第113話 バレないようにこそこそ頑張るアレックス
翌朝。
口に何か触れたと思ったら、視界いっぱいにリディアの顔があり……久々にフィーネのアレ以外で起こしてもらった。
というのも、昨晩は流石にフィーネもお風呂で満足したらしく、スキルを使用せず普通に就寝したからだ。
そのフィーネはノーラやニナと並び、俺に抱きついて未だ眠っている。
そういえば、いつもフィーネに起こされているから、寝顔を見たのは初めてじゃないか?
「おはようございます、アレックスさん。何だか、こんな風に起こすのが久しぶりな気がします」
「そうだな。最近は俺の方が早く起きているからな」
「……何故なんでしょうね。これまでは、今日みたいに、いつも私が最初に起きていたんですけど」
「つ、疲れているんじゃないのか? ほら、ここの生活も結構長くなってきたし」
「いえ、閉じ込められていた頃と比べれば、ここは天国ですよ?」
リディアが首を傾げるが、フィーネのスキルの事は言えないし、何とか誤魔化さないとな。
そんな事を考えていると、ふと視線を感じ……ソフィと目が合った。
だけど、ソフィはそのまま寝たフリを……って、いやいや。バレバレだからっ!
「おーい、ソフィ」
「……ぐー、ぐー」
「いや、そんな事を言いながら寝る奴は居ないだろ。というか、別に怒っている訳じゃないんだ。俺たちは恋人同士である事を公言している訳だから、別に寝たふりとかをしなくて良いって事を言いたかっただけだから」
俺の上に寝るノーラたちを起こさないように、小声でソフィに伝えると、
「そうだったのですね。すみません。実は私、あまり睡眠を必要としないのですが、皆様が就寝されておりますし、静かにしておくべきかと思っておりました」
「睡眠を必要としない……って、凄いな」
「全く必要ない訳ではありませんが、皆様の様子を観察していると、半分以下の睡眠時間で十分かと」
「そうか。別に無理して眠くも無いのに寝なくても良いんだぞ」
「分かりました。ありがとうございます。では今後はマスターが就寝される前にも、魔力をご提供願います」
「え? 今までは、朝と昼の二回だったぞ?
「先程ご許可いただいたので、夜も魔法装置の開発をしようと思うので、念の為に」
アレの提供回数が増えてしまった。
いや、提供する分には構わないんだが、アレが何かソフィに教えていないから、毎回誰かに手伝ってもらう必要がある訳で。
しかも、ノーラやユーディットに見つからないようにしながら。
あ、これからはレイにも見つかっちゃダメだよな。
一先ず、今朝の分をリディアに手伝ってもらい、ソフィに提供しようかと思った所で、何かぷにぷにした感触を……って、ノーラ!?
「ノーラ……な、何をしているんだ?」
「おはよう、お兄ちゃん。あのね、急にお腹の下に何かが当たって……これ、何だろ? ちょっとくすぐったいっていうか、気持ち良いっていうか。ボク、変なの」
「き、気のせいだ。それより、ノーラも手伝ってくれ。皆を起こそう」
「はーい!」
一旦、ソフィには待ってもらい、ノーラには生理現象で大きくなってしまっている俺のから離れてもらった所で、
「アレックス様、おはようございまーす! ……あ、そっか。いつもはフィーネの中でアレックス様のが大きくなって目覚めるけど、今日は……」
「おはよう、フィーネ! さぁフィーネも皆を起こすのを手伝ってくれよな!」
「アレックス様。フィーネは、毎朝のアレックス様のが欲しいんですけど……」
「あ、ニナも起きたな。フィーネ、レイを起こしてあげてくれ」
目を覚ましたフィーネがとんでもない事を言ってきたが……う、上手く誤魔化せただろうか。
ノーラは……よし、気付いて無い。
ソフィも、よく分かって居なさそうで……リディアがジト目!?
い、今のでバレたのか!? いや、流石に今の会話でフィーネがサキュバスだという事まではバレていないはずっ!
「り、リディア。朝食を済ませたら、ソフィへの魔力供給を手伝ってくれないか?」
「はい! 喜んでっ!」
そう言うと、リディアが嬉しそうに寝室を出て行く。
ご、誤魔化せた……よな?
一先ず、リディアに手伝ってもらい……というか、リディアにもアレを飲まれ、ソフィにも飲ませ、その後でこっそりフィーネにも。
……さて、今日も一日頑張るか。
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