第306話 欲求不満が爆発した女性たち

 フィーネに皆を起こしてもらい、朝食を済ませて元兎耳族の村へ行こうか……というところで、困った様子のメイリンが口を開く。


「旦那様。南にマミさんとジュリさんが来ていて、旦那様に会わせて欲しいと言っているそうです」

「マミとジュリが……何かあったのか? 分かった。ソフィ、魔導列車を頼む」


 一先ず、ヴァレーリエやリディアたちには東の休憩所で待機してもらい、ソフィと二人で西エリアの宿へ。

 そこからシェイリーの所へ行くと、


「アレックスよ。今日は……魔法陣で南へ行くのか。たまには、我に愛と子種を注いでも良いのだぞ?」


 服をはだけさせ、チラチラと色んな所を見せながら近付いて来る。


「シェイリー。前にも言ったが、服はちゃんと着ような」

「くっ……男はチラリズムに弱いはずなのに、流石はアレックス。この程度ではダメか。我も一緒に行くのだ!」


 何が流石なのかは分からないが、魔法陣で南へ行くと、サクラの人形を相手に愚痴を言うマミとジュリが居た。


「アレックスは、釣った魚に餌をあげないのはダメポン! あんなに凄い経験をさせておいて……もうアレックスのを身体が求めて、うずくポン!」

「うふふ。アレックスちゃん……今日こそ、お姉ちゃんと遊びましょうねー」

「その、父上が今こちらへ向かっているそうなので、お気を確かに」


 えーっと、マミもジュリも大丈夫だろうか。

 頬を膨らませるマミと、妖艶な笑みを浮かべるジュリを相手に、サクラの人形が物凄く困っている。


「そろそろ来てくださっても良い頃合い……あ、父上っ! お待ちしておりましたっ!」

「アレックス!? どうして呼んでくれないポン!? マミに飽きたポン!? もっと頑張るポン! どんなプレイでも応じるポン! だから見捨てないで欲しいポン!」

「アレックスちゃん! さぁお姉ちゃんと遊びましょうねー! ……あらー? どうしてアレックスちゃんは大きいのー? 早く小さくなって、お姉ちゃんと遊びましょー!」


 マミもジュリも、ちょっと怖いんだが。

 一体どうしたんだ? とりあえず、マミは俺のズボンから離れような。

 あと、何故ジュリは脱いでいるんだよっ!


「なるほど。これはアレックスの子種を摂取していない事による禁断症状か。アレックスよ。この二人に早く子種を注いでやるのだ。我も手伝うから、早くっ!」

「マスター。私もお手伝いいたします。先ずは分身致しましょう」

「なんと! それは大変です。僭越ながら、私も父上のお手伝いをさせていただきます!」


 シェイリーやソフィにサクラの人形たちまで参加し……マミとジュリが暴走して大変だったが、一先ず二人が落ち着いたので、話を聞く事に。


「アレックスが最近会いに来てくれないポン! 以前は毎日来てくれていたポン!」

「アレックスさん。最後に私たちを抱いてくださってから、どれくらい経過しているかご存じですか? 五日ですよ、五日! アレックスさんは私たちと五日間も会ってくださらなかったんです! 泣いちゃいますよっ!?」

「すまない。いろいろとやる事があったんだ」


 マミとジュリをちゃんと満足させたはずなのに、二人の圧が凄い。

 一緒に混ざったシェイリーやソフィは微笑みながら、抱きついてくるだけなので、差が激しいな。


「アレックスさん。さぁ一緒に私の家に来てください」

「えっ!? 今終えたばっかりなんだが」

「お忘れですか? ウララドの街で……というか私の家でケイトが待っています。彼女も、アレックスさんが来てくださるのを首を長くして待っているんです。トイレで自らを慰めて何とか耐えていますが……」

「いや、決して忘れている訳ではないんだ。だが、やらないといけない事が色々あってだな……」

「アレックスさん! 先程、そちらのシェイリーさんが仰っていたではないですか。アレックスさんに抱いてもらえない禁断症状が出ていると。ぶっちゃけ欲求不満なんです! さぁケイトを満足させる為にウララドの街へ来てください! そして、私とももう一度っ! 五日分の愛をくださいっ!」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。とりあえず、指示を……」


 サクラの人形を通じて皆へしてもらいたい事をメイリンに伝え、ソフィにも今日して欲しい事を伝えると、


「さぁアレックスさん。私の家に行きましょう!」

「アレックス、さっきの続きをするポン! 今日は夜までずっとやり続けるポン!」

「羨ましい。アレックス……今度は我にも一日中子種を注いでもらうぞ」


 強引に≪変化≫スキルを使わされ、ウララドの街へ行き……ケイトたちが数回気を失う程する事になってしまった。

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