挿話114 アマゾネスのハンター、ヴィクトリア

 どうして私はアマゾネスという、女性だけの部族に生まれてしまったのだろう。

 周囲に女性しか居ないせいで、生まれて二十年経って、初めて男を知った。

 なんて素晴らしいのだろう。

 私はこれから、旦那様……アレックスさんに愛される為に全力を注ごう。

 そもそも私は……


「……リア、ヴィクトリア! 大丈夫?」

「何がだ?」

「いえ、気を失っていたように見えたから」

「うん。確かにアレックスさんの分身が激しすぎて……で、でも大丈夫っ! 絶対に負けないんだからっ!」

「無理しないでね。私の見立てでは、あのモニカって女性よりも、レヴィアと結衣っていう幼女の方が凄い。さっきからずっと、一人で三人を相手にしているんだもの」


 気を失いかけ、走馬灯のように昔の出来事を思い出しかけたけど、幼い二人に負ける訳にはいかない。

 おそらく、あの二人は若さ……というか、幼さ故に体力が凄いのだろう。

 あの二人は例外として、モニカには勝たなければ!


「さて……そろそろ、私の本領発揮かしら。ご主人様との絆を見せてあげるわっ!」


 モニカがそんな事を言いながら、立ち上がる。

 私たちの方を向いたまま、後ろに立つアレックスさんの首に手を掛けると、大きく脚を開いた。

 何がしたいのだろう?

 腕だけで自身の身体を支えるなんて、大した事無い……と思ったら、その手を離す。

 え? 宙に浮いている!? 前にアレックスさんのが入っている訳でもないのに、どういう事?


「ち、違うわっ! ヴィクトリア、お尻よっ! モニカは後ろ挿れたアレだけで支えられているのよっ!」

「えぇっ!? ……って、それはモニカよりも、アレックスさんのが凄いという話では?」

「ふっ、ならば試してみるか? ご主人様のアレを信頼しきっているからこそ、出来る事」


 う、後ろでなんて……前ですら今日が初めてなのに。

 いや、こんな事で慄いてどうするのっ!?

 私はアレックスさんの第一婦人になるんだっ!


「受けて立つわ! さぁアレックスさんの分身さん! 私のここにも……ひぐぅっ! あ、あぁぁぁ……」

「ヴィクトリアーっ!」

「ふっ、その程度なの? 私はまだ本気を出していないわよ?」


 な、なんですって!?


「は、はったり……よ。これ以上、何が出来ると言うのっ!?」

「はっはっは。ご主人様は外でなさるのがお好きだと言っただろう? このまま、貴女たちのテントへ行ってくるわ! そして、いつ誰かに見られるかわからない恐怖の中で、声を殺しながら、激しくしてもらうのよっ!」

「な……それは待ってくれ!」

「どうしたの? まさか、ご主人様が望む事が出来ないのかしら?」

「……で、出来るに決まっているだろう! 分身さん! こ、このまま家の外へ……はぅぅっ!」


 アレックスさんの分身が一歩進む度に、アレが奥まで……ふ、深いぃぃっ!

 流石にこのまま移動すると不安定なので、後ろから胸を鷲掴みにされているんだけど、こんな状況だというのに、なんて心地良い触り方なのっ!?

 アレは激しく、指は繊細に……素敵っ! 旦那様が素敵過ぎるぅぅぅっ!


「ま、待って。私も……私もヴィクトリアと一緒に行くのぉぉぉっ!」


 私とモニカに続いてジェシカが来たけど、正面からアレックスさんの分身に抱きつき、お尻を鷲掴みにされている。

 私と同じように一歩進む度に衝撃が来るのだろう。

 必死で耐えながら、アレックスさんの分身に抱きついて……あ、キスした! ま、待って! よく考えたら、私もそっちが良い!

 そっちなら普通に気持ち良いし、キス出来るし、何より密着出来る!


「ね、ねぇ。分身さん。一度これを抜いて」

「ふっ。やはり、所詮はその程度だったのね。私の敵ではなかったわね」

「ち、違うっ! そうじゃなくて、私もジェシカみたく普通に……なっ! は、鼻で笑った!? い、いいわよっ! このままで! このまま行くのっ! 分身さん、なんなら、地上へ続くおの坂道を走っても良いわよっ!」

「ほほぅ。ご主人様がこの状態で走られた時の凄さは、普段とは比べ物にならないのだが……その心意気や良し! 私も付き合おう!」

「分身さんっ! じゃあ、何があっても止まっちゃダメよ? このまま崖の上まで走って……おほぉぉぉっ!」


 や、やっぱり無理っ! こんなの……こんなの壊れちゃうぅぅぅっ!

 じぇ、ジェシカ! やっぱり助けてっ!


「アレックスさぁん……愛してますっ! すっごく逞しくて、素敵ですっ!」


 ジェシカぁぁぁっ! 私も、そんな風にまったりイチャイチャがいいよぉぉぉっ!

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