第584話 アレックスの手のスキル

「私はさっき母から名前を呼ばれていたけど、改めて自己紹介すると、オリヴィアよ。それから、この子はクロエ。こっちは、私の妹のシャーロットよ」

「……アレックスだ。その、何というか、こんな格好ですまない」

「何言ってるのよ。どうせ脱ぐんだから、早い方が良いでしょ」


 風呂から全裸のまま寝室へ連れて来られたのだが、二人の少女は布団の上に座り、無言で下を向いたままだ。

 オリヴィアは既に割り切っているからか、全く同じていないし、既に先程風呂の様子を見られている。

 だがクロエとシャーロットは、こういう事は初めてだと言っているし、何より村の為に強制的にやらされているのでは無いだろうか。

 だとしたら、村を救う為とはいえ……本当にこれで良いのか?


「クロエ、シャーロット。いや、オリヴィアもだが、村の為とはいえ、こういう事は……」

「え? 今更何を言っているの? さっき、私とクロエの母親と、やる事をやっていたでしょ? 同じ事を私たちとするだけよ?」

「しかしだな……」

「もう、焦ったいわねー。いいわ。クロエ、シャーロット。もう顔を上げて良いわよ」


 オリヴィアの言葉で、下を向いていた二人が俺の顔を見上げてくるが、とても不安そうで、幼い顔が……あれ? 目を輝かせている……?


「わぁ……凄ーい! これがクロエの初めてを貰ってくれるんですねー! 凄い凄い! オリヴィアさんとしていた、獣人族さんたちとは比べ物にならないですー!」

「お姉ちゃん。アレックスさんの凄いねっ! ワクワクしてきたーっ! ……わぁ! すっごく硬ーい!」

「え? えぇ? ど、どういう事なんだ?」


 ついさっきまで、不安そうに俯いていたはずの二人が、嬉しそうに俺のを……いや、状況が理解出来ないんだが。


「ん? あぁ、確かにクロエとシャーロットは初めてだが、私が獣人族の方にお願いして、種付けしてもらっている所を、いつも見学しているのよ。でも、獣人族の人は一度出したら終わってしまうから、いつも見ているだけでねー」

「クロエ、早くしてみたいっ! シャロちゃんは触ってるし、クロエは舐めても良いよね? というか、もう舐めちゃうね! ……へぇー! こんな味なんだー! クセはあるけど、すっごく濃くて、不思議と病みつきになる味だねー!」

「クロエちゃんだけ、ずるーい! シャロもー!」


 そう言って、クロエとシャーロットの幼い二人が……いや、本当にどういう事なんだ?


「あの、今まで二人は見学だったんだろ? どうして今回は見学ではなく実践なんだ?」

「え? だってアレックスさんは回復魔法が使えるでしょ? 獣人たちと違って、何度出しても回復出来るんだよね? というか、母たちとした直後で、それだけガッチガチになっているし、回復魔法ってやっぱり凄いわねー。お婆ちゃんも、獣人族さんたちに使ってくれたら良かったのに」

「いや、回復魔法というか、俺が使う治癒魔法は、あくまで怪我を治す魔法で、こういうのは回復しないからな?」

「でも、現にクロエとシャーロットの二人から舐められて、凄い事になっているわよ?」

「それは……こんな事をされたら、誰だってこうなるだろ」


 むしろ、二人掛かりで熱烈にこんな事をされたら、こうならない方がおかしいとさえ思える。

 なので、今の俺がこうなっているのは仕方のない事であって……とりあえず、オリヴィアだけでなく、クロエとシャーロットがこういう状態なのはわかった。

 せっかく玄武のところまで来た訳だし、早く救出してあげないとな。


「さて、じゃあ私も参加させてもらおう……って、待って。な、何をしているの!?」

「何って、準備だが? 何の準備もせずに、この二人へいきなりこれを……というのは、流石に無理だろう」

「じゅ、準備って何!? そ、そんなところを触って一体何を!?」


 という訳で、クロエとシャーロットの準備をしているのだが……何故かオリヴィアが困惑している。


「お、オリヴィアさんっ! アレックスさんの指……凄いんですっ! これ……こんなの、知らない! 知らないのーっ!」

「そうだよー! 獣人族さんたちは、お姉ちゃんにこんな事していなくて……~~~~っ!」

「……え? どうしてクロエもシャーロットも、そんなに気持ち良さそうに? あ、アレックスさんは一体何をしているのっ!?」


 その、俺にはゴッドハンドというスキルがあってだな。

 いやまぁ、クロエとシャーロットは……じゅ、準備。準備は何事も大切だよな。

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