第130話 戦いの後に活躍するチャージスキル
「お……騰蛇の事も落ち着いた事だし、今からミオにお仕置きするのか? 我も混ぜて貰えるのだろうな?」
「お、おしおきっ!? 何故なのじゃ!?」
「我は止めたのに、スキルを使って騰蛇を呼び出したからであろう。先程アレックスも言っておったが、人形たちの作業を止めたからな」
スキルの有効時間が切れて騰蛇が帰るまで、俺とミオが見張っておくという話で、この場は解散となったのに、残っていたシェイリーが俺に抱きついてきた。
「お、おい、シェイリー。俺たちは今、見張りを……」
「アレックスがミオから得た閉鎖スキルを使っておるのだろう? であれば、そうそう抜け出せぬであろう。さぁ、我と愛を育もうではないか」
「ズルいのじゃ! 我はアレックスの妻なのだから、我の事もちゃんと愛するのじゃ!」
シェイリーもミオも、俺の話を聞いて欲しいんだが。
これで万が一、騰蛇が何かした場合、人形たちを全員帰してしまったし、メイリンもここに居ないから、誰も呼びに行く事が出来ない。
だから、こんな事をしている場合ではなくて……って、勝手に咥えるなっ!
「うげっ……な、何だよ、その大きさ! って、青龍……それを口で!? えぇぇぇっ!?」
「騰蛇……ウルサイのじゃ。≪遮音≫」
「……っ!? ……っ!」
俺が使った閉鎖スキルの上から、ミオが新たに結界を張ったようで、騰蛇の声が聞こえなくなった。
とはいえ、どちらの結界も透明なので、騰蛇の姿は見えているし、向こうからも見られているのだが。
一先ず、騰蛇が変な事をしないように見張りをしなければと思っていると、
「やっぱりね。ミオさんとシェイリーさんが居るから、絶対こういう事になると思ったわよ」
「うむ。抜け駆けはダメだ。ちゃんと混ぜてもらわないとな」
「そうでござる。拙者……正直、メイリン殿の所へ走って行っただけなので、不完全燃焼でござる」
エリーにモニカ、サクラがやって来た。
と、とりあえずノーラやユーディットは居ないので大丈夫かと思っていたら、
「アレックスさん。どうして呼んでいただけないのでしょうか?」
「アレックス様ーっ! 昨日の分……まだ足りないので、お願いしまーす!」
「アレックスはん。その、ウチも……今度は、ちゃんと意識がある状態でしたいんや」
リディアとフィーネとレイも姿を現す。
……レイは変な薬を持ってないよな!? もう飲ませるのは止めてくれよ? レイのスキルで、薬の効果が増すらしいからさ。
「……っ! …………っ!」
どこかで何かが声にならない叫び声をあげている気もするが、これだけの人数に囲まれてしまい、収拾がつかなくなったので、
「はぁ……少しだけだからな?」
一先ず分身スキルを使い、シェイリーたちの相手をする事に。
「うむ。とりあえず、我らがアレックスとしている間、ミオは見ているだけだからな」
「それは殺生なのじゃ! いくらなんでも、酷すぎるのじゃ!」
……
それから暫くして……うん。精力剤を持っていたレイは、後でお仕置き決定な。
いやまぁ、脱ぎ捨てた服の中に入っていたのを見つけて、飲ませて来たのはモニカだから、どっちがより悪いかと言うと、モニカ……か?
とりあえず、モニカとレイの二人で、この惨状を――いろんな液体で汚れまくった訓練場を掃除してもらう事にしよう。
「あ、アレックスぅ……その、突きはヤバ過ぎるぞっ! 以前と違って、一突きで身体の奥にズンと来る衝撃が違い過ぎるっ!」
「アレックス様……凄いですぅ! もっと、もっと突いてくださ……~~~~っ!」
これは……もしかしてユーディットからもらったチャージスキルが発動しているのか!?
いやまぁ突きといえば突きなんだが……前回あれだけ乱れまくったレイが、数回突いただけで気を失ってしまうとは。
今はシェイリーとフィーネ以外は、全員裸で倒れているという酷い状況の中で、
「お、おいっ! もう勘弁してくれよっ! こんなの生殺しというか、拷問じゃないかっ! 悪かったよ! 俺様が悪かったから、何とかしてくれっ!」
騰蛇の声が聞こえて来た。
ミオが気を失ったからか、それとも単に持続時間が過ぎたのか。
俺の閉鎖スキルはまだ効果が続いているようだが、騰蛇を静かにさせていたミオの遮音スキルの効果が消えたようだ。
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