ!」


 普段は控え目なニナはんまで、大胆になってるし。

 この煙……アレックスはんを獣モードにするだけやなくて、女性陣も暴走させとるからな。

 ウチは精力剤を作る為、事前に中和剤を飲んでいたから程々に楽しませてもろたけど、リディアはん、エリーはん、メイリンはんは狭い部屋の中でダウンしてるし、サクラはんは精力剤で暴走中。

 ……って、ニナはんもダウンしてもうた。

 空いた所へ、すかさずミオはんが入り、


「す、凄いのじゃ……やはりアレックスは我の夫に相応しいのじゃ」


 まぁこの人は大丈夫やろ。

 それより、アレックスはんの分身とし続けているサクラはんは大丈夫なんか?

 他に獣モードのアレックスはんを相手出来そうなんは、モニカはんくらいやのに、珍しく来てへんねんなー。

 何か、フィーネはんと作るって言っていたから、それに集中してるんやろうけど……間が悪い。

 ただまぁ、幸いノーラはんとユーディトはんが東の村へ行っていて、ここの事態に気付いてないのは良かったわ。


「おほぉぉぉっ! あ、あれっくしゅさまぁー」


 うん。サクラはんはマズい気がするから、強制的に終了させよか。

 この状態ならウチでも簡単に……ほら、出来た。

 睡眠薬でサクラはんを眠らせてんけど……あかん。サクラはんが眠った事に気付いてへんのか、無理矢理……うわ、凄っ! って、感心してる場合とちゃうねん。


「アレックスはん。ちょーっと、ごめんやで。このまま放っておいたら、サクラはんが壊れてまうからな」


 眠るサクラはんを、アレックスはんから何とか引き剥がしたんやけど、


「こ、これは……そろそろなのじゃ! さぁ、思いっきり来るのじゃっ! ~~~~っ! ……もっと。もっとなのじゃーっ!」


 離れた瞬間に、アレックスはんからアレが飛び出てもうたやんかっ!

 気絶しているリディアはんの顔にアレが掛かり……勿体ない。

 それやったらウチが……って、あれ? 今、アレックスはんのアレが煮詰めてた精力剤の中に入った!?

 あぁぁぁ、六本分の精力剤が……って、あれ? 火にかけてるビーカーの反応がおかしい。

 アレックスはんのアレが混ざったから? けど、そんなんでこんな風に光ったりするはずなんて無いんやけど……でも、タイミングはアレックスはんのが入ったからやったと思う。

 よく考えてみたら、ソフィはんがアレを飲むと、魔力に変換されるって言うし、実際アレックスはんのアレを口から飲むと、力が湧いてくる気がしたりする。


「もしかして、アレックスはんの出すアレって、何か凄い効能があるんとちゃうか?」


 そもそも、いくらスキルや言うても、この人数を相手に、最低一人三回は出してるんやで?

 普通の人間ちゃうて。

 ……実はアレックスはんは、インキュバスとか?

 いやいや、それやったらパラディンとか無理やろ。

 とりあえず、アレックスはんのアレに、不思議な効果がありそうなので、それを確かめるべく、アレックスはんの分身の所へ行くと、アレを握って新たに出してもらおうとして、


「あ、あれ? ちょ、待って! 違うねん! そういう事は……いや、好きなんやけど、今はちょっと違うくて……待って! 少しだけ待って! いつもやったらウチに出してくれて構わへんし、嬉しいねんけど、今だけは……んひぃぃぃっ!」


 アレックスはんに思いっきり突かれて、意識が飛びそうになる。

 アカンねん。めっちゃ気持ち良いし、ホンマやったら、すぐにでもこの快楽に蕩けたいんやけど、今は薬の効能を調べたくて……が、頑張るんや!

 ウチは世界一の薬師に……んぁぁっ! た、耐えるんや。今、意識を失う訳には……はぁぁぁんっ! 激しいっ! 激し過ぎるっ!

 とりあえず、今の状態で置いとくために、火を消して……よっしゃ! 最低限の事はした!

 アレックスはんに、めっちゃ愛してもらうでーっ!

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