挿話31 黒髪の少女メイリン
「アレックス殿。妾は黒髪の少女に会わせて欲しいと言ったのに、何故洞窟の中を進むのだ?」
「アレックス殿。かなり歩いたが休憩などは……おんぶ? い、いや、大丈夫だ。少し休めば自分で歩く」
「アレックス殿! サソリがっ! サソリが大量にっ!」
何故だ?
アレックス殿が、近くに同族の少女が居ると言っていたから、会いに行くと言ったのに、一体どれだけ歩かせる気なのだ!?
しかも休憩が欲しいと言ったら、おんぶしようとするなど……既婚男性が、未婚の妾に触れるなどと、どういう了見なのか。
しかも、アレックス殿はすぐ後ろに妻が居るにも拘らず、桃色の髪の妖艶な女を侍らしておるし。
「アレックス様。エリーさんの魔法は凄いです! いつかフィーネも、あんな風になれますよね?」
「あぁ、そうだな。努力していれば、きっとなれるさ」
「……努力は良いけど、フィーネはアレックスにくっ付き過ぎよっ!」
ほれ、妻が不機嫌ではないか。
しかし、あの者はエリーと言ったかな。
夫が他の女に胸を押し当てられているというのに、小言で済ますとは……なんと心が広いのだ。
他所の家庭に口を出す気は無いが、アレックス殿はもっと妻を大切にした方が良いのではないだろうか。
それにしても、アレックス殿の周りには女性が多いな。
あの、魔法を使う剣士も、かなり美人な上に、胸が……というか、ここに居る女性は全員胸が大きいではないかっ!
モニカ殿、エリー殿、フィーネ殿……だ、誰か半分で良いから妾にくれぬだろうか。
そんな事を考えながら足の痛みを誤魔化していると、小さな社に着いた。
「シェイリー。少し良いか?」
「うむ。待っておったぞ。中へ入るが良い」
可愛らしい声に誘われて中に入ると、布団が敷かれていて、そこに半裸の童女が座っている。
「く、黒髪の……本当に居た! 随分と幼いが、親は居らぬのか?」
「おぉ、黒髪の者か。生きておったのだな。しかし……ふむ。メイリンとやら。我は黒髪の姿をしておるが、黒髪の一族どころか、人ではないのだ」
「……何を言っているのだ? どこからどう見ても童女ではないか」
「そうではない。……一度見た方が早いか。一度外へ出るのだ」
何故、この童女は妾の名を知っているのか? と思いつつ、一先ず後へとついていくと、童女が一瞬にして巨大な龍へと姿を変える。
「な……り、龍……だと!?」
「我は青龍。今はシェイリーという名を貰っているが……これで、分かったか? 黒髪の王女よ」
「ど、どうして妾が王族の者だと……」
「今は力を失っているが、これでも我はこの地を守っていた神獣。それくらいは分かる」
そう言って、巨大な龍――青龍様が一瞬で童女の姿へと戻ってしまった。
「さて、もう良いであろう。それより、今から楽しい事があるぞ。お主も参加するが良い」
「は、はいっ!」
青龍様の楽しい事とは何だろうか。
参加せよとの事だったから、ここに居る全員でする事なのだろう。
だが、それよりも先に、
「あ、アレックス殿! こ、こちらのお方は、青龍様ではないかっ!」
「そうだが、黒髪の人たち事を知って居るから、話を聞いてみるのが良いかと思ったんだが」
「し、しかし、青龍様と言葉を交わすなど、恐れ多いではないか」
とりあえずアレックス殿に文句を言っておく。
青龍様の所へ行くなんて、聞いてないぞっ!
「はっはっは。メイリンとやら。我はアレックスと言葉を交わすどころか、身体を交えるつもりなのだ。話すくらい気にするでない」
「だ、ダメーっ! それは私が最初なのっ!」
「ふふっ……まぁすぐにとは言わんさ。とりあえず今日の所は、昨日の礼という事で、アレックスの子種をたらふく飲ませてもらうがな」
んん……?
青龍様は何と申された?
アレックス殿の子種を……いやいや、そんなはずは無い。
何かの聞き間違いだと思っていると、青龍様がアレックス殿に近付き、
「えっ!? 青龍様!? 本当にこの者の子種を!? えぇっ!? ……わっ! わゎっ! そんな……あれって、男性の!? あんな大きいの……えぇーっ!? 握って……舐めるのですかっ!? せ、先端を口に……えぇぇぇーっ!」
た、大変な事になった!
青龍様が、アレックス殿の……って、男性のモノは初めて見たが、あんなにも大きくなるのかっ!?
下手をすれば、青龍様の顔より長いのでは?
「シェイリーさん。後でフィーネにも代わってくださいねー!」
「じゃあ、私はこっちを……」
「ちょっ……アレックス殿はエリー殿の夫では無いのか? フィーネ殿とエリー殿は胸を触らせ、モニカ殿は……何をしているのだ? まさか、そんな所を舐め……あ、あぁぁ、小刻みに震え……青龍様が嬉しそうに何か飲み込んだっ!」
な、何だこれは!?
次はエリー殿が笑顔で飲み、フィーネ殿、モニカ殿……あ、また青龍様に戻った。
う、噂では、男性は一度出したら終わりだと聞いていたのだが……な、何回出すのだ!?
……既に、最低でも五周はしている筈だが、まだ出せるのか。
凄まじいな。
ま、待てよ。アレックス殿が、ここまで精力旺盛なのであれば、アレックス殿一人で妾の力を使えるように出来るのでは!?
男性のアレを触るのは怖いが、子種だけ分けてくれないだろうか。
「む……メイリンよ。何をしておる。物欲しそうな顔をせずに、混ざるが良い」
「ち、違いますっ! その、こ……子種は欲しいですが、そういう事は、真に愛する者とするべきで……」
「そう言いながら、アレックスのコレが気になるのであろう? 分かるぞ。女であれば、コレが気にならない訳がないからな」
「いや、妾はスキルを使う為に子種が必要なだけであって……って、モニカ殿!? ま、待ってくれ。妾は……妾はぁぁぁっ!」
青龍様と話して居る途中で、「言わなくても分かっている」的に、無言で微笑むモニカ殿に手を引かれ、アレックス殿のアレの目の前に連れてこられてしまった。
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