第138話 行動が筒抜けのツバキと、心配するアレックス
「アレックスー! 昨日は幼女……こほん。前半組とお風呂に入ったんだから、今日は後半組だからねっ!」
「え? そ、そうなのか?」
「そうよっ! という訳で、前半組の方々は先にお風呂へどうぞー」
夕食を済ませた後、エリーが取り仕切り、前半組――ノーラ、ユーディット、ミオ、ソフィがお風呂へ。
ちなみに、さり気なくソフィとニナが入れ替わっているが、人数が増減している訳ではないので、良し……という事に。
というか、ソフィは男である俺と一緒に風呂へ入らないというのは分かるんだが、ニナは……ほ、ほどほどにな。
「アレックスさん。昨日は一緒にお風呂へ入れなかったので、沢山愛してくださいね」
「いや、リディア。今日の朝にシェイリーの所でしているだろ」
「それは昨晩の分です。お風呂は、今日の分ですよ」
果たしてその理屈はどうなのだろうか。
いろいろと思う所はあるが、リディアが抱きついてきて……ニナも抱きついて来た?
「……皆、朝にお兄さんとそういう事をしてたんだーっ! ニナは、全然してもらってないよーっ!」
「昨日一緒にお風呂へ……って、前半組だからそういう事も無かったか」
「そうだよー! お兄さん。ちゃんとニナの事も愛してよねーっ!」
頬を膨らませるニナの頭を撫で、変な所を触ろうとするリディアの手をさり気なく防ぐ。
そのうち、前半組がお風呂から出てくるから止めような。
「ところで、ツバキちゃんは大丈夫かな?」
「アレックス様。あぁ見えて、ツバキもシノビです。壁の中に居る分には、問題ないかと」
「壁の外に出てしまったら、かなりマズいけどな。パラディンの防御スキルも使用していないし」
「流石に壁の外を見れば、出る気にならないかと。正直に言わせていただくと、絶望感しかないので」
確かに、リディアと一緒に初めて外を見た時は、愕然としたもんな。
一先ず壁の内側に居るなら大丈夫だろうと思ったところで、メイリンが口を開く。
「旦那様。ツバキとやらは、屋外浴場に居るようです。妾の子供たちの営みを、食い入るように見ていると」
「……ツバキ。どうせするなら、初めてをアレックス様に貰っていただけば良いのに」
「いや、物凄く見てくるが、混ざろうとはしていないそうだ」
「まったく……アレックス様。拙者が行き、気絶させて連れて来るので、愚妹にお情けをいただけないでしょうか」
って、サクラは何を言っているんだよっ!
「いや、それは普通にダメだから。とりあえず、壁の内側に居るならそれで良いよ。あと、メイリン。人形経由で、畑の作物を幾つかツバキにあげてくれ。あと、風呂の近くにある小屋を使って良いと伝えてくれないか」
「畏まりました。旦那様はお優しいのですね」
「そういう訳ではないけど、ここは本当に何もない場所だからな。それから……そうだな。サクラの人形ペアが良いと思うんだが、ツバキの修行に付き合ってやって欲しいんだ」
俺の言葉に、メイリンは素直に頷いてくれたが、サクラが恐る恐る口を開く。
「アレックス様。流石にそれは、我が愚妹を甘やかし過ぎな気が……」
「まぁいいじゃないか。ツバキはサクラの妹だし。ちょっと、変に誤解されているけど、メイリンやサクラを助けたいと思っている訳だしさ。この地で一緒に暮らす仲間だよ。……とはいえ、どうやったら誤解が解けるかは悩ましい所だが」
「やはりアレックス様の大きなアレで、ツバキの身体にわからせるのが一番かと。気絶がダメであれば、レイ殿の精力剤をツバキに飲ませれば……」
「いや、その方法はどうかと思うんだが。あと、精力剤は製造禁止だから。レイ……というか、どうして皆顔を輝かせるんだよっ!」
特にフィーネの喜びっぷりが凄いんだが、この中の誰よりも、一番多くしているからな?
「アレックスー! お風呂、上がったよー!」
「うーん。やっぱりボクも、お兄ちゃんと一緒に入りたかったなー」
「そうなのじゃ。明日は絶対に、我らと一緒に入るのじゃ」
ユーディット、ノーラ、ミオがお風呂から出て来ると、続いてソフィが現れ、
「マスター。そろそろ魔力注入をお願い致します」
アレの催促をされてしまった。
一先ず、ソフィを連れて後半組と共に脱衣所へ行ったのだが、この場にノーラが居ないからか、全員遠慮が無くて、
「……ま、マスター! 量が凄……それに、いつもより更に濃い気がします」
「ソフィ殿。次は私の番なので、早く代わって欲しいのだ」
「代わる? モニカさんも、マスターに魔力を注いでもらうのですか?」
「勿論だ。口だけでなく、前からも後ろからも飲ませてもらうぞ」
「前? 後ろ? それに、奥からエリーさんの変な声が聞こえるのですが……」
大慌てでモニカの口を塞ぎ、ソフィには目隠しをしたまま退室してもらう。
ちなみに、宣言通り? 今回は珍しくニナの回数が多かった。
ほ、ほどほどにな。
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