第454話 ご褒美を求めるレヴィア
モニカ事件の後、暫く海の上を進んだところで、突然レヴィアが失速する。
どうしたのかと思ったら、人の姿となったレヴィアが家に上がってきた。
「レヴィア、お疲れ様。休憩か?」
「……ん。疲れた」
「そうだよな。ありがとうな」
濡れたレヴィアの身体を布で拭いていると、そのまま抱きついて来る。
レヴィアを寝かせてあげようと思ったのだが、変な所へ手を伸ばしてきた。
「……アレックス。レヴィアたんにご褒美」
「えーっと、レヴィア……」
「もちろん、これ」
そう言って、レヴィアが全裸になり、それを見たモニカが一瞬で服を脱ぎ捨てた。
「ご主人様! 私もお願いします! 先程のように、家の外――太陽の下で解放的にしたいです!」
「ふむ。我も、そうするのじゃ。家の中でして、アレックスのアレの匂いが充満すると、常に発情して困る事になるのじゃ」
「わ、私は家の中の方が……」
レヴィアの行動を皮切りに、モニカ、ミオ、リディアと続く。
「あなたー! 私もっ! 来てぇー!」
外でラヴィニアに呼ばれ……まぁレヴィアもラヴィニアも頑張ってくれたし、仕方が無いか。
「≪分身≫」
複製スキルは解除し、八体の分身が女性陣に……って、しまった! ユーディットの人形、ユーリが思いっきり見ている。
「いいなー。ねー、ユーリもしたーい! パパー、いいでしょー?」
「私もしたいですっ!」
「じゃ、じゃあニースもーっ!」
ステラの人形やニナの人形ニースも混ざって来ようとして、モニカとしている分身の所へ。
モニカは一人で三体も分身を相手にしているから、一人分けて欲しいとでも言わんばかりの勢いで、ユーリたちがジッと見つめる。
これは、ダメだっ!
「そうだっ! モニカ、転移スキルだ! 俺の分身を魔族領へ連れて行ってくれ」
「ふぇ?」
「転移スキルだ。モニカーっ!」
「ふぇ……≪転移≫」
モニカが転移スキルを発動させると、前と後ろと口に挿れていた三体の分身と共に、モニカの姿が消えた。
良かった。これでモニカと一体の分身だけが消えて、二体が残ったら大惨事だったからな。
これで分身が五体になり、ミオと結衣がそれぞれ二体ずつと……
「って、結衣はしっかり混ざっているんだな」
「お父さん。結衣ちゃんが良いなら、私も良いですよね?」
「いや、結衣はこう見えて……何歳なんだ? ……こほん。とりあえず、ダメだからな?」
ステラの人形が、顔を輝かせて混ざりたいと言って来るが、流石にダメだと止める。
しかし、結衣は年齢不詳だな。見た目だけなら、ミオと同じくらいだが……それを言うと、ステラの人形も同じくらいの姿なんだけどさ。
そんな事を考えていると、モニカが一人で戻って来た。
「うぅ、ご主人様ぁ。あの全裸の分身を出してくださいませ」
「複製スキルか? どうしてだ?」
「転移スキルで戻った先が、六合教の宿舎だったのですが、六合殿がもっと分身を連れて来てくれないと、公平ではないと」
「む、向こうは人数が多いもんな」
「ご主人様、お願いですぅ! あと、私にも……こんなの生殺しですっ!」
ユーリたちの前で分身を増やすのはよろしく無いが、モニカが六合の所へ連れて行ってくれるというのであれば、まぁ良い……のか?
「≪複製≫」
新たに九体の分身が増え、モニカがすぐに咥えて転移スキルで三体ずつ六合の所へ連れて行く。
「もー! ズルいよー! パパー、ユーリもー!」
「お、大きくなったら……な」
「むーっ!」
不機嫌なユーリを宥めながら、レヴィアの相手をしていると、何かの気配を感じる。
「む……あ、アレックスよ。何かが近付いておるのじゃ! い、一旦この場から離れた方が良~~~~っ! ……いのじゃ」
「そうだな。レヴィア、すまないが少し移動出来るか?」
「……ムリ。今、こんな状態でやめられない。アレックス、もっと……」
レヴィアが俺から離れようとしないのと、海竜に変身してくれなければどうにもならない事を考え、ここは少しでも早くレヴィアを満足させるべきだろう。
「レヴィア……本気を出す」
「え? な……待って。アレックス、しゅごい……もっと!」
くっ……流石は竜人族というべきか。
本気なのだが、なかなか……
「ま、待つのじゃ。アレックス、凄すぎて……おほぉぉぉっ! らめなのじゃぁぁぁっ!」
あ、ミオは俺と同じ動きをする影分身を相手にしていたのか。
……って、ミオが気絶したっ!?
いや、何かが迫って来ているのに……ひとまず、レヴィアを抱きかかえたまま、海の様子を見に行く事にした。
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