第88話 夜の分身スキル

 開拓作業を終え、一日の疲れを取る為のお風呂タイム。

 抱きついてくるノーラに甘えられながら、まったりしてると、


「お兄さん。ニナも、お兄さんに抱きしめて欲しいよー」


 と、ニナが甘えてきた。

 いつも抱っこしながらノーラの話を聞いているだけだし、目を閉じて分身しても良いか? と聞いてみたところ、構わないと。

 なので、


「≪分身≫」


 早速目を閉じて分身スキルを使ってみた。


「ニナ。俺は目を閉じているから、手を引いて、適当な場所へ連れて行ってくれないか?」

「うん、分かったー」


 俺自身はノーラを抱きしめて座っているのに、右手にニナの小さな手を感じるのが凄く不思議だ。

 サクラ曰く、慣れれば大した事ではないらしいが、まだ難しい。

 一先ず、ニナに手を引かれて、分身がお風呂の中をザブザブと歩いて行く。


「ふふっ。もう一人のお兄ちゃんと一緒に、足が動いてるー」

「すまない。まだ分身スキルに慣れていなくてな」

「ううん、いいょー。お風呂の時って、いつもボクがお兄ちゃんを独占しちゃってるもんね。ニナちゃんも、お兄ちゃんに抱っこして欲しかったのに、我慢してくれていたんだよね」


 いやノーラ、違うんだ。

 普段は風呂で、ノーラ以外の女性たちが俺のを代わる代わる……って、おい。

 キスはまぁ良いとしよう。ノーラもしょっちゅうしてくるし。

 だが、誰かは分からないが、いきなり俺のを舐めている。

 この小さな口と舌は……ニナか?

 しかし、ニナは抱きしめられたいと言っていたし、ノーラとは違う感触もある。

 うーん……分からん。気になるので、一瞬だけ目を開けると、抱きつくノーラとニナが視界に映り、その後ろに……メイリンだったのか。

 意外に難しいが、恋人として間違えるのはダメだろう。


「あーっ! ズルいっ! 私もっ!」


 再び目を閉じた所で、エリーの声が聞こえてきた。

 という事は、新たに加わったのはエリー……って、いや待て!

 三つの舌が俺のを舐めている!?

 先端に感じる一番小さな口と舌はメイリンとして、根本の方がエリーなのか?

 だが、もう一つ先端に激しく絡む舌がある。

 先端はメイリンが咥えながら舐めているのに、どうなっているんだ!?

 不思議に思い、またもや目を開けると、メイリンとエリーがエリーの後ろでアレを舐める一方で、ノーラの後ろでリディアが咥えてたっ!

 リディアはこの後もするんだから、自重してくれよっ!

 そんな事を思った直後、


「……っ!?」

「お兄ちゃん? どうかしたの?」

「あ、いや。何でも……何でもないんだ」


 ノーラが不思議そうに話しかけてくる一方で、誰かが分身のアレを挿れたっ!

 こ、この狭さと奥までの短さ、それと激しい動きはメイリンかリディアのどちらか。でも、ノーラを抱っこしている本体の方では挿れないはずだから……やっぱりメイリンだった。

 メイリン……一生懸命声を殺そうとしているが、時折声が漏れているからな?

 ノーラに気付かれないように頼む……って、後ろを、後ろを舐められてるっ! モニカは何をしているんだぁぁぁっ!

 そんな状態が暫く続き、


「お兄ちゃん? どうして、小刻みに震えているの?」

「ん? いや、何でもないよ?」

「そう? ……あっ、そのぎゅーってしてくれるの嬉しいな」


 ノーラとニナを抱きしめながらメイリンの中と、リディアの口にアレが出てしまった。

 それから、エリーやフィーネ、サクラにモニカ……分身側が挿れられまくっているんだが!

 しかし、目を瞑っているからか、挿れられている時の動きをよく感じる……って、これはエリーだな? 流石に二回目はやめようぜ。

 そんなタイミングで、


「お兄ちゃん。そろそろ身体を洗おうよー」


 何も気付いていないノーラがとんでもない事を言ってきた。……って、よく考えたら、至極当然の事なんだけどさ。


「の、ノーラ。すまない。今、俺は分身スキルを使っているから……」

「あ、じゃあボクが連れて行ってあげるねー」

「ま、待ってくれ。今は……」

「ん? お兄ちゃん、どうかしたの? ……何これ? ここ、すっごく腫れて大きくなってる! 大丈夫?」

「大丈夫! 大丈夫だから、そっとしておいてくれ。さすらなくて良いからな」


 エリーの中に挿いっているのに、ノーラの小さな手でアレをさすられるという不思議な体験をしながら、洗い場へ。


「お兄ちゃんは分身スキルを使っていて、身体が上手く動かないみたいだから、ボクが洗ってあげるね」

「いや、ノーラ。待ってくれ。それくらいは自分で出来るから」

「いいの、いいの。ボク、お兄ちゃんの事大好きだもん。洗わせてよ」


 ノーラが優しく俺の身体を洗ってくれるのだが、そこは洗わなくても……って、こんな時にエリーが激しさを増したっ!

 ヤバい! ヤバいヤバいヤバいヤバい……もう、ダメだぁぁぁっ!


「~~~~っ! アレックスの熱いのが……」

「ん? 何か飛んだ? 何だろ?」

「き、気のせいだろ。それより、今度は俺がノーラを洗ってあげるよ」


 そうか。分身が果てたら、俺も果てるというか、同時に出るんだな。

 ……ノーラを抱っこしている間、バレなくて本当に良かった。

 それから、


「ではアレックスさん。また魔法の練習にお付き合いくださいね」


 リディアと二人っきりに。


「アレックスさん。アレックスさんがアレを出す度、ノーラさんにバレないように全部飲んでいたんです。ですから、次は……私にお願いします」


 どうやら、リディアが頑張ってくれていたらしい。

 一先ず分身スキルを解除し、そこからはリディアと、そして前回同様に戻って来たフィーネと三人で……いや、再び分身を使い、四人で? 頑張る事に。

 その後、リディアがダウンしてしまい、フィーネの希望により俺と俺の分身とフィーネの三人でする事になったのだが、


「口からも、こっちからもアレックス様のが飲めるなんて、すっごく幸せです」


 フィーネは二人の俺のを咥え……凄く嬉しそうにしていた。

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