第522話 モニカの子供? アレニカ

「君たちは何者だ? 見た所、リス耳……いや、ムササビ耳族の者に見えるのだが」

「はい、その通りです。木の上から偶然アレックス様のお姿を見つけ、後を追ってしまいました」

「俺の事を知っているのか?」

「はい! どうか、お助け下さい!」


 そう言って、三人の少女たちが上目遣いで見上げてくる。

 助けて欲しいという事は、あのムササビ耳族の村で何かが起こったという事か。

 あの村にはプルム・スリーが居るから、もしも俺と同じ行動するのであれば、何かあっても村人を守ると思うのだが……プルムの分裂スキルでは、俺と同じ行動をしてくれないという事なのか?


「わかった。そういう事なら、すぐに行こう。だが、この下に居る仲間たちに、ムササビ耳族の村へ行く事を伝えさせてくれ」

「大丈夫ですよ。今すぐここですれば良いですから」

「え? 何を……」


 そう思った時には唇を塞がれ、いつの間にか少女たちが服を脱いでいた。


「助けて欲しいという話ではなかったのか?」

「はい、その通りです! 村でもう一人のアレックス様に愛していただき……でも、見回りの時間になってしまってウズウズしていたところ、アレックス様ご本人を見つけてしまいまして」

「アレックス様! お願いです! もう我慢出来ませんっ!」


 いやいやいや、この少女たちは何を言って居るんだ!?

 というか、見回りという任務中だろ!? こんな事をしている場合ではないだろう。


「……アレックス。ハッキリ言って、早く満足させるしかない。それが最短で最善」

「レヴィア!? どうやって、ここに!?」

「アレックスと同じ方法で来た。とりあえず、分身」

「えぇ……はぁ。≪分身≫」


 いつの間にか背後にレヴィアが居て、分身スキルを使わされる事になり……レヴィアが言っていた事は、こういう事だったのか。

 どうやらレヴィアは、俺たちを見ている者について予想済みだったらしく……半分の分身を連れて、河の中へ飛び降り、船へ。

 しかし、一人目の少女はキスされたが身体が光らなかったな。

 おそらく、これまでにスキルを貰った誰かと、ジョブが被っているのだろう。

 最近では、むしろジョブが被らない方が珍しくなってきたような気がしてしまうんだが……気のせいだという事にしておこうか。

 そんな事を考えていると、その一人目の少女をジッと見ている分身が居た。


「……って、アレニカ? どうしたんだ?」


 分身だから……という訳ではないと思うのだが、モニカの愛情を注がれたアレニカが、全裸のまま俺の傍でずっと待っている。

 この少女の事が気に入ったのだろうか。


「あっ! あ、アレックス様、ありがとうございます……きゃあっ! えっ!? 幼いアレックス様!? ……は、激しいですっ!」


 一人目の少女が嬉しそうに礼を言い、俺から降りて、いろいろと垂れ流したまま深々と頭を下げたところへ、後ろからアレニカが……よ、容赦ないな。


「アレックス様ぁ! 次は私の番ですからぁーっ!」


 二人目の少女では俺の身体が光り、何らかのスキルを貰ったようだが……それよりも、アレニカが一人目の少女を背後から抱きかかえ、何処かへ向かって走っていく。


「ま、待って! 挿れたまま何処へ……し、振動が凄いのっ!」


 本当に何処へ行く気なんだ!?

 流石に放っておくわけにもいかず、俺も二人目の少女を抱きかかえたまま、アレニカの後をついて行く。


「あ、アレックス様っ! この走りながら……ら、らめぇぇぇっ! す、凄すぎますぅぅぅっ!」

「すまない。少しだけ我慢してくれ」

「ち、違うんですっ! 凄く良いんですぅぅぅっ! こんなの知らないぃぃぃ……はぅっ」


 少女が気を失ってしまったが、それはそれとしてついて行くと、馬車でも通れそうな、そこそこ大きな街道に出た。

 で、その場所でアレニカが少女と……って、これはまさか!


「ま、待ってぇ! どうして、露出というか、誰かに見せつけるみたいに……ば、馬車が通ったら、全部見られちゃうぅぅぅっ!」


 少女が恥ずかしそうにしているが、アレニカはどんどんペースを上げ……うん。モニカの性質を引き継いでしまっている気がする。

 ただ、幸いな事に馬車は通らず、少女は気を失い……俺がアレニカを止める。

 いつの間にか十四歳くらいの姿で、モニカとムササビ耳族の村の少女の愛が混ざってしまったが……一体、どうなるのだろうか。

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