挿話103 見てしまった冒険者ギルドの見習い職員ティナ
何やら、レイさんが薬作りに失敗してしまったらしく、今日は皆さんでこちらの――西の宿へ泊まられるという事になりました。
以前はメイドさんの格好をしたモニカさんが来てくれていたのですが、何やらお仕事で忙しいらしく、最近はメイリンさんのスキルで生み出された人形さんしか来てくれなかったので嬉しいです。
とはいえ、お昼は私から皆さんの所へ伺っていますけど。
「アレックスー! 早く入ろー!」
アレックスさんと久しぶりにお風呂へ入れるのが嬉しくて、急いで服を脱いで居たら……レヴィアちゃんが、全裸でアレックスさんに抱きついていますっ!
いえ、普段からアレックスさんにくっついているのは知っていましたが、お互い全裸で……しかも、無邪気にアレックスさんのアレを触ってるっ!?
わ、私も何も知らないフリをして触っても良いのでしょうか。
男性の……というか、アレックスさんのを触ってみたいという思いでウズウズしてしまいます。
うぅ……冒険者ギルドで働いていた時は、周囲に沢山男性が居たのに、こんな事は一度も思わなかったのに、どうして!?
「お兄ちゃーん! 聞いて聞いてー!」
レヴィアちゃんに続いて、ノーラさんも全裸でアレックス様の所へ……これは、私も混ざりに行くチャンスっ!
あ……アレックスさんのを触っていたレヴィアちゃんが、静かに手を払われました。
流石に触るのはダメですか。では、せめて近くでじっくり観察を。
ノーラさんとお話ししながら、アレックスさんのを……あ! 中へ移動されたので、私も一緒に……って、今日は身体から先に洗われるようです。
アレックスさんだけでなく、皆さんが先に身体を洗おうとされていて……ん? モニカさんから何か垂れた?
「モニカさんから白い何かが……」
「ティナ。背中を洗ってあげよう。さぁ後ろを向いて、そこの椅子に腰掛けてくれ」」
どういう訳か、いきなりアレックスさんが私の身体を洗ってくれる事になり……ふわぁぁぁっ! アレックスさんに身体を洗ってもらうって、凄いですっ! 物凄くドキドキしますっ!
暫く夢のような時間を過ごしたのですが、あっという間に終わってしまい、皆で湯船へ。
レヴィアちゃんがアレックスさんの太ももの上に座って抱きついて……いいなぁ。アレックスさんに抱きついたら、さっきみたいに、また凄いドキドキが来そう。
……わ、私も行くしかないよねっ!
アレックスさんがレヴィアちゃんの身体を抱えて、隣へ座らせた今がチャンス!
「あ、アレックスさーん!」
「ティナ!? 今は……こほん。ティナも、俺の上じゃなくて、横に座ろうな」
レヴィアちゃんみたいにアレックスさんの脚の上に座ると、優しく抱きかかえられ、隣に座らされたのですが……抱きかかえられた時に、アレックスさんの手が私の身体を触ってくれた!
えへへ……ちょっと幸せ。
だけど、さっき脚の上に座った時に、私の太ももの内側に触れた硬い棒みたいなのは何だったんだろう。
まさか……ね。アレックスさんの隣に座りながら、さり気なく身体を寄せてくっついて……とても良いお風呂でした!
それから皆で夕食を済ませると、一人で寝室へ。
タバサ先輩への業務日誌を書かないといけないので、ここから私はお仕事の時間です。
「前に、頑張って皆さん全員の事を書いたのに、タバサ先輩からは『有り得ない』ってコメントだったんですよね……真実なのに」
まぁ竜人族が二人居る……なんて、にわかに信じられませんけどね。
暫く黙々と業務日誌と戦っていると、
「……んっ! アレックス様ぁー」
「お兄さん。もっと……」
隣の部屋から誰かの声が聞こえてきました。
「んー……フィーネさんの声かな? テレーゼさんの声も聞こえた気がする」
アレックスさんと何かしているのでしょうか。
「マスター。まだまだ魔力が足りません……」
今のはソフィさんの声だと思うんだけど、魔力が足りないって……あ。そういえば、パラディンは魔力を分け与えるスキルがありましたっけ。
確か、シェア・マジックっていうスキルだったかな? 知識としては知っているけど、実際に見た事はないんですよね。
そもそも、パラディンっていうジョブの方が殆ど居ないですし……後学の為に、見学させてもらおうかな。
私も冒険者ギルドの職員として、実際にスキルを見ておいた方が良いでしょうし。
「アレックスさん。失礼しま……えっ!?」
隣の部屋に入ると、全裸のアレックスさんが沢山居て、同じく全裸のフィーネさんたちと……えぇぇぇっ!?
「≪夢見る少女≫」
とんでもない光景を目の当たりにしたと思ったところで、変な言葉が聞こえてきて……気付いた時には朝でした。
わ、私ったら業務日誌を書いている途中で寝ちゃって、しかも変な夢まで見て……うぅ、タバサ先輩に怒られてしまいますー!
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