第301話 性癖が歪んでしまった熊耳族たちと、昨晩の事を思い出したバルバラ

「アレックスさん。おはようござ……えぇぇ!? まさか、一晩中していたんですかっ!?」

「ふふ……ウチは早くアレックスの子供が欲しいんよ。チャンスがあるなら、あるだけトライする……いつかきっと妊娠するんよ」

「うーん。その心意気は、私も見習わなければなりませんね。ただ、一晩中する体力はありませんが」


 リディアの声で目が覚め……寝ぼけている内に、ヴァレーリエが分身相手に頑張っている事に気付く。

 ソフィは二人の分身を相手にしているが、あれは自動行動スキルを使っていて、ソフィ自体はそんなに疲れないらしいから、ヴァレーリエはソフィに対抗するのは無謀だからな?

 そんな事を考えながら起き上がろうとして、俺の所にも誰かが居るのに気付いた。

 しかし頭からシーツを被っていて、誰だか分からないのだが、たどたどしく俺のを舐め……いや、そんな事より、もう朝だぞ?


「おーい。もう朝だから、皆で風呂へ行って身体を綺麗に……えっ!? ナズナ!?」

「あ、アレックス様っ! も、申し訳ありませんっ!」

「な、何がだ!? いや、少しも怒っていないんだが……どうしたんだっ!?」


 カスミやサクラはともかく、ナズナはこういう事には参加しない子だったのに。

 というか、どうして申し訳なさそうにしているのやら。


「ふふふ……ナズナも、アレックスの子種の味を覚えてしまったのじゃ。我と替わって欲しかったのだが、初めて飲むというので、譲ってやったのじゃ」

「ほほぅ。つまり、ナズナもようやくアレックス様にご奉仕出来るようになったのだな?」

「サクラ姉。ここは一つ、ナズナに感覚同期を使ってあげてはどうでしょう? アレを使えば、ナズナが抱いている初めての恐怖など、簡単に吹き飛んでしまいますから」


 いや、そこはミオが止めてあげてくれよ。

 あと、サクラとツバキは妹の成長を喜んでいるみたいだけど、何かいろいろと違うのではないか!?

 こんな事で成長を喜ばなくても良いと思うのだが。


「むっ! ご主人様! 私がダウンしている間も、お楽しみだったのですね!? 起こしてくださっても良かったのに。もしくは気絶している私に、容赦なくぶっかけていただいても……」

「そんな事しないって。あと、とりあえずモニカは服を着ような」

「いや、モニカのいう通りだ。アレックスは酷いのだ。以前は、我々が気絶しても、容赦なく中へ出しまくったというのに、昨晩は優しい……優し過ぎるっ!」


 起きて来たモニカが変な事を言って来たと思ったら、ブリジットがモニカの意見に同意したっ!?

 いや、ブリジットだけでなく、熊耳族の少女たちが全員頷いているっ!?

 というか、ブリジットは気絶したら、あの守護神が出て来るんじゃないのか? ……あ、俺の事を信頼しているのと、気絶の種類が違う? 気持ち良過ぎる事での気絶では出ないのか。

 ブリジットと熊耳族たちは、俺のせいでモニカに似た性癖を持つようになってしまったようだ。本当に申し訳ない。

 一先ず、昨晩の話をしていると、


「なっ!? どうしてオレは裸に……えっ!? 中から大量に垂れて……お、お前がオレにこんな事をしたのかっ!」


 気絶していたバルバラが起き上がり、全裸のまま近寄って来た。


「待った! 昨日、母上も話したが、貴殿は我が主を殺そうとしたのだ。当然、殺されても文句は言えないのに、それをアレックス様は助けてくださったのだぞ? もしもアレックス様があのまま子種を注がなければ、貴殿は狂い死にしていたのだからな?」

「だ、だけど……こんなのってあるかっ! オレは、初めてだったんだぞっ!」

「覚えているかどうか知らないが、貴殿は皆の前で大きく足を開き、自分で慰めだしたので……見かねたアレックス様が、挿れてあげたのだが」


 サクラに言われ、バルバラが暫く何かを考え、突然目を見開く。


「…………あっ! あれは夢じゃなくて、現実だったのか!?」

「その……バルバラは薬でちょっと変になっていたからな」

「じゃあ、あの兄貴と比べ物にならないくらいに大きいアレは……うわっ! 夢じゃなくて、本当にある! ま、まさか、こんなに巨大なこれがオレの中に?」

「命に係わる事態だったからな」

「……うぅぅ。オレも悪かったけど、責任を取ってくれよぉぉぉっ! 狼耳族は、アンタたちと違って一夫一妻制なんだからなっ! こんなの、もうどうやっても狼耳族の群れに戻れないよっ! ちゃんと、妻として満足させてくれよっ!? 妻の人数が多いからって、オレを放置したら承知しないからなっ!」


 バルバラが昨晩の事を思い出したらしく、涙目で訴えられてしまった。

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