第112話 お風呂での大惨事

「お兄ちゃん。これ、どうしたの? いつもと形が違うけど、大丈夫?」


 ノーラがフィーネから抜けた俺のを見つめながら、心配そうに声を掛けてくる。

 ダメだっ! こんな状態のモノを見せる訳にはいかない! と、ノーラを抱きかかえたまま湯船の中に身体を沈めるが、


「お兄ちゃん。そんな腫れた状態でお湯に浸けて良いの?」


 ノーラが俺から離れ、心配そうにしながらアレの先端を……優しく両手で握ってきた!?


「ノーラ!? な、何を!? そ、そんな所を触っちゃダメだっ!」

「えっ!? でも、こんなに腫れてるし、濡らさないほうが良いのかなって」

「……わかった。なら、お湯から出すから……さ、触らないでくれ」


 ノーラは善意でしてくれているのだが、小さな手でソフトタッチはダメだぁぁぁっ!

 ノーラに手を離してもらい、約束通り湯船から出る為、立ち上がった所で、


「も、モニカ殿っ!? 何を……拙者は攻めるのは得意だが、攻められるのは……」

「ふっふっふ。回復した私は無敵っ! さぁ早く果てて、私と代わるのだっ!」

「だからって、拙者のを指で……くっ! あぁぁっ! ……ち、違うっ! 今のはモニカ殿の指でではなく、アレックス様ので……」


 サクラが最悪のタイミングで、キュッと締め付けながら、上下に……ま、マズいっ!

 で、出るっ!

 だが、今出してしまったら、ノーラの顔に直撃してしまうっ!


「お兄ちゃん、ボクに任せて。痛いの痛いの飛んでいけーっ!」


 って、ノーラが再び俺のを撫で、サクラも締め付けをやめず……ダメだぁぁぁっ!


「ひゃぁっ! ……えっ!? 痛いの痛いの飛んでいけーってやったら、お兄ちゃんのここから、何か出て来た!」

「ノーラ……だ、大丈夫か!?」

「うん。何か白いのが胸に付いたけど、これがお兄ちゃんの痛みの元なのかな?」

「そ、そうかもな。ほら、ノーラのおかげで腫れも引いてきたみたいだ」


 ノーラは気付いていないみたいだが、胸だけでなく、髪の毛や頬にも付いているのだけど……それはさておき、薬の効果が切れたのか、それとも流石に出し過ぎて満足したのか、ようやく俺のが静まってくれた。

 後者だとしたら、頑張ってくれた全員に感謝だが、特にモニカとサクラ、フィーネに礼を言わなければならないかもしれないな。


「お兄ちゃん。また、どこか痛くなったら、ボクに言ってね。その時は、ボクがまた痛みの元を出してあげるから」

「そ、そうだな。ありがとうな」


 流石に、これからはノーラにこんな事はさせられないと思いつつ、分身スキルを解除してノーラと共に身体を――特に俺のが付着しているノーラの頭を良く洗い、


「皆、ありがとう。≪ミドル・ヒール≫」


 ぐったりするエリーたちに治癒魔法をかけていく。


「あ、あれ? ボクが身体を洗っている間に、皆どうしちゃったの!? のぼせちゃったの? ……モニカだけは平然としているみたいだけど」

「ふっふっふ。私はどんなプレイであろうと、また身体のどこを使ってもご主人様を悦ばせられるようにと、後ろを含めて色んな所を鍛えているからな。これくらいでダウンはしないさ」


 いや、モニカはノーラ相手に何を言っているんだよっ!

 思わず、モニカの口を塞ごうかとも思ったが、


「プレイ? お兄ちゃん。モニカは何の話をしているのー?」

「さ、さぁ。何の事だろうな。それより、皆動けるようになったみたいだし、お風呂をあがろう」

「ご、ご主人様っ!? ……はっ! 激しく求めてくださった後、突然の冷たい態度。つまり、そういうプレイという事ですねっ!?」


 一先ずノーラが色々と認識していないので良しとしよう。

 モニカは……いや、今日は頑張ってくれたから、不問とするか。


「今日みたいなアレックスも……好き」

「アレックスさん。私も、時々は今日みたいに無茶苦茶にされたいかもです」

「旦那様……今まで妾の身体を気遣って、抑えてくださっていたのですね。す、凄かったです」


 脱衣所へ行くなり、エリーやリディア、メイリンが抱きついてきたけど、今日は特殊な事情があったからなんだ。

 サクラに至っては、未だに口が半開きで、目にハートが浮かんでいるんだが、大丈夫なのか?

 とりあえず、全員着替えを済ませてリビングへ戻ると、


「アレックスはん。良かったやろ? もう皆の声がここまで聞こえてきてたし……凄かったみたいやな。あの凄い声から察するに、リディアはんに頼めばマンドラゴラをくれると思うから、また薬を作っておくな」

「ま、待った。薬を作るのは良いとして、俺には不要……」

「遠慮しーなや。いやー、ウチも作り甲斐があるし、調合の勉強にもなるし、頑張るわー!」


 レイが任せとけ! といった様子で、ペシペシと腕を叩いてくる。

 違う……違うんだぁぁぁっ!

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