第210話 アレックスと十五人の分身たち

「な、何なのじゃっ!? これは、今までとは桁違いなのじゃっ!」

「あひぃぃぃっ! お、おにーさん! 強過ぎ……刺激が強過ぎなのぉぉぉっ!」


 ミオとボルシチが大声をあげ、ボルシチに至っては、涎を垂らしながらガクガクしている。

 ボルシチは俺の分身のところは行っているのだが、自動行動が厳し過ぎたのか?

 いつも通りに設定しているはずなのだが。


「アレックスさんのは凄いですし、幸せになりますけど、瞬時に気を失う程では……」

「そうだな。何よりハグスキルのおかげで快楽が延々と……だが、ボルシチ殿はハグされているのに、あの有様。癒し効果を上回る気持ち良さだという事なのか!?」

「だ、旦那様と一日空いたからですかね? それとも、新たなスキルを得た……とか?」


 リディアとサクラが俺に抱きつきながらも、どうしたのかと不思議そうにしつつ、順番待ちのメイリンと話をしている。

 だが、分身の影分身のところへ行ったサクラはいつも通りのようだし、俺の影分身は自動行動ではなく、俺の動きと同じ事をしているだけなのだが、ミオに余裕が無い。

 やはり何らかのスキルなのか?


「あぁぁっ! ご主人様が、ご主人様が私の聖水を豪快にぃぃぃっ!」


 少し離れた所から、月影で作られた俺の所へ行ったモニカが嬉しそうに顔を赤らめているが、マジで何をさせているんだよっ!


「ふふっ、アレックス……私だけのアレックス」


 同じく別の月影の所へ行ったエリーは、ただただ抱き合い、時折月影の頭を抱きかかえ、自身の胸……というか腹? に当てているのだが、あれは一体どういう意味なのだろうか。


「おっ、おっ、おっ、おぉぉぉっ! 凄い……やっぱり深いぃぃぃっ!」

「アレックス様ぁぁぁっ! ……大好きですぅぅぅっ!」

「ね、ねぇ。一度で良いから、十人のアレックス様から攻められてみたいんだけど、分身を貸してくれない? あんな大きなので十人からの同時攻め……あぁっ、想像しただけで、溢れてきちゃうぅぅぅっ!」


 奥の方では、パメラを筆頭とした兎耳族たちが激しい動きで……うん。月魔法士の月影魔法があって良かったと、心の底から思う。

 しかし、パメラは狩人というだけあって、敏捷性が高いのか、アクロバティックな事をしているが、大丈夫なのだろうか。


「あ、アレックス様。既にボルシチ殿が気を失っています! 次は私と交代を!」

「わ、我も少し休憩なのじゃ。まだアレックスから三回しかもらっておらぬというのに、これ程とは。今朝はいつも通りだったというのに、相当凄いスキルを得たのじゃな」


 ボルシチに代わってツバキ、ミオに代わってレイが参戦する。

 ちなみに、メイリンは俺本人が良いからと、リディアが交代するのを待つらしい。


「ふむ。あれ程の刺激を受け続けられるとは、リディアもサクラも中々やるのじゃ。だが、サクラはともかく、リディアはそこまで体力が無かった気がするのじゃ」

「ミオ殿とボルシチ殿が早々にダウンし、かの有名な兎耳族を次々と……あ、もしかして獣人族にだけ攻撃力が加算されるスキルを得たとか?」

「そ、そういえば……パ、パメラが、獣に対して強い、狩人というジョブだとイッ……ていました」


 ミオとメイリンと話していたリディアから長いキスをされると、交代すると言い、メイリンが嬉しそうにやってきた。

 一先ず、どんなスキルかはシェイリーに見てもらわないと……だが、この後をメインとしていて、遠慮しているソフィとフィーネが待ち切れないと言った様子で見つめて来る。

 しかし、普通に分身スキルを使うだけで四人になってしまうんだが、大丈夫なのだろうか。


「あぁぁっ! ご主人様のアレが顔にっ! やっと私の願いが……あ、十人とは言わないが、私も五人くらいのご主人様から攻められたいっ!」

「ふふっ……たまには、こういうのも良いわよね。本当は本人とまったりしたいんだけどねー」


 モニカが兎耳族の所へ相談に行き、エリーはチラチラと俺を見てくる。

 モニカはいつも通りと言えばいつも通りだが、エリーは体調が悪かったりするのか?

 長湯せずに早く寝た方が良いと思うのだが……後半の風呂は、物凄く時間が掛かってしまった。

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