第181話 文通が流行りだすアレクサンダー王国
ネーヴから貰った手紙の返信は夜に書こうと思い……書けない事に気付く。
夕食が終われば、風呂の時間となって就寝となり、風呂も就寝時も……ゆっくり手紙の返事を書く時間は無いだろう。
というか今更だけど、俺の一人の時間というのが殆ど無い気がしてきた。
いや、別に一人になりたい訳でもないし、皆と一緒に居るのが嫌な訳でも無いが。
「……こんな所かな?」
ネーヴが十枚に及んでしたためてくれた手紙なので、俺も丁寧に気持ちを込めて返事を書いた。
だが、三十枚近く返信用の紙を用意してくれていたが、僅か三枚で書く事がなくなってしまったのは許して欲しい。
まぁそもそもの内容が、好きな食べ物の話とか、好きな季節に、趣味とかの話が質問されていただけだからな。
丁寧に便箋に入れ……って、そう言えばスノーウィから届いた便箋には、しっかりと蝋で封がされていた。
今後の事を考えた場合、そういう印というか、公式で用いるマークを用意した方が良さそうなので、後でメイリンに相談してみよう。
「ネーヴ。先程の手紙の返事だ」
「アレックス。こんなに早く……ありがとう! 今日の指導が終わった後、ゆっくり読ませてもらおう」
そんな大した事が書いてある訳でもないのだが、ネーヴが便箋を抱きしめ、嬉しそうに笑顔を見せたからだろうか。
「お、お兄さん。ニナもお兄さんからの、お手紙欲しいなー」
「ボクもーっ! お兄ちゃん、お願ーい!」
「アレックスー! 私も、私もーっ! ネーヴ、紙ちょうだーい!」
ニナとノーラ、ユーディットの三人も手紙が欲しいと言い出した。
その一方で、
「ご主人様。私もご主人様の子供が欲しいですっ!」
「うむ。早速アレックスの子種をもらうのじゃ!」
「アレックス様の子種をいただけるのですか……は、早く欲しいです」
モニカとミオは、ノーラの前で変な事を言わないように!
あと、ツバキは息が物凄く荒くなっているけど大丈夫か!?
ノーラたちが手紙の話で盛り上がっており、モニカたちの言葉を聞いていなくて良かったと思いつつ、シェイリーの所へ出掛ける事に。
……と言っても、メイリン経由の人形の話によると、今日は地下洞窟ではなく西エリアの勉強用社に居るらしい。
こっちへ来ているのなら、昼食の際に来てくれれば良かったのに。
「シェイリー。ちょっと頼みが……って、寝ているのか。いや、疲れるだろうし、休憩は良いのだが、もう少し服を何とか出来なかったのか?」
社の真ん中で、シェイリーが大の字になって寝て居るのだが、その……服がはだけまくって、見えてはいけない所が殆ど見えてしまっている。
とりあえず、服の乱れを直してあげると、
「……ん? おぉ? アレックス……我の寝込みを襲うとは。夜這などせずとも、我はいつでもアレックスの相手をしてやるぞ?」
「夜這いじゃないって。というか、思いっきり昼だからな? それに、シェイリーに頼みがあって……って、先に話を聞いてくれっ!」
「問答無用っ! アレックスの手が我に触れた時点で、もうそういう気分になってしまったのだ! さぁ今すぐするのだっ!」
突然抱きつかれ、サクラやツバキがシェイリーに続く。
「アレックス様! 早く分身をお願いします!」
「二番手はサクラ姉と私がいただきます!」
「いや、久々にエクストラスキルを得たから、先にそっちを……って、もう無理か。はぁ……≪分身≫」
既にシェイリーが話を出来る状態にないので、諦めて分身スキルを使用すると、
「おぉぉぉ……アレックス様! 今日は激し……凄っ! もう精力剤を飲まれ……っ!」
「アレックス様ぁ……感覚同期スキルの効果でも凄いのですが、出来れば私にも直接……そうっ! これが欲しかったのですぅ!」
「え!? 旦那様!? 激しいのも嫌いではありませんが、妾はスキルを使用しなければならないので、もっと優しくても……んぅっ!」
俺の分身に近付いたサクラとツバキ、そして魔法人形を作成しようとしていたメイリンがパタパタと倒れていく。
もちろん俺と感覚はリンクしていて、本体の俺のアレの量が凄い事になっており、シェイリーがピクピクしていた。
「アレックス。こんなに沢山出してくれるとは。力がどんどん漲ってくる……が、少々出し過ぎで飲みきれなかったぞ」
「アレックスさん。あの、次は私に……うふふっ。アレックスさん、何だか今日は凄いですね」
シェイリーに続いてリディアが俺の所へ来たのが……本当に今日は量が多い。
何をしているのかと分身に目をやると、
「え? 俺はそんな動きをしていないんだが……」
俺はサクラのように、本体と分身を別々に動かす事が出来ないので、基本的に同じ動きになるはずの分身が、物凄く激しく動いている。
分身が次々に女性陣を気絶させていき、
「~~~~っ! ま、まだなのじゃ。もっと来るのじゃ! ……おほぉっ!」
今はミオが分身の相手をしていた。
一体、どうなっているのだろうか。
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