第288話 人形が子供を産む条件
「しかし、何故全員が一斉に子供を? その、カスミの人形であるイチゴやニゴは、まだ分かるんだが」
「旦那様。何故カスミ殿の人形が子供を生むのは分かるのですか?」
「それは俺が直接……げふんげふん。いや、何でもない」
メイリンは人形たちを我が子のように思っているからな。
その人形たちと俺がしてしまっていたなんて……うん。絶対に言ってはいけない話だ。
だがこれまでの事から、人形同士では子供は生まれず、人形が子供を産むのは俺のアレが関わっていると考えられる。
しかし、カスミの人形たちは別として、今まで何度もサクラやツバキ、レイの人形たちから迫られ、舐められる事もあったが、それ以上の事はしていない。
そもそも、昨日は延々とテレーゼに出され続け……
「って、待てよ。もしかして……メイリン。北の小屋の傍に、屋外の露店風呂があるだろ?」
「はい、ありますね」
「そこを人形たちが使っていたりするのか?」
「使っていますよ。というか、妾の子供たちの家には風呂がありませんので、全員がそこを使っていますが」
それだぁぁぁっ!
昨日、テレーゼにあの風呂の中で沢山出されて……普通ならそれで妊娠なんてしないが、人形だからきっとそんな形でも子供が出来てしまうのだろう。
北の風呂では、絶対にそういう行為をしてはいけない……以後気を付けなければ。
「旦那様? どうかされたのですか?」
「い、いや、何でもないんだ。とりあえず、熊耳族の少女たちの家を何とかしないとな。メイリン、人形経由でノーラを呼んでくれないか?」
「畏まりました」
一先ず二十人程居る熊耳族の少女が暮らす家を建てるべく、ノーラを交えて相談し、大きめの一つの家に皆で住むという話になった。
早速ノーラが頑張ってくれているのだが、
「アレックス。私も熊耳族の代表としてこの家で暮らそうと思うのだが、毎晩とは言わぬから、せめて二日に一度くらいは来てくれぬだろうか」
「旦那様。自分もお姉ちゃんと一緒に過ごすッス! けど、夜は旦那様の所へ行きたいッス」
「アレックス様! 私たちにも、お慈悲を! こんなに凄い経験をしてしまったら、もう自分で自分を満足させる事など出来ません! せめて分身でも良いので!」
その裏でブリジットとビビアナ、熊耳族の少女たちから迫られる事に。
しかし、テレーゼも居るし、夜にこっちへ来る事は難しい気がするんだが……そうだ!
「わかった。少し考えるから待っていてくれ」
一旦、熊耳族の元を離れ、北エリアにある兎耳族たちの家がある場所へ。
その中の一軒の家に入り、
「すまん。プリシラの家はここか?」
「プリシラの家は隣だよ……って、アレックスだぁっ! 月魔法じゃなくて本物のっ! アレックスぅぅぅっ!」
「おい、待て! そういう事をしに来た訳じゃなくて……って、小さな子が見ているぞっ!? おぉぉぉいっ!」
兎耳族の代表パメラの家へ入ってしまったようで、その妹たちを含めた四人がかりで俺に……って、テレーゼやサクラも混ざっている!?
混ざらずに止めてくれよっ! パメラの幼い娘たちが、思いっきり見ているぞっ!?
「おかーさん。はやく、わたしもしたいよー!」
「ダーメ。これはもっと大きくなってから……んほぉぉぉっ!」
「えー! いつも、すっごく、きもちよさそうなのにー!」
って、普段から見せているのかよっ!
しかも、俺が来た事が何故か伝わったらしく、他の兎耳族たちが集まって来た!
「~~~~っ! アレックス様の、しゅごい……」
「好きですっ! アレックス様、大好きですぅぅぅっ!」
「もっと……もっとお願いしますぅ」
暫くして、ようやく兎耳族たちが落ち着いてくれて……いや、テレーゼも落ち着いてくれよ。
「あー、プリシラ。頼みがあって来たんだ」
「はい、お掃除ですね。全部吸い出して綺麗にします……」
「いや、違……待て! 話を聞いてくれっ!」
「んっ……はふへほーは?」
「……いやもう、そのままで良いから、とりあえず話を聞いてくれ。今日、新たに熊耳族の少女たちがやって来たから、彼女たちに月魔法で作った俺の分身を一体分けてあげられないかと思ってさ」
プリシラが俺の腰にしがみつきながら、上目遣いで見つめ……
「はふへふははは……」
「いや、何を言っているか分からないから、咥えながら喋るのはやめてくれ。その、変な感じになってしまうし」
「プリシラの代わりに説明しますが、それは無理なんです。影分身を作る月影魔法は、私たちの近くでしか作り出せないので」
プリシラの妹から、熊耳族の少女たち用の影分身は用意出来ないと言われてしまった。
良い案だと思ったのだが、どうしよう……って、プリシラはそろそろ離してくれよ。
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