第163話 姉妹丼

 翌朝。

 サクラはシノビの秘術を使ったから、ツバキが分かってくれる……と言っていたけど、昨晩は結局いつものように皆でお風呂へ入り、就寝となった。

 強いて言うなら、サクラがいつもよりも求めてきて、八回くらいしたというのが、普段との違いというくらいだろうか。

 一先ず、フィーネに皆を起こしてもらった所で、すぐにサクラがやって来た。


「アレックス様。昨晩、ツバキはやって来ましたか?」

「いや、来ていないが」

「そうですか。……変だな。あれだけすれば、すっかり分からされて、すぐにアレックス様の所へ来ると思ったのですが。……まさか途中で気絶!? いや、あの術は拙者の意思がある内は、気を失う事も許さないはず」


 気を失う事を許さない……って、結構恐ろしいスキルな気もするんだが。

 皆で朝食を済ませ、ノーラはシェイリーの家造りに。ユーディットは、ムギに作物の収穫を教えると言い、他のメンバーはいつも通りの作業へ。

 ……と思ったら、サクラが俺のところへやって来た。


「アレックス様。分かりました! 昨晩、お風呂あがりに私が眠ってしまった為、ツバキも眠ってしまっていたようで、道の途中で倒れていたので、運んで来ました」

「大丈夫なのか? 顔色は……やけに赤いが大丈夫か?」

「だ、大丈夫……」


 消え入りそうな声でツバキがそう言った直後、くぅー……っと、小さな音が鳴る。


「とりあえず、何か食事を……リディアもエリーも、もう行ってしまったのか。……仕方ない。朝の残りで悪いが、何か用意するから待っていてくれ」

「拙者も手伝います」

「いや、そんな大した物じゃないんだ。それより、サクラはツバキの側にいてやってくれ」


 キッチンに行くと、最近ソフィが作ってリディアが大喜びしている、食料を低温で保存できる魔法装置からレタスやキューリを取り出す。

 それをパンに挟んで……うん。今の俺が出来る精一杯の食事を持ってツバキに渡すと、


「あっ……手が」

「ん? 手はちゃんと洗っているぞ?」

「い、いえ。あ、ありがとうございます……」


 礼を言って、少しずつ食べ始めた。

 ……よく考えたら、これって凄い進歩だよな。

 以前のツバキなら、こうして席に着く事すら無かっただろうし、ましてや俺が出した物を食べるなんてな。


「アレックス様、ありがとうございます。お茶をどうぞ」

「ん? ありがとう。いただくよ」


 サクラが俺とツバキにお茶を淹れてくれたので、一口飲み、暫くしてふと思う。

 身体が……特にある箇所が、熱い。

 まさかな。せっかくここまで来て、それは無いよな?


「サクラ。念の為に確認させてもらうんだが……俺に何か盛ってないよな?」

「……」

「サクラっ!? どうして、そこで目を逸らすんだっ!? ……って、目は逸らすのに、手は伸ばしてくるのか。というか、ツバキの目の前なんだが」

「大丈夫です。昨日の今日です。ツバキがこの家に向かっていたのが良い証拠。もうツバキは分からされているので、後は実際にアレックス様がアレを注いでくだされば完璧です」

「何をだよっ! いや、言わなくて良いけど」


 薬に盛られたと思われる精力剤のせいで、もう俺が大変な事になっているのだが、どうやらツバキも大変な事になっていたらしく、座っていたイスがビチャビチャになっていた。


「アレックス様……では、あちらへ。ツバキも来て」

「はぁ……結局こうなるのか」

「ですが、一番確実ですし、実際こうして効果が出ていますから」


 サクラの言う通り、顔を赤らめたツバキが、ごくりと唾を呑み込み、俺を見つめて来る。


「今は、その秘術とやらは使ってないんだよな?」

「はい。使っていません。分からされたツバキの意志でここにいます。ほら、ツバキ。先ずはアレックス様のズボンを……」

「う、うん……うわっ! な、何これっ! お、大きさが全然違うっ! か、片手じゃ無理……というか、こんなに凄いのが中に……」


 俺は俺で、薬のせいで理性が効かなくなりそうになっているのに、必死で抗っていると、


「じゃあ、ツバキはそっち。私はこっち。シノビ姉妹の力をアレックス様にお見せするわよ」

「は、はい……って、サクラ姉。私、手では何度もしているけど、口は初めてで……」

「私の真似をすれば良いわよ。しっかりついて来るのよ」

「はいっ! サクラ姉」


 何だか、姉妹の仲睦まじい姿を見ている気もするけど、やっている事はアレな訳で。

 左右から姉妹に舐められ……


「じゃあ、今日の所は先に譲ってあげるから、しっかり愛してもらうのよ」


 先ずはツバキが寝転ぶ俺の上に乗ってきた。


「よ、よろしくお願いしま……っ!? これっ! 昨日、何度も何度も頭がおかしくなりそうになるくらいに入ってきた……これなのっ!」

「予習はバッチリでしょ? ほら、房中術を駆使して……もっと腰! しっかり締め付けるのっ!」

「そ、そんな事言われても、初めてなんだもんっ! そ、それに、気持ち良過ぎて……」

「アレックス様がそろそろ出される兆候だから、もう少し……もう少しだけ頑張りなさいっ」

「あ! 大きいのが更に大きく……出てるっ! これが……凄いよぉ」


 ツバキがグッタリと俺の上に倒れて来たが……もう、無理だ。

 むしろ、ここまでよく頑張った!

 ここからは、もう俺のペースで……


「≪分身≫」

「えぇっ!? 増えたっ!?」


 慣れたもので、こんな状態だというのにスキルをきっちり発動させる。


「大丈夫。ちゃんと応援はお願いしているから。それより、ツバキ。ここからが本番よ。私たち姉妹でアレックス様を満足させるのよっ!」

「えっ!? 普通は、一回出したら休憩……えっ!? 休憩とかしないのっ!? ひぐっ……さ、サクラお姉ちゃーんっ! これダメっ! こ、壊れちゃうっ!」

「が、頑張りなさい! 暫くしたら、フィーネ殿とソフィ殿が助けに来てくれるはず……あぁぁぁっ!」


 ツバキが助けを求める様にして、サクラの手を握っているが……すまない。

 もうこうなったら、止まれないんだ。

 暫くサクラとツバキの姉妹二人を同時に攻め……気付いた時には、サクラとツバキの二人から抱きしめられていた。

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