第91話 先生と生徒

「アレックス様……ダメですね。この湖には魔物が大量に居ます」


 サクラが見つけてくれた大きな地底湖へ来てみたが、目視で分かるくらいに大きな魔物が泳いでいる。

 この湖の水を地上に汲み上げられれば、毎回リディアたちに水を出してもらわなくても良くなるかと思ったんだが……そう簡単にはいかないか。


「アレックス。ここに、雷の魔法とかを打ち込んでみよっか?」

「んー、だが反対側が見えないくらいに広い湖だからな。焼け石に水な気がするな」

「そっかー。じゃあ、とりあえず何匹か倒して、お昼ご飯のおかずにする?」

「そうだな。それが良いかもしれないな」


 湖から魔物を駆除するのは無理だとしても、魚の魔物を食べて俺が強くなるのと、新たな食材にして、料理のレパートリーを増やすのは良い事だろう。

 そう考え、エリーに何発か魔法を放ってもらおうとした所で、突然プカプカと魚が浮かんできた。


「え? エリー、もう魔法を打ったのか?」

「わ、私は未だ何もしていないよ?」

「拙者も、何も……」


 エリーとサクラが何もしていないと言った所で、モニカが居ない事に気付く。


「……って、モニカはどこへ行ったんだ? 姿が見えないんだが」

「んーと、モニカならトイレって言っていたよー?」

「トイレ……って、こんな魔物が出る場所で一人になるなよ」


 ニナが教えてくれたから良かったものの、皆で捜索しないといけなくなるぞ?

 まぁダメージを肩代わりするスキルを全員に使っているので、俺から離れ過ぎなければ怪我をしたりする事はないが。


「ご主人様、すみません。お花を摘みに行っておりました」

「それは仕方ない事だが、一人で行動しないようにな」

「はい。次からはご主人様に見てもらいながら、する事にしますね」

「どうしてそうなるんだよっ!」


 モニカは露出癖があるのか、すぐ見せようとしてくるからな。困ったものだ。


「しかし、湖に向かって立ちながらするというのは、なかなかに開放的でした。ご主人様もどうですか? 私、一緒に行って傍で見ていますよ?」

「見なくて良い……って、ちょっと待った。湖に向かって何をしたって!?」

「放尿ですが? 立ちながらというのが、ちょっと男性の気分を味わえてよかったです」


 女性が立ちながら……って、出来るものなのか?

 いや、実際モニカはやったみたいだし、出来るんだろうな。

 ……という事は、ここに居る魚の魔物は、薄まっているとはいえ、モニカのアレを飲んだって事か。だったら、もう食べられないな。


「……ん? エリー。魔物に聖水を飲ませたら、死ぬのかな?」

「そうじゃないかしら? そんな事試した事ないから知らないけど……って、あ! そういう事!?」

「たぶんな。モニカが湖に向かって聖水生成スキルを使ったから、ここに生息する魔物が息絶えたんじゃないか?」


 モニカが何の事ですか? と聞いてくるので、突然魚の魔物が浮かび上がってきた事を伝えると、


「つまり、私がもっと聖水を作れば、この湖から魔物を一掃出来るという事ですね!? では、ご主人様! 今すぐここでしましょうっ!」


 モニカが斜め上の言葉を返してくる。


「何をだよっ! というか、こんな魔物だらけの場所で出来ないだろっ!」

「大丈夫です! 周囲に聖水を撒けば、魔物は近寄れないはず! それに、見張りを立てながらすれば大丈夫ですよっ! それと、私の聖水で湖が浄化されれば、いろいろと使えるのでは!?」

「いや、魔物は駆除出来るけど、この水は飲めなくなるけどな」

「何を仰っているんですか! 聖水ですから、大丈夫です! それに、私たちはご主人様のを飲んでますけど、全然平気じゃないですかっ! さぁ、ご主人様っ! あ、サクラさんは見張りをお願いします」


 モニカの戯言をスルーしようとしていたら、


「ふふっ……アレックス様。拙者がしっかりと見張っております故、どうぞなさって下さいくださませ。ただし、後で拙者にもアレックス様の大きなアレをお願いいまします」


 サクラが俺のズボンを脱がしてきた。

 くっ……分身スキルまで使って、俺の動きを拘束しつつ脱がすなんて!


「さぁ、しっかりアレックス様とモニカ殿を見ておくのだ。これが、房中術の真の姿。この大きなのを女性のここへ……ほら、するする入って行くだろう? 元より女性の身体は、これを挿れるように出来ているのだ」

「な、なるほど。勉強不足でありました」

「ほら、そこにお主へ挿れたがっている者が居るぞ。早速実践してみよ」


 えっと、サクラはここで人形たちにレクチャーするのは……あぁぁぁ、み、見張りはしっかり頼む。

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