挿話84 冒険者ギルド職員ティナの業務日誌
X月1日 曇り
以前よりタバサ先輩から聞いていた、プリーストのステラさんという方がやって来ました。
(綺麗で優しそうで、お胸の大きいお姉さんでした。私も早く恋人が欲しいので、あんな風に胸が大きくなって欲しいです。自分で揉めば大きくなるのでしょうか?)
今日から、ステラさんと一緒に第四魔族領という所へ出張です。
本当はコレット先輩が行く予定だったらしいですが、コレット先輩が居ないと不機嫌になる冒険者さんたちが居るので、私が行く方が良いと思います。
(私もコレット先輩のように、早く男性冒険者を手玉に取れるようになりたいです)
転送装置で魔族領へ行くと、アレックスさんと呼ばれる男性が居ました。
S級冒険者でパラディンだと言っていました。
(凄くカッコイイお兄さんでした。あと、優しそうです。こんな恋人が欲しいです)
転送先の小屋を出ると、凄かったです。
果樹園があったり、様々な作物が実った大きな畑がありました。
事前に聞いていた話よりも、かなり開拓が進んでいるようで、北西の方には森までありました。
昼食でパスタをいただいたのですが、色んな野菜が入っていて、とても美味しかったです。
(パスタはエルフのリディアさんが作ったそうです。なんでも料理が趣味なのだとか。エルフだからか、あまり胸が大きく無いスレンダーな方でしたが、恋人も居て幸せいっぱいなのだとか。やっぱり女性は料理が出来る方が良さそうですね)
東へ行くと、家が沢山ありました。
魔族領に住む人たちの家だそうで、主に獣人のノーラさんという方と、ゴーレムのゴレイムさんが建てているそうです。
(獣人の方は初めて見ましたが、耳と尻尾が大きかったです。ゴーレムも初めて見たのでビックリしました。どうやって動いているのか不思議ですが、マジック・エンジニアという珍しいジョブのソフィさんが作ったそうです)
それから、妊娠されたというエリーさんに話を伺いました。
アレックスさんとの子供らしくて、幸せいっぱいに、満面の笑みで長々と惚気られました。
これが嫉妬という感情……こほん。何でもありません。
場所が場所なので正式な結婚には至っていないそうですが、そういった法もいずれ整備すると、内政担当だというメイリンさんという方が言っていました。
(惚気が本当に長かったです。何故かは教えてもらえませんでしたが、他の女性たちには話せないそうです。ただ、惚気話を聞かされている間、他の女性から凄く視線を感じたような気がします。ちょっと怖いくらいに……)
最後に私の住居についてですが、南西の方にある、客人用の宿の一室をお借りする事になりました。
ちょっと露出が激しく、お胸も大きなメイドのモニカさんという方がお世話をしてくれるようです。
モニカさんも、恋人と毎晩激しい夜を過ごされているそうで、赤ちゃんを熱望されているのだとか。
(やはり恋人を作るには、胸の大きさが重要なようです。ただ何となくですが、モニカさんはアブノーマルな感じがします。もしかしたら、恋人さんが変態さんなのかもしれません。あと、私は宿のお風呂を使わせてもらっているのですが、大きなお風呂に一人だけなので、ちょっと寂しいです)
以上となります。
トレーナー:タバサより
先ずは急な出張に応じてくれて、ありがとうございます。
で……ツッコミ所が多過ぎて困っているのですが、畑はまだしも、果樹園や森とは何の事でしょうか。
第四魔族領は不毛の地です。畑はアレックスさんが頑張ったとして、僅か二ヶ月で森が出来るとは思えません。
何かの見間違いだと思うので、正確に報告してください。
あと、エルフに獣人にマジック・エンジニア?
そんな方々が本当に居るのですか?
だとしたら、何処から、どうやって来たのか確認してください。
それから、魔族領に住んでいる人たちの家?
モニカさんやフィーネちゃん用の家がある?
しかも、来客用の宿に、大きなお風呂って、訳がわかりません。
情報は正確に、相手へ伝わるように書いてください。
あと一番大切な事で、そちらへ行く前に口をすっぱくして言いましたが、アレックスさんと必要以上に親しくならないように。
近付くと妊娠しちゃいますからね!
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