第305話 良心の呵責に耐えられなかったテレーゼ
前半戦に続いて後半の風呂も終え、いつも通りフィーネが皆を眠らせる。
「アレックス様! では、早速……」
「いや、ちょっとだけ待ってくれ。フィーネ、カスミだけ起こす事は出来ないか?」
「んー、外に連れて行ってスキルを使えば大丈夫な気もするけど……」
「じゃあ、悪いがそれで頼む」
そう言って寝室で眠るカスミを抱きかかえると、フィーネと共に東の休憩所を出て、スキルを使って起こしてもらった。
「ん? あれ? お兄さん? 私を抱きかかえて……あ! 外でしたいのね? おっけー! じゃあ、早速……」
「そうじゃないんだ。悪いが、俺の分身を元兎耳族の村へ連れて行ってもらえないかと思ってさ」
「あー、なるほどー。おっけー! 任せてー!」
カスミにお願いし、分身二体を元兎耳族の村へ。
……ミオやモニカが、まだ俺が移動している途中に変な事をせず、夜まで我慢してくれればこんな面倒な事をしなくて済んだんだけどな。
「アレックス様。では次は私たちの番ですね」
「何々ー? 昨日みたいに朝までするのー? カスミちゃんも混ぜてー!」
いつもの三人にカスミを加え…まず最初にフィーネが眠りに就いた。
普段なら俺もこのままフィーネと一緒に寝るのだが、今晩はテレーゼを招き寄せ、フィーネを静かにベッドへ寝かせる。
「あれ? 私で良いのー?」
「あぁ。分身を一体、別の場所へ送らないといけなくてね」
「そうなんだ。お兄さんも大変だねー」
そう言ってテレーゼが俺の所へ来たので、テレーゼの相手をしていた分身を熊耳族の家に――ビビアナの所へ送り出す。
壁の中なら距離はあっても魔物が現れる事もないので、自動モードで移動させれば、いずれ到着するから、カスミに手伝って貰わなくても大丈夫だ。
なので、やるべき事はやったはずなので、俺は寝る事にしたのだが、
「ふふっ。私、ここで数日暮らして気付いたんだけど、お兄さんの周りは幼い女の子が多いよね。で、夢魔族の私はある程度見た目の年齢が変えられるから、今日はお兄さん好みの姿で一晩中してあげるね」
テレーゼが何か話した後、その姿が小さく、幼くなっていった気がする。
「おほぉぉぉっ! このからだで、このサイズは……だけど、おにーちゃんによろこんでもらうために、がんばるのっ!」
薄れ行く意識の中で、締め付けがキツくなったような気がする……と思いながら就寝し、その翌朝。
「アレックス様! 酷いですーっ! いつもはフィーネに挿れながら寝てくださるのにーっ!」
「おにいちゃんの……しゅごしゅぎぃ」
フィーネが口を尖らせ、やけに幼い姿なテレーゼの寝言と共に目が覚める。
その直後、
「お兄さん。薄々感じていたけど、そっちの趣味なのねー。でも、大丈夫よー。シノビの秘術……頑張って思い出すわね。でも今は……おやすみなさーい」
カスミがよく分からない事を言って眠りに……って、今から寝るのかよっ!
というか、そもそもソフィに対抗するなってば!
前にヴァレーリエも対抗していなかったっけ?
そんな事を思いながら皆で風呂へ行き、大変な状態で眠ってしまったカスミの身体を洗ってあげていると、
「おにーちゃん。わたしも、きれーにしてよー!」
奴隷解放スキルで来た直後の姿をしたテレーゼが頬を膨らませる。
「いや、テレーゼは起きているだろ」
「わたし、ひとりでおふろには、はいれないもん」
「今入ってるだろ。というか、急にその姿へ戻ったのは、何かあったのか? その、アレが足りないとか?」
「ううん。たりてるよー? ……あ、そう! たりてないのー! だから、おにーちゃん。ここで、おねがーい!」
夢魔族のテレーゼは、男性のアレが無いと死んでしまうそうなので、急いで飲ませ……以前は一回で大きくなったのに、今回は変化がないな?
「テレーゼ。大丈夫か? 前と違って変化がないが、やっぱり調子が悪いのか?」
小さな手と口で、一生懸命頑張るテレーゼに問いかけると、
「え、えーっと……」
「マスターは、もう少し人を疑う事を覚えられた方が……いえ、これもマスターの良さなのでしょうが」
「アレックス様ー! テレーゼさんばかり構って、ズルいですー! フィーネにも下さい!」
何故かテレーゼとソフィが微妙な表情を浮かべ、フィーネが抱きついてきた。
「うぅ。おにーちゃんのをのめるのは、うれしいけど……むねがいたい」
「どうしたんだ? 治癒魔法を使った方が良いか?」
「ち、ちがうのー! ちいさいままでいたら、おにーちゃんがたくさんのませてくれるから……ほんとーは、なんともないの! ごめんなさい」
「……そうか。まぁテレーゼが無事だったなら良いさ」
「おにーちゃん! ……ふぇぇ、だいすき! だいすき! だいすきーっ!」
幼女テレーゼに何度もキスされ、いつの間にかフィーネとソフィも混ざっていて……とりあえず時間も時間なので、三人と少しだけして、皆を起こしにいく事にした。
……何か忘れている気がするけど、まぁいいか。
後で風呂の方から誰かのクシャミが聞こえた気もするが、気のせい……かな。
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