第426話 奴隷解放スキルで来た初めての男の子?

「皆、奴隷解放スキルが使用可能になったので、奴隷にされている者を助けたいと思う。すまないが、急いで服を着てくれないだろうか」


 レイはバケツを持って先に家へ帰ったが、まだシェイリーとフィーネ、テレーゼとモニカが全裸のままだ。

 というか四人共いろんな物が溢れていて、床も大変な事になっているし、俺も清掃は手伝わなければ。


「≪アクア・バブル≫」


 泡魔法で床を綺麗にし、甘えてくるテレーゼに服を着せる。

 ある程度、皆の準備が整ったので大丈夫かと思ったのだが、モニカがいつになく真剣な目で俺を見つめていた……何故か胸を露出させて。


「……モニカは一体何をしているんだ?」

「はい。ご主人様に、女性にしかない武器をアピールしております」

「……何故、そんな事を?」

「それはもちろん、ご主人様が両刀使い……じゃなくて、二刀流スキルを得たからです」


 うん、わからん。

 モニカが一体何を言いたいか分からないが、胸を仕舞わせて早速スキルを使用する。

 一分一秒でも早く、奴隷から解放させてあげたいからな。


「≪奴隷解放≫」


 念の為、フィーネとテレーゼを俺の後ろに移動させてからスキルを使用すると、幼い男の子が現れた。

 おぉ、このスキルで男が現れるのは初めてだな。

 キョロキョロと周囲を見渡し、不思議そうにしているので、先ずは状況を説明してあげる事に。


「俺はアレックスというんだ。あるスキルで、君を奴隷から助け出した。ここは安全な場所だから、安心して欲しい」

「え? 奴隷から助け出した……そ、そうなんですかっ!? あ、ありがとうございますっ! 僕は……」

「ダメですぅぅぅっ! ご主人様っ! はいっ! こっちを見てください! ほらほら、大きなおっぱいですよっ! 顔も埋めちゃいましょう!」


 男の子に話し掛けていると、またもやモニカが胸を露出し、俺の顔を埋めさせてくる。

 というか、マジで何をしているんだっ!?


「フィーネ殿、テレーゼ殿もキョトンとしていないで、手伝って! ご主人様の道を外させる訳にはいかないのですっ!」

「モニカさんが何をしたいのかは分かりませんが、アレックス様への密着は喜んでっ!」

「そうだね。まぁモニカさんの行動が意味不明なのは前からだし、気にしちゃダメだよねー」


 そう言って、フィーネとテレーゼもくっついて来た。

 いや、助けた男の子に何を見せているんだよっ!

 あと、この手つきは……テレーゼかっ!? 変な所を触るなっ!


「ほほぉ。よくわからぬが、結局もう一度するのだな? では我も混ざろうか」

「わぁ! は、裸になるのっ!? ぼ、僕も裸になった方が良いんですか?」

「違うっ! 裸になるのは我らだけだ! ……そ、そうだ。君には特別に私の裸を見せてあげよう。女性の身体をしっかり勉強するのだ」


 モニカはマジで何を言っているんだっ!?

 その男の子に裸を見せる……って、服を脱ぐ音が聞こえてくるっ!

 いや、三人共俺を放してくれ! あと、モニカも俺の顔を放してくれないと、窒息してしまうんだが。

 三人に囲まれて身動きが取れない中、身体の小さなシェイリーが下に潜り込んで、俺のを口に……おいぃぃぃっ!


「凄い……あんなに大きいんだ。それをパクって……えっと、じゃあ僕もお手伝いします」

「えっ!? ま、待つのだっ! 見るだけだと言ったのだ! あぁぁぁ、ご主人様以外が私のを舐め……うくぅっ! この子、どうしてこんなに慣れて……」

「あの、僕……女性だけの国で奴隷にされていたので、毎日こういう事をさせられていたから」


 ……って、待った!

 視界がモニカの胸に埋まっていて、自分の目で見た訳ではないが、聞こえて来る話だと、先程の男の子は奴隷にされていた時と同じ事をしているのか!?

 それはダメだっ! 何のために奴隷から解放したというのか!


「≪分身≫」


 分身スキルを使い、フィーネとテレーゼを引きはがす。

 ついでにシェイリーも分身に相手を……というか、分身を鬼畜モードにしたので、俺のをどうにかする余裕が無くなったようだ。

 俺を押さえているのがモニカだけになったので、無理矢理顔を上げて離れると、男の子をモニカから放す。


「すまない。そんな事はしなくて良いんだ。もう君は奴隷ではないのだから。変な事になってしまって、すまない」

「あ、そうなんですね。僕もお手伝いした方が良いのかなって思っちゃいました」

「いや、もう奴隷ではなくなったんだ。だから、嫌な事はしなくて良いからな。あと、ここは第四魔族領という場所だが、君の家にも必ず帰してあげよう」


 下半身丸出しの状態で非常に申し訳ないが、今の状況を謝罪すると、男の子が俺の顔を見上げ、恥ずかしそうに顔を赤らめる。


「ありがとうございます……あ、あの。一つだけお願いしても良いですか?」

「あぁ、出来る限りの事はするぞ? どうしたんだ?」

「あの、僕……今まで同性の相手ばかりしてきたので、異性のを見るのが初めてで、出来ればその……な、舐めてみたりしても良いですか? というか、もう我慢出来ないっ!」


 そう言って、男の子が俺のをパクッと……ん? んんん? どういう事なんだ!?

 男の子……男の子なんだよな? 髪も短く、胸も無くて……


「すまん。失礼……あっ!」

「んっ! いつもご奉仕ばかりで、僕が触られるのは初めてだから……っ!」


 男の子だと思っていたら、女の子だったパターンかぁぁぁっ!

 本当にすまんっ!


「あぁぁぁっ! ご主人様がそっちの道へぇぇぇっ! ダメですっ! 正気に戻って……んあぁぁぁっ! ご主人様の分身が本気ぃぃぃっ!」


 俺の勘違いもあって、せっかく綺麗にしたのに、悲惨な状況になってしまった。

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