挿話51 いろいろと見てしまい、激しく誤解する薬師のレイ

「……俺様も青龍のように、もっと早くお前と会いたかったぜ。お前のこれ……本当に凄かったから、またいつか俺様を可愛がって欲し……」


 恋する乙女のような表情を浮かべた赤髪の男の子が、突然姿を消した。

 さっきエリーはんたちに聞いた話によると、あの男の子はミオはんのスキルで呼び出された炎の蛇なのだとか。

 けど、ウチが目を覚ましてからずっと見ていたけど、二人のアレックスはんが前と後ろから凄い勢いで突いていた上に、顔や髪の毛に大量のアレをぶっかけ……ま、待って。

 前にモニカはんが、これまでアレックスはんとどんな事をしてきたか自慢していた事はあったけど、全裸でリザードマンの村の中を散歩させるだなんて超上級な事をしているにもかかわらず、顔に……っていうのは一度も無いって残念がっていた。

 アレをかけて欲しいっていう、モニカはんの願望は正直理解出来へんけど、モニカはんがして欲しいけどしてもらえてへん事を、あの男の子がしてもらえているっていうんは事実や。


 え、えらいモンを見てもーた。

 そう思っていると、徐々にエリーはんやモニカはんたちが目覚めだし……あ、アレックスはんが近付いてくるっ!

 もしかして、あの男の子としていた所を、ウチが見てもうたから、怒られるんかっ!?


「モニカ、レイ。二人は、俺に精力剤を飲ませた罰として、この場所の掃除をしてもらおうと思う」

「ご、ご主人様! す、すみません。ですが、私はご主人様に激しく突かれたい一心で……あ、でも、今回は凄かったです。すぐに頭の中が真っ白になっちゃいました」

「そんな話はしなくて良いから、掃除をしてくれ。あと、レイは俺に直接飲ませた訳ではないけど、モニカが俺に飲ませる原因になったから、悪いけど頼むよ」


 アレックスはんは、それだけ言うと、リディアはんやフィーネはんたち……まだ倒れたままの女性たちを起こして、家の方に行ってしまった。

 残されたのは、ウチとモニカはんだけやねんけど、なんかモニカはんに距離を取られてる?


「あの、モニカはん……」

「な、何だ!? ど、どうしたのだ?」

「……なんかモニカはんって、ウチから距離を取ってへん?」

「いや、だってこの前……こほん。そ、そんな事はないぞ? き、気のせいだ。は、ははは……」


 いや、めちゃくちゃ態度おかしいやん!

 モニカさんは距離が近いというか、誰とでもフレンドリーなイメージやのに。


「あの、今言いかけた、この前って? ウチ、モニカはんに何かしてもーたん?」

「……覚えていないのか? 以前、レイ殿が初めてご主人様とした時の事を」

「あ、あの時はちょっと訳アリで、精力剤入りのパスタを食べてしまっていたから、初めての悦びは覚えてるんやけど、それ以降の記憶がなくて……」

「…………あの時のレイ殿は、『ええんやろ? このデカい乳を弄り倒されるんがえーんやろ?』と言いながら、私がご主人様に挿れてもらっている時に胸を揉みしだき、何度もキスをされ……わ、私はご主人様以外とそういう事をする趣味はないのだが、その薬のせいだと信じて良いのか?」


――ぶはぁぁぁっ!


「そ、その話は、ホンマの……」

「本当だ。『えぇなぁ、えぇなぁ。このデカいおっぱい、ウチにくれへんか?』と言いながら、執拗に胸を……」

「す、すんませんでしたぁぁぁっ!」


 意識を無くしている間に、ウチは何て事を。

 というか、男性と愛し合うのも初めてやのに、無意識で何をしとんねん!

 若干、警戒している気がしなくもないモニカはんに謝りつつ、さっき見た事を相談する事に。


「モニカはん。今の話とは別で相談やねんけど、実は……」

「えぇっ!? ご主人様が、あの騰蛇の顔にぶっかけ……そんなっ! 私がお願いしても、してくださらなかったのにっ!」

「お願いしたんや……」

「中や胸には出してくださるのに、顔は申し訳ないと仰られて……私が希望しているのに。けど、ぶっかけ以前に、そもそも騰蛇は男の子。これは……大変だっ! 皆を集めて対策会議を開かねばっ!」


 ウチが目撃した、アレックスはんのショタ好き問題により、モニカはん主体で秘密裏に対策会議が開かれる事になった。

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