第463話 謎の棒型マジックアイテム
「~~~~っ! ……マジックアイテムって凄い!」
何度かした後、未だに名前も知らない女性が俺の上に乗り、ひたすら動き続ける。
かなり体力があるらしく、結構な回数をこなしているのだが、終わる気配が無い。
一方の俺は、五十倍の腰の痛みで動けないのに、その一方で感覚が凄い事になっているので、アレが止まらないのだが……大丈夫なのだろうか。
「ふふっ、こんなに大量に出されて……これがマジックアイテムではなく、本物の男性のアレだったら、私は確実に妊娠しているわね」
「ま、待ってくれ。何度も言おうとしたんだが、俺は……」
「ヴィクトリアー! お待たせー! お待ちかねのマジックアイテムを持って来たわよー! ……って、ヴィクトリアったら、我慢出来なかったの? 全裸で腰なんて振っちゃって、イメージトレーニングはバッチリ……って、誰っ!? どうして男がっ!?」
突然テントの入り口から、知らない女性の声が聞こえて来た。
だが、身体を起こす事すら出来ない。
女性が近付いてくるのは分かって居るのだが……って、これは殺気!?
「どこの誰かは知らないけど、純粋なヴィクトリアを騙して、こんな事を教え込んで……ヴィクトリアっ! 目を覚ましてっ! 腰を振るのを止めなさいっ!」
「じぇ、ジェシカ! 凄いの! マジックアイテムって、本当に凄すぎるのぉぉぉっ!」
「ヴィクトリア! 貴女は騙されているのっ! よく見て! こいつは男よっ! 我々アマゾネスにとって、男と交わるのは部族を抜ける時のみ! この事が他の者にバレたら、貴女は……」
アマゾネス!? 確か、女性だけの部族……だっただろうか。
そのアマゾネスのヴィクトリアという女性が、俺の事をマジックアイテムだと勘違いして……だ、大丈夫なのか?
「ヴィクトリア。今なら、まだ間に合うわ。たった一度の過ちで、優秀な貴女が部族を抜けるなんてダメよ。妊娠さえしていなければ、バレないはずだから、中に出される前に今すぐ止めるのよ!」
「だ、大丈夫。だってこれ、マジックアイテムだもん。中で何かが沢山出ているけど、問題無いから」
「大ありよっ! 見なさいっ! これが貴女が所望していた、代々伝わるマジックアイテムよっ!」
そう言って、ジェシカと呼ばれている女性が、ヴィクトリアの目の前にピンク色の少し曲がった棒を出す。
両端に変なくびれが付いているのだが、一体これはどういうマジックアイテムなのだろうか。
「……ジェシカ、何それ?」
「これは女性同士で使うマジックアイテムだって、説明を受けているわ。あと、使い方も。私だって初めてだったから、ヴィクトリアとするのを楽しみにしていたのに……」
「ジェシカ、そんな小さくて変な棒じゃダメよ。これ……これは本当に凄いから! もう少しだけ待って……ねっ! す、少しだけ~~~~っ! ……ジェシカ、こ、交代するわね。……だ、ダメ。凄すぎて立てない……ジェシカ、引っ張ってぇ」
ジェシカが冷たい目を俺に向けながら、ヴィクトリアの身体を引っ張り上げる。
「えっ!? ま、待って。どうしてまだ抜けないの!? かなり引き上げ……きゃあっ!」
「じぇ、ジェシカっ!? あぁぁぁ~~~~っ! い、入り口から一気に奥まで……こ、こんなの無理っ! もう、このマジックアイテム無しで生きていけないっ!」
「だから、これはマジックアイテムじゃないって言っているでしょっ! ……あぁぁぁっ! ヴィクトリアが男にキスしたっ! って、どうしてこの男が光ったの!? 何者なのよっ! 私のヴィクトリアに何をしたのっ!?」
いや、俺は倒れているだけで何もしていないんだが。
というか、動けないし。
「もう怒ったんだから! 私のヴィクトリアを奪った男……絶対に許さないんだからっ!」
そう言って、ジェシカが壁に掛けられていたダガーを手に取った。
これはマズい!
距離が短い上に、スピードも速いから、結界では間に合わないっ!
「≪分身≫」
とっさに分身スキルを発動させ、分身でジェシカの手からダガーを弾き飛ばす。
ふぅ。これで一安心か。
「ま、待って! どうして大量に増えるのよっ! こ、こらっ! 服を脱がさないでっ! いきなり十人以上だなんて……お願いっ! そんなの絶対無理っ! あぁぁぁ~~~~っ!」
しまった! 安堵している内に自動モードの分身が……と、とりあえず解除っ! 解除ーっ!
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